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スタートアップや新規事業部が最初にすべき『ビジネスアイデア』を評価する方法

今の時代は何が起こるか予測困難な「VUCA」時代に加え、新型コロナウイルスの影響により変化スピードも早まっています。しかし、それは新しく・大きなビジネスを生み出すチャンスでもあります。こうした状況の中で、チームもしくは個人として考え付いたビジネスアイデアのどれを進めていけばよいでしょうか。

ここでは複数あるビジネスアイデア(≒ユーザーの課題)をどのように評価していけば良いかをお伝えします。

なお、今回の評価は課題(市場)、自社、競合の3つの観点で見ていきます。

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①課題:最も重要なのは適切な課題かどうか

ユニコーン企業を最も生み出しているアクセラレータであるY Combinator(AirbnbやDropboxに初期投資)の創業者であるPaul Grahamはこう言っています。

the most common mistake startups make is to solve problems no one has.
スタートアップが失敗する最大の原因は、誰も持っていない課題を解決することだ。

そして、Y CombinatorのパートナーKevin Haleは、適切な課題の特徴を6つ挙げています

1.その課題は多数の人が困っている
2.その課題を抱えている人は増えている
3.その課題の解決は急を要している
4.人々はその課題の解決に多大なコストを払っている
5.人々にとってその課題の解決は必須である
6.その課題は頻繁に発生している

また、それぞれの課題の理想的としている基準を記載した表を以下に示します。

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こうした特徴は、全て備えている必要はなく、少なくとも一つ、理想的には複数あることで適切な課題と言えるとしています。

また、この適切な課題の基準は企業目的によるので評価時にそれぞれ設定し直すのも良いと思います。(例えば、特定エリアでの事業で高単価の商品であれば市場が1万人でも可とする等)

②競合:解決策に独自性は出せるか

ユーザーから認知され、注目されるためには便益だけでなくアイデアの独自性が重要となります。同じ効果をもたらす代替品がある場合(既に市場に競合がいる場合)、独自性がない限りは価格競争に陥ります。そのため自身が課題を解決する場合に、他との差別性、特徴が出せるか、つまり競合に勝てる理由を検討しましょう。

③自社:自分達が取り組むべきか

「本質的な選択肢」であり、十分に「深い仮説がある」問題でありながら、よいイシューではない、というものが存在する。それは、明確に答えを出せない問題だ。

ヤフーCSO安宅さんは、『イシューからはじめよ』にて良い課題の条件として「答えを出せる」を挙げています。チャレンジすべき課題なのか、それとも、そもそも現状のチームでは解決策が生み出せる見込みがないのかは見極めが必要です。

また、この課題を解くことが会社のミッション(目的)に沿っているのか、自分達のモチベーションが高まるかも重要です。ミッションに沿っていなければ社内での承認は通らないでしょうし、モチベーションが上がらなければ本気でユーザー課題を解決することはなく結果として事業の継続は難しいでしょう。

ビジネスアイデア評価のためのフレーム

チームや個人で考えついたアイデアを整理し評価するために、ここまで見てきた3つの観点をフレーム化したものが以下となります。

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このようにアイデアを可視化することによって、チームでの議論もしやすく納得性のある評価に繋がります。そして、この評価結果から、「解いた場合の価値が大きく、独自性を出せ、自社に適合したアイデア」(=最も優位性を発揮できるアイデア)を選択し検証・実行していきます。

なお、それぞれの項目はチームや個人によって重要度に差があるケースもあると思います。その場合は項目毎に重み付をした上で評価をしてください(例えば課題は1.3倍、競合は0.8倍、自社は1.0倍)。

おわりに

今回はビジネスアイデアをいかに評価するかを見てきました。こうして評価・可視化することにより自分たちの優位性が発揮できるアイデアが選択出来ます。ただし、ここでの評価はあくまで二次データとメンバーの主観をベースとした仮説となるため、選択したアイデアについて実際に「ユーザーが解決を求めている課題」であるのかを見極めるユーザー検証作業が次のフェーズで必要となってきます。具体的な検証方法については別記事でご紹介したいと思います。

今回の記事がスタートアップや新規事業の皆様に役立てれば幸いです。

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