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日本の研究者による「ただただ凄い」正教の本の発見

日本において正教の考えに近づくことは途方もなく難しい

なんだかんだと言ってもカトリックやプロテスタントの紹介は、日本でずいぶん進んだもののように見えます。

ところが同じキリスト教でも、正教については、隣国にロシアという正教の大国があるにもかかわらず、どこか遠い国の宗教のままなような。

と思っていたら凄まじく貴重な本を見つけました

現代数学(特にカントールの集合論)を応用して正教の世界観を現代風の論理で証明する、という、大胆不敵な試み!

ほんとに大胆不敵な限りです。たとえば後半のあるページはこんな感じ。

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この本に書いてある数学的な表現や、それが示している「正教の世界観」というものが、どれだけ正確なものか、私には判断できません(だいいち、上に引用した論理式の時点で、私にも読めない)。

しかし面白い!

良い意味で「風変わり」な研究書。とりもなおさず、「正教に関する日本語の研究書」自体になかなか巡り合えないでいた私にはたいへんな刺激になりました。

どうしてそんなに正教が重要なのかというと、ロシア文学を読む上でとても重要なファクターだから、ですね。

特に「日本人がドストエフスキーを読むと、どうしても、西欧思想のフィルターが入ってしまい、ドストエフスキーが敬虔なロシア正教徒だったことが見過ごされる」との指摘が昔からあり。

知らず知らずのうちに、

私たちは隣国のロシア文学を、アメリカやヨーロッパのバイアスを挟んで読んでいる可能性がある

となると、いかに二十世紀の百年を経て、ロシアが遠くて不可解な存在になってしまったことか。これからは、それもまた、変わってくるかもしれないと夢見つつ、まずはこの辺りの、日本でも少数派の正教研究書を丹念に追うところから、始めてみたい、と思うのでした。

ともあれ「ロシア正教が分からないと本当は分からない」とロシアの方々にいわれてしまうドストエフスキーですが、ちゃんと日本人の我々が前準備なしに読んでも面白くて感動できるのは不思議w

なんだかドストエフスキーは、他の古典と、どこかで別格な気がしてなりません。それがどこなのかうまくは言えませんが。


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子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!