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お化け屋敷プロデューサー五味弘文氏の名言:我々現代人に必要なのは「上質なフィクション」である

東京ドームシティの「パノラマ怪奇館」を筆頭に、画期的なオバケ屋敷を続々とプロデュースしてきた五味弘文氏。

氏の著作、『お化け屋敷になぜ人は並ぶのか』と『人はなぜ恐怖するのか?』の二冊は、私にとってバイブルのようなもの。

どうして「コワイモノ」がエンタメになり得るのか

という問題への明快な回答と

現代人にとって上質に設計された「コワイモノ」に触れることは必要なことである!

というたまらなく頼もしい提言が、この二冊にまとまっている。

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のみならず、氏が「現代に通ずるお化け屋敷を作りたい」となった際、

いかにして現代の一流アーチストたちの共感を得て賛同者を広げていったか、いかにしてお客さんの期待を上回る仕掛けを設計したか、といった話もこれらの著作に細かく出てくるので、

仕事のノウハウ本としても読めるいいことだらけの本です!

そんな氏の著作の中でもっとも重要と思う指摘が、

「コワイモノ」を見る時の快感とは、実は「共感」の喜びなのだ、という指摘

私なりにまとめると↓

ホラー映画を家で一人でビデオで見ているのと、大勢で映画館で観ているのとでは決定的な差がある。映画館で大勢で同じものを見て、同じシーンで「きゃー!」と叫ぶ、そのときの感情の共感が、人間の喜びなのである
お化け屋敷に入って素直に悲鳴をあげて楽しんでくれる人は、それでいいのだが、「こんなのはツクリモノさ」とせっかくの「感情」を理性でおさえこんでしまう「現代人」も多い。そういう人たちにも理性のリミッターを外して「きゃあー!」と素直に悲鳴をあげて楽しんでもらうには、どうすればよいのか、
それには、上質なフィクションを提供してやるしかない

大賛成です。大賛成ですが、しかし、

現代人に心から感情を発露してもらうには「上質なフィクションをクリエイターが作り込まなけばいけない」というのは、とても厳しい見解かもしれませんね。何を「クリエイト」するにも現代は甘くない

もうひとつ、氏の見解として、

「『不安』はストレスだが、ツクリモノの『恐怖』に悲鳴を上げるのはむしろストレス解消である」

という話にも、賛同いたします!

「ガチな不安」だらけで、「結末のあるスッキリとした恐怖」のない現代だからこそ、

上質なフィクションを提供するクリエイターたちを支援し、彼らによってコワイモノを仕掛けられた時は、おもいきりみをまかせて、怖がって、悲鳴をあげて、ストレスを発散しましょう。

みんなでギャーーーーッと!




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子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!