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考える時間を生み出す環境設計〜SNSから遠く離れて〜

社員が増えることでたくさんの相談が舞い込むようになった。有難い成長速度とともにすべての現場に顔を出す必要があった2年前。うれしい悲鳴を上げつつ、リアルな悲鳴として「考える時間がない!」と言う自体に陥った。

これらを解消するためにどのような対策が可能かを考えた結果、実行に移した2年間。同じような境遇に陥る方に向けて、得られた結果(メリット・デメリット)を共有しておきます。

【結論】物理的、体制的なテコ入れで思考する時間を取り戻せた

結果を先にいうと、皆さんの環境にもよるがある程度、物理的なテコ入れ、体制的なテコ入れでしっかりとした思考時間を確保できた。
もう既に有名な方法も含めて、結構パワープレイな実験も含まれているので自分に合いそうなものを試してもらえると幸いです。

環境設計①:物理的に考える環境を整える

事務所とは別にアトリエを用意した。実行不可はかなり高いので余裕がある人にはオススメの方法だと感じました。事務所の側に別途固定が増える選択肢なので経営的にはマイナスだなと判断もできますが、僕の事務所は来客もあれば社員の相談と重なって自分の時間軸で業務を遂行することが難しい環境です。僕自身の考える行為が損なわれることで近い将来、売り上げが落ちる=提案の質が下がる結果が予想され、そちらの方が損失が大きいと判断しました。なので「考える」と「議論」の場を切り分けることで解決できるのは?という安易な考えですが出費もそれなりも大きいが、効果も大きい、という結論でした。

もう激安の物件というか、大学生の一人暮らしぐらいのスペックでも精神と時の部屋ばりに集中できます。また、行為と場を紐づけるのは人間としてスムーズに意識のスイッチができることを体感しました。

環境設計②:通知はすべてOFF

これはめっちゃメジャーな方法ですが、実際にやっている人は少ないと思います。僕の一日の携帯を見せたいくらいですが通知がきません。基本的に電話もでれないので通知オフです。仕事柄それは難しい人もいると思うのですが、オンタイムでリアクションすることがいつのまにか「当たり前」になっているだけで、別に数時間遅れようがなんとかなります。それでしばかれる環境であれば考える時間より労働環境を変えることを考えだした方がいいかなと思っています。

環境設計③:ニュースにさようなら

「手元のスマホにニュースアプリを消す」をお勧めします。最早重要ではないニュースの垂れ流しです。その時間がもう人生の無駄だと気づき、ニュースアプリはすべて削除しました。緊急性あるものは、あなた以外の人がSNSの奴隷となっているので誰かがアナログ通知してくれます。

環境設計④:SNSにも、さようなら

もうみなさんも自然とそうなってるかもしれませんが、SNSとかなりの距離が自然と取れました。アプリを消していた時期もあるんですが、通知をオフにしたことでSNSを開くケースが大きく減りました。なので休憩時間くらいにちょっと見るくらいだったのですが、そのうち触らなくなり、投稿も減りました。なのでリアクションがないので慣れれば不要になります。

このメリットとしてはSNSの共感中毒から脱した後に寂しい感じや孤独感を感じることがあります。それがまさに思考するための時間に最適な心の環境だと僕は思っています。

デメリットとしては会社としての訴求も減るのでPR力が低下します。これは1年ほど投稿ペースが落ちて痛感しているところです。SNSの訴求力を落とさないために何かしら対応は必要かなと今は感じていますが、共感をえるための行為ではなく会社PRという割り切りができるのではないかと思っています。

環境設計⑤:必要なもの・好きなものだけしかない聖域を作る

アトリエを構えるときに何持っていこうか?となりました。考えるためと考えるとかなり物が減らせることに気づきました。

  1. PC

  2. ペン

  3. ノート

  4. デスク

  5. 椅子

  6. 音響システム

  7. 休憩ソファ

家でもオフィスでもノイズになるアイテムがたくさんあります。それらを一気に削ぎ落として目に見えない状態にすることはかなり集中できる環境が用意できます。

しかし、しばらくそこで考えてると息が詰まる感じがして、なぜだろう?と考えた時に、思考を補助するつなぎアイテムがないんだと気づきました。例えば、アイデアを考える時に本をペラペラめくったり、ソファでゴロゴロしたり、ウロウロ歩いたりするんですが、ミニマムにしていくとストイックすぎて苦しくなる。だからといってたくさんおもちゃを持ってくると矛盾するので自分の思考を補助するものだけを選りすぐっておいておくのがベストだなと思いました。

ちなみに僕は考える時に石ころとか手のひらサイズのものをニギニギしたり、音楽変えたり、ゴロゴロしたりするので、音響システムとソファをいれてます。机の上には旅先で拾ったニギニギグッズが鎮座しています。

環境設計⑥:事前準備やアジェンダがない会議はスキップ

これは立場とか色々あると思うので工夫が必要なところですが無駄な会議は本当人生の無駄とイコールだなと感じています。
僕の場合、会議が設定された場合、アジェンダを必ず確認します。会議が始まってから今日の議論は?という流れが参加する全員の無駄になります。アジェンダ出してみて、その回答や議論であればビデオを繋ぐことを不要で、こう言うことだと思いますよで済むことがかなりの数あります。

でも上司から言われたMTGだからとか、クライアントの指定だからと言う場合、一個前の会議で次回議題のアジェンダを整理することをお勧めします。んで、会議後に次のアジェンダに対しての現時点での弊社見解とかの意見を添えて次回MTGおよびコメントを添えて展開すると、必要なMTGのみが生き残ります。

環境設計⑦:自分が考えれる環境を把握する

人それぞれ考えやすい環境と言う物があるかと思います。僕は考える仕事を始めて15年以上経つのですが、経験上「一人で銭湯にいく1時間」「散歩をする時間」の二つがあります。

週1頻度で銭湯にいくのですが、ここでは「経営について考える」ように考えるカテゴリを切り分けています。
週の半分は事務所やアトリエをふらっと離れて散歩に出かけるんですが「案件について考える」時間として切り分けています。

それぞれ暮らしの中で捻出できる時間や場所は異なると思うので自分だったら、どこが思考しやすいかを探ってみると自分の脳みそと体の心地よい場所が発見できるかと思います。


【おわりに】
計画的に確保しないと
自然と考える時間は失われる

本当怖いなと思ったことです。人も組織も成長していきます。楽しくなってどんどん多忙を極めていきます。で気がつくと本来ふるえていたはずのインパクトを生み出す時間がなくなっていくことに危機感を感じます。

本当ありがたいことに忙しい数年を過ごせています。
同時に今までの自分のできることの中でしか結果を出せていない危機感も募っていきました。悩んだ結果、社員に相談しアトリエに週の半分籠ろうと思いますと相談しました。みんながそう思いますと背中を押してくれたこともあり実現できたことだなと感謝しています。


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いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。