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写研×モリサワのコラボが胸アツ過ぎる件

どうも、SC-Sendai-Cityです。

今年1月、フォント界で沸いたニュースがあるのを皆さんはご存知でしょうか?(多分これを見る7割くらいの人は知らないかも)

モリサワ OpenTypeフォントの共同開発で株式会社写研と合意
株式会社モリサワ(代表取締役社長:森澤彰彦 本社:大阪市浪速区敷津東2-6-25、以下モリサワ)は、 株式会社写研(代表取締役社長:笠原義隆 本社:東京都豊島区南大塚2-26-13、以下写研)の保有する書体を、両社共同でOpenTypeフォントとして開発することに合意しました。
写研の書体は、幅広いバリエーションと洗練されたデザインが特徴で、専用のシステムを通じて多くの媒体で利用されています。この度のOpenTypeフォント開発を通じ、より幅広い用途でご利用いただけるよう両社で取り組みます。
フォントは2024年より順次リリースする予定です。2024年は、写研の創業者である石井茂吉氏とモリサワの創業者である森澤信夫が、写真の原理で文字を現して組む邦文写真植字機の特許を、1924年に共同で申請して100周年の節目にあたります。

https://www.morisawa.co.jp/about/news/5280

いや~びっくりしました。(知ったのつい先日←)

といっても何も知らない方から「シャケン?それなら2年毎にやっているよ。」といった声が聞こえてきそうなので説明しましょう。

写研とは

Wikipediaには次のように記されています。

株式会社写研(しゃけん)は、東京都豊島区南大塚に本社を置く、写真植字機・専用組版システムの製造・開発、書体の制作およびその文字盤・専用フォント製品を販売する企業である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%99%E7%A0%94

写真植字機といった今では聞き慣れない機械を作っていたメーカであったことが分かります。

今でこそ写真植字機は使われませんが、20世紀後半において看板や雑誌等に文字に起こす際は必ずと言っていいほど写真植字機が使われていたようです。

写研の最盛期には「ゴナ」や「ナール」といったフォントが街で見かけないことがないほど普及していたようですが、DTPフォント(パソコンで用いるフォント)の普及とそれに伴う写真植字の衰退により、現在ではたまに見る程度にまで落ちているようです。

また、写研が既存フォントのDTP化をしなかったことも、写研フォント衰退の要因でした。

ただ、一部鉄道会社のサイン(看板)や道路標識(殆ど写植フォントだが一部を除く)ではまだまだ現役で使われている場所も多いようです。(ここではナールを纏めた。1枚目:阿武隈急行福島駅 2枚目:山形鉄道赤湯駅 3枚目:仙台市青葉区の春日町交差点にある道路標識)

モリサワとは

Wikipediaには次のように記されています。

株式会社モリサワ(英: Morisawa Inc.)は、手動写植機や電算写植機のメーカーである。近年ではDTP用フォントや、組版ソフトウェア、オンデマンド印刷機などを開発・販売している。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%82%B5%E3%83%AF

こちらも写真植字機を扱っていたメーカですが、現在では「新ゴ」や「リュウミン」といったフォントが広く使われています。

とりわけ新ゴはJR東日本等、一部の鉄道会社のサイン類に用いられています。

この2社、昔はライバル関係だった?

※参考資料としたWikipediaページは後述。

石井茂吉と森澤信夫はともに「写真植字機研究所(現在の写研)」の設立者であり、この二人が写真植字の特許を取得、更に写真植字機を作り上げていきました。

しかし、開発方針の相違により、森澤氏は「写真植字機製作株式会社(現在のモリサワ)」を立ち上げ、2つの会社が台頭することとなります。

その後訪れた写真植字機最盛期には市場において写研が1位、モリサワが2位といった具合で、その後開発された電算写植が普及してもその位置に変わりはありませんでした。

1975年には写研が中村征宏氏によって作られた和文モダンゴシック「ゴナ」を発売。文字でありながら幾何学的に美しく、雑誌やサイン類において広く使われるようになります。

一方のモリサワも1990年、和文モダンゴシック「新ゴシック体(現在の新ゴ)」を開発・発売します。

写研はこの新ゴシック体がゴナと酷似しているとして裁判を起こすなど、2社のライバルっぷりが伺えます。(後に写研が敗訴。)

しかし1990年代、新たな波が押し寄せます。パソコンです。Macintosh(Mac)が普及し写真植字が衰退し始めたのです。

そこで写研はこれまで通り電算写植中心の路線、モリサワはAdobeと提携しDTPフォントを開発する路線に踏み切りました。

結果的に写研は2003年に大幅に規模を縮小、一方のモリサワは現在DTPフォントにおいて上位を占める会社となっています。

・・・というわけでこの2社がコラボすることが胸アツである理由、おわかりいただけたでしょうか。

どのフォントがDTP化されるの?

2021年3月9日時点ではまだ公式にどのフォントがDTPフォント化されるか発表されていません。

ただ、写研公式ホームページの一番上には「石井明朝」「石井ゴシック」「石井丸ゴシック」「石井教科書」「石井ファンテール」「紅蘭楷書」「曽蘭隷書」「淡古印」「ナール」「ゴナ」「ナカフリー」「ファン蘭」「ファニー」「スーボ」「ボカッシイ」「ミンカール」「ルリール」といった全17書体が掲載されています。これら全てがDTP化されるかはわかりませんが、いずれかのフォントがDTP化されると思うと楽しみで仕方ありません。

個人的にはナール激推なので、発売されたら即購入したいです。

権利表示

断りのない限り文章・画像はSC-Sendai-Cityが作成。
©2021 SC-Sendai-City

「写研」は株式会社写研の登録商標です。
「モリサワ」「新ゴ」「リュウミン」は株式会社モリサワの登録商標です。
「OpenType」はMicrosoft Corporationの登録商標です。
「JR東日本」は東日本旅客鉄道株式会社の登録商標です。
「Macintosh」はApple Inc.の登録商標です。
「Adobe」はAdobe Inc.の登録商標です。

引用・参考資料

モリサワ OpenTypeフォントの共同開発で株式会社写研と合意 | ニュース&プレスリリース | 企業情報 | 株式会社モリサワ
株式会社写研 株式会社モリサワとOpenTypeフォントの共同開発で合意 - お知らせ - 株式会社写研
写研 - Wikipedia
モリサワ - Wikipedia
石井茂吉 - Wikipedia
森澤信夫 - Wikipedia
タイプフェイス事件

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宮城県仙台市宮城野区在住 自然災害情報共有放送局(BSC24)で管理者をしています。