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"複線型”キャリアパスのススメ②

介護マネジメントコンサルタントの近藤麻耶です。

今回のテーマは
複線型のキャリアパス について(後編)
 
前回は「外国人コース」についてお伝えしました。
今回は管理職養成コース、パート・シニアコースについてお伝えします。
 

1.異業種出身者にもチャンスを!管理職養成コース


多施設展開をしていて、管理職のポストが多い法人であれば、「管理職養成コース」を設置するのがおすすめです。これは短期間で管理者を目指したい人に向けたキャリアパスで、しっかり稼ぎたい転職者や異業種出身者のニーズに応えることが期待できます。
 
通常のキャリアパスでは現場での働きぶり(職人的な能力)が昇格条件となりますが、このコースでは、試験やリーダー研修の受講の負荷をより大きくします。職人的な能力よりも、経営やマネジメントの知識を大きく評価することで、異業種出身者でも昇格のチャンスが与えられることになります。
 
管理職として必要な、事業所目標の設定や管理、スタッフの教育、ご利用者やご家族との関係構築、外部への営業、事業所の収支管理などは、現場での実務で身につけることが難しいため、希望者が研修で学べる環境を整えておくことが大切です。
 
介護のスペシャリストだけでなく、管理職を目指す人材が、経営やマネジメントの知識を身につけ活躍できる仕組みをつくりましょう。
  

2.業務の負担度と連動!パート・シニアコース


シニアやパートスタッフについては、成長のサポートという一面もありますが、給与額の根拠を業務の負担感と紐づけることが主な目的となります。
 
介護施設では、正職員とパートスタッフの業務の線引きが曖昧なことも少なくありません。同じパートスタッフでも、ある人は引き受けてくれるのに、別の人は「私はパートなのでこの仕事はやりたくありません」というようなケースも見られます。これでは頑張ってくれている人が損をしてしまいます。
 
そのような問題の解決にも、キャリアパスの導入で効果が期待できます。
 
例えばあるデイサービスでは、業務の負担度に応じてパートスタッフの等級を3段階に分け、給与額の根拠を明確にしています。具体的には「新人指導」や「送迎表の作成」などを負荷が大きい業務とし、これらを行ってくれる人を上位等級に位置づけています。(下の図は4段階の場合)
 


このように人材像に合わせて成長をサポートしたり、給与を連動させることにより、これまでの人材とは異なるバックグラウンドの人たちのニーズに応える環境を作ることができます。これは、採用活動においても大きなアピールポイントになるはずです。
 
皆さんの法人の実情に合わせて、通常のキャリアパスとは別のコースを設定することもぜひ考えてみてください。

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