見出し画像

【みんなのセミナーインタビュー】 #2_大野直樹センセイ

「みんなのセミナー」は、「誰でもセンセイ、誰でもセイト」がコンセプト。 学生主体・学生主導による学びの場づくりプロジェクトです。
年齢も立場も超えてつながり、みんなで協創する「学校ごっこ(大学ごっこ)」。
お互いがセンセイにもセイトにもなり、ともに学び合う空間を創出します。 大学を拠点に、大学生だけでなく高校生も社会人も一緒に学べるような、多様な学習者同士のネットワークを結節するプラットフォームを目指しています。


8/17(土)、8/18(日)開催の「夏セミ」に先立って、これまでの「みんなのセミナー」にご参加いただいたセンセイ方にインタビューを行いました。
今回は、大野直樹センセイのインタビューです!
「みんなのセミナー」に参加した体験について語っていただきました!

(聴き手:佐々木瞭伍)

(センセイの情報などは、2024年5月時点のものとなります。)


プロフィール

大野直樹(おおのなおき)センセイ
信州大学 客員研究員

みんなのセミナーに参加したきっかけ

去年(2023年)、東北大学が主催している産学連携教育イノベーター育成プログラム(AIBET)という実務家教員の育成プログラムに参加していて、1月(2024年)くらいに修了しました。
終了後、今後も実務家教員系のことでイベントがあったら案内があるということで、メーリングリストに入れてもらったんですよ。
そしたら、そこのメールで4月の春先にやるから誰か参加しませんか?みたいなメールが来て、ちょっとスケジュールとかを見たら参加できそうだなと思って、すぐに応募しました。

ー参加を決めた理由としては、面白そうだなと感じていただいたところが大きいですかね?

学生の前で話すっていう場数を踏みたかったんですよ。
いわゆるインストラクショナルデザイン、教育工学で教え方は学ぶんですけど、実際にそれも踏まえて実地を繰り返していかないと、そこのスキルも上がっていかないし、回数を重ねていかないと色々なチャンスとかも回ってこないですしね。

行った授業のテーマと内容

春セミって、1年生向けじゃないですか。必修授業(学問論)でみんなどれか好きな授業を選んでいくっていうところだったので、スキルセットについて話そうと思いました。
正式なタイトルは、『やりたいことがなくてもできる、個性的なスキルセットの作りかた』です。
別に大学入ってきたばっかりで、そんな夢とか目標とかあんまりはっきりしてない人たちも多いとは思います。しかし、そんな状態でもなんか興味持ったことからちょっと手をつけて色々やっていけば、道はつながっていって。
結局、自分のスキルとして積み上がっていって、自分の持っているスキルが三つ四つぐらいできたら、「多分きっと他の人とかにはない、自分だけのスキルセットになるんだよ。」みたいな話をちょっとワークショップというかディスカッションとかしながら、話していたみたいな内容です。

ーこのテーマでやろうと思われた理由は何ですか?

春セミだったからっていうのがあると思うんですけど。
こっちからしても、まさか自分は50歳過ぎて東北大学とか行って学生の前で話すとは思いもよらなかったわけですよ。
だけど、それも面白いなと思って。
表題も、色々なことをやりたいなとか、まだ決まっていないなとか、色々なことを考えながらも。東北大の中でこれから四年間過ごしていくという人たちに向かって偉そうに話せることなんかないんだけど。今の自分がなんだかんだでそこと接点ができて、なんでこういう接点がここで生まれちゃったんだろうねっていうことも含めて話すと面白いかなと思って。

授業を行った感想

授業を行う中で楽しかったこと

ポジティブな感想としては、やっぱり想像したよりみんな主体的に参加してくれたな、ちゃんと話を聞いてくれたなと思います。
そこが一番不安だったんですよね。何を話してもリアクションがないとか、数人しか来なかったらどうしよう、誰も来なかったらどうしようとかの不安もありました。
しかし、皆さんの参加意欲が高かったので、安心しました。

授業を行う中で想定外だったこと

大学一年生だからやりたいこととかあまり決まっていないのかなと思っていたんですけど、そうでもなく、こういう方向に進みたいっていうのはある程度思っていたなと思いました。

あとは、一年生の最初だからみんな人間関係もできていないじゃないですか。
こういう授業を選ぶのにしても、友達同士で受けに行くとかがあまりなく、ほぼみんなソロで来ていたので、自分でこの授業を受けようと決めて動いているっていうところがすごく新鮮だったなというか、適当なこと言ったら申し訳ない、ちゃんとやろうって気が引き締まりました。

ー主体的に参加してくれたっておっしゃったと思うんですけど、セイトの方から色んな意見を言ってくれた感じですかね?

そうですね。意見は求めたんですけど、「特にありません。」みたいなことはほとんどなく。自分で考えて、「私はこう思います。」とか、「私はこれになりたいです。」とか答えてくれて、話が進んでいきました。
一応パワーポイントとか作って流れは全部用意しました。しかし、いろんな話が出ていく中で、授業の最後のゴールは全然違ってもいいなと思いながら説明したところもありました。いろんな意見が出ることによって、一方的に聞かされている講義ではなく、参加型になっていたかなと自分では思っています。
色々ディスカッションした後に、「私が何でここに立ってるか」っていう話をしたんですね。大学出てから仕事をさせてもらって、結果今に至りますって話をして、「じゃあこの話を聞いた上で、私のスキルセットは何と何と何でしょうか?」とか「このスキルを元にして、じゃあ先生は今後どのようなビジネスチャンスがあると思いますか?」みたいな議論をしたところ、自分でも思ってもいないような切り口の話が出てきて。
震災とかコロナとかの多大な影響受けて生きてきたので、いわゆる外的要因とかに結構流されたかなっていうのが自分ではあるんですけど。学生たちの方から見ると、「色々な困難があっても、自力で打開していくみたいな力がスキルです。」みたいな話を複数受けて、嬉しかったです。

ーただ一方的に教えるだけでなく、交流を通して自分自身についても気づかされていくっていう新たな発見があるっていうのもいいですね。
先ほどの話の中で、想定していたゴールと実際になったゴールの違いについてもお聞きしたいです。

想定したゴールっていうのはさっき話したのと同じで、スキルを組むときに決め打ちをするんじゃなくて、マルチスキルを目指すっていう自分が興味があることを膨らましていくことと、求められること、二軸でちょっといろいろと始めてみたらいいんじゃないの?っていう話だったんですね。
ゴールはずれなかったけども、そこに至るまでの過程がずれて、色んな意見が出ることでそこに膨らみが出たっていう。

セイトとして参加した感想

韓国の日常に関する授業を受けました。
いつも大学で教えられている先生なんですけど、いつもの授業とはあえて全然違うことをやったって言ってました。本職の人がやるから授業っぽくなるのかなと思ったら、そうでもなくてちょっと雑談っぽい話だったので、そこは面白くもあり、最初思ってたのとちょっと違って意外でもアリみたいな感じで。一応資料はあるんですけども、教壇に立ってやるという感じでもなく、セイトが座っている方に来て話しかけながらやったりと、非常に親近感があってよかったです。

センセイ同士の交流

授業が全て終わった後、いわゆる振り返りの会があったりとか、終わってから懇親会があったりとかっていうのがあったので、センセイとして参加していた東北大学の方とかと同じになって、話が出来たのがよかったかなと思います。
それぞれの専門分野を持っていて、大学で学んでる分野だったりとか、自分で興味を持ってすごい色々と調べてる分野だったりとかでお話をされてるんですけど、東北大のAさんとBさんでそれぞれすごく面白い授業をやっていて、この2人で一緒に授業したら、「ちょっとまた違った授業になって面白いんじゃないの?」「じゃあ、それちょっと夏とかでやってみたら面白いですよね!」みたいな話があがって、すごく「みんなのセミナー」ならではなのかなと思いました。 
自分の授業だけで終わんないというか。

みんなのセミナーを通した感じたこと・学んだこと

当たり前っちゃ当たり前なんですけど、自分で何かテーマを持って、人の前で話して、そこで一つ授業をやると、そのテーマについて自分の理解がより深まるなというのが感じました。あとは、フィードバックも受けるので、それによってまたちょっと違った見方を得られたりとかいうこともあるので、そういう実りは感じました。

ーフィードバックで印象的だった点は他にもあったりしますか?

「センセイが持っているこのスキルセットを元にしてどういうビジネスチャンスがあるでしょうね」って聞いた時に、いわゆる自分は食べ物をずっとやったから食の話が出てくるのかと思ったら、そうでもなくて。「マネジメント能力があるから、そこの力を生かして、例えばその地域活性化とかの中でもいろんなプレイヤーをつないだらいいんじゃないですか?」とかっていうような話が出てたりとか。自分の中では「食」っていうのが軸だからって、ある一定方向ばかり向いてしまっているけど、自分の持ってるスキルからはそこにこだわらなくてもいいんじゃないの?っていう自分が学生に話してたようなことを、結論を、それをあえて学生の人たちが「センセイのスキルは将来こう活かしたらいいんじゃないですか?」っていうところを、答えを、先に言ってくれたので、そこは面白かったなと思いました。

授業の工夫

参加する人たちのモチベーションとか今持っているものによって、同じ内容でも組み立て方とか話し方とか変えていかないといけないなと思いました。
その再現性がないというところも学びなのかなと思いました。
授業自体で行った工夫としては、思いついて、当日になって、大学の生協でスケッチブックを買って行ったんですね。
それは良かったかなと思って、皆さんに一枚ずつ渡して書いてもらって、皆に見せながらしゃべってもらえば良く、黒板に書くよりも手間が省けるので。皆持ち帰ることもできて、後で振り返ることもできますし。

みんなのセミナーがその後に活かされていること

参加された先生の中で、まさに長野にいる人がいて、「 定期的に情報交換しましょうよ」みたいなことで人間関係の幅が広がったのかなと思います。
また、自分はずっと飲食業をやっていて、土日とかお店で一番忙しいところで一緒にお店で駆けずり回り、汗をかいたりとか、一緒にことを成し遂げていくのは大学生だったなということを思い出しました。
仕事以外でも、大学生とかの若い人たちと一緒に、飲食店じゃなくても違うところでも、同じように力を合わせて何かを成し遂げていきたいし、彼らが将来にわたって何か武器になるようなことを一緒にやっていく中で、少しでも提供できればなと思うようになりました。

今後の展望

夏セミも出たいんですけど、特徴とかあるんですか?

ーまだまだ立ち上げ段階なので、去年からなので、そこまでがっちり決まってはいないので、本当にご自身のやりたいことを自由にやっていただければな、それでセイトとセンセイの交流が取れるものをやっていただければなというところですね。

ワークショップ的なことをやりたいなと思ってるんですけど、それをどういう風な建て付けでやると面白いかなと考えていますね。
食に関することは、多少混ぜた方が自分の特色は出るんだけど、その場で料理とかできないじゃないですか。

ー冬セミのとき、中国茶についてやりたいっていうセンセイがおられて、中国茶をちょっと用意したりとかしたので、ご相談いただければ、可能な範囲で料理とかも対応できるので、そこは一緒に考えていければなと思います。

ワークショップについては、テーマとシンプルな流れだけ決めて、あとはやっていく中で結論を決めましょうみたいなことをやりたいと思いますね。
答えが決まってるものを教えるよりも、題材だけ持っていって、皆で考えるみたいな。そこのファシリテーションとかをしたりとかいうのはやりたいなと思います。

ー確かにその意外とテーマとシンプルな流れだけでも、授業ができるっていうところがみんなのセミナーの醍醐味なのかなと思いますね。そのおかげで、初めて授業を行う際のハードルも低いと思います!

みんなのセミナーのPR

みんなのセミナーっていうのは「誰でもセンセイになれる」っていうところが一番特色だと思います。
私みたいにそんな人前で教えるような経験がなくても、普通に社会人の生活を送ってきただけで、何かしらこう、学生たちといろいろと「ああでもない。こうでもない。」って盛り上がられる、授業させてもらえるっていうのは非常に面白いです。
セイトとしても、いわゆる勉強するとか学ぶっていうだけじゃなくて、自分も参加していろんなことを知ったりとか、みんなでなんかやったりできるところが面白いところだと思います。
ぜひ夏セミ、私も参加したいですし、皆さんにも参加してもらいたいなと思います。


次回のみんなのセミナー 【「夏セミ」(東北大学サマーセミナー)】

今年度の8月にも、「みんなのセミナー」を開催します!
ぜひ、ご参加ください!!

主催:SCC(Student Community College) ・東北大学学習支援センター
日時:2024年8月17日(土)、18日(日)
場所:東北大学 川内キャンパス 講義棟C棟

▼詳細はこちら▼
夏セミsummer seminar 2024 (notion.site)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?