名古屋が湘南に勝ったんじゃない。湘南が名古屋に負けたんだ。

公式戦7連敗…

スターティングメンバー

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リザーブ:GK富居、DF石原広、MF松田、MF鈴木冬、MF田中、FW指宿、FWタリク

(試合まとめ)
・最後の結末は、"ウノゼロ"。
最初の非決定機と、最後の非決定機は繋がっていた。

連戦の為、ちょっと簡易的なレビューになりますが、ご了承ください。笑

結果的には0-1の敗戦になってしまいましたが、ベルマーレの出来は前節4失点で負けたチームとは思えないくらい、かなりの盛り返しが出来ていた状態に高められていました。

それに関しては、この日の先発に馬渡和彰、山田直輝、岩崎悠人の3人を起用したことが、要因としてあげられます。
前節に横浜FC戦、前半20分も経たないうちに4失点を喫していたベルマーレは、前半終了を待たずして指宿洋史と鈴木冬一を下げ、岩崎悠人と馬渡和彰を投入。

その結果、馬渡は左サイドの位置から2得点に絡む活躍を見せ、岩崎は持ち味のスピードを活かしてとにかく走りまくって躍動感を与えました。
さらに、後半途中から入った山田直輝は主に中盤の真ん中と左サイドを自由に動いて、攻撃の起点作りを地道に行い、山田お得意の"攻撃のスイッチをいれる"役割で存在感を出しました。

前述の3人に加え、横浜FC戦では出場停止だった"湘南スタイルの体現者"、齊藤未月が中盤に戻ってきたことで、ダイナミズムと推進力がベルマーレに復活。

強い気持ちを持って試合に入ることができる4人が先発に入ったこと、そして、前線では石原直樹が、中盤では金子大毅が気の利いた動きと技術の高さを見せて攻守に献身的に効果的な働きを見せたことで安定感のあるプレーを長く持続することが出来ました。

名古屋の前線の配置が山﨑凌吾と金崎夢生の2トップ、中盤の両サイドが突破力のある相馬勇紀とマテウス、両サイドサイドバックが吉田豊と太田宏介というメンバー構成にも助けられた感はありました。

右サイドの相馬と吉田はアップダウンが激しく、スピードとクイックネスで勝負するタイプ。
左サイドのマテウスと太田は、共に正確な左足のキックがあるので、シュートやクロスで勝負するタイプ。

サイドから脅威を与えるスタンスで攻め込んできた名古屋でしたが、金崎も山﨑も程よくゴールから遠ざけられる守備をされていたので、このあたりはベルマーレ守備陣の働きを褒めてあげるべきでしょう。

スコアレスで折り返した後半、名古屋はマテウスと相馬のサイドを入れ替え、後半の早い段階からこの日ベンチスタートだった前田直輝とガブリエルシャビエルの2人を、相馬と山﨑に替えて投入させました。

これにより金崎とシャビエルの変則2トップ?のような形になり、前田直輝とマテウスは時間帯に応じてサイドを入れ替えていました。

一方のベルマーレは、山田直輝と岩崎悠人に替えて松田天馬とタリクを、さらに時間が経ってからは古林将太に替えて石原広教を投入しました。

前半開始時からよく走っていた岩崎と山田以上に走るタリクと天馬の姿は、見ていて非常に好感が持てましたね(笑)
特に松田天馬はオープンな展開になったことで、自らの持ち味である力強さと巧さを兼ね備えたプレーで中盤を席巻。
万能アンカーとして飛躍的な成長を遂げている金子大毅、ボールを散らす・受け取る技術が明らかに向上傾向にある齊藤未月との3センターハーフは、さらに大きな可能性を秘めていることを証明しました。

しかし、ベルマーレが攻めども攻めども、得点が入りません。
勝てる雰囲気はプンプンに出ているのに、もどかしい空気が流れていたのは、事実でしょう。

そして後半アディショナルタイム、マテウスの右コーナーキックのボールをニアでクリアしようとした齊藤未月の頭に当たったボールが、無情にもベルマーレゴールの中へ吸い込まれ、試合が決まってしまいました。

実を言うと、名古屋のこの試合で一番最初のチャンスと、一番最後のチャンスはいずれもマテウスの蹴る右コーナーキックからの場面でした。

前半のシーンではシミッチがヘディングを放ちましたが、後半ATのシーンでは齊藤未月の後ろにシミッチがいました。
どのみち、未月が居てもいなくても、シミッチに触られていたのは必然だったのかなって思います。
前半の開始数分から後半の残り数分の場面まで、ここまでリンクしたシーンもそうそうありませんでしたが、耐えて耐えてのセットプレー1発で試合を決めちゃうあたりが、ウノゼロっぽいなあと感じましたね。

あのシーンに関しては、未月を責めることは出来ません。
むしろ、クリアしに行くのが当たり前のプレーでした。
ただただ、齊藤未月とベルマーレに運がなかった。それだけのことです。

むしろベルマーレ側としては、良い守備ができていただけに、攻撃の最後のひと詰め、フィニッシュワークの部分の質がお粗末だったところを悔いるべきでしょう。

得点を決めるということは、それだけでチームに勢いを与えたり、試合によっては負担を軽減できる、自分と周囲をラクにする効果も出てきます。
このあたりは、選手の質とそのチームにあったやり方を突き詰めて実行に移していくしか方法がないので、辛抱強く見守っていきましょう。

(まとめ)
・成功の反対は自滅、という浮嶋監督の言葉を悪い意味で示しちゃったベルマーレ。

しかし、勝利への光明は見えている。

試合終盤のオウンゴールでリーグ戦5連敗、カップ戦を含めた公式戦で7連敗となかなか暗いトンネルから抜け出せないベルマーレ。

選手交代での難しい部分はありましたが、結果論から入ると、リスクをかけろとハーフタイムに指示を出した張本人が土壇場でリスクをかけれなかったのは、だいぶ残念な感じがしました。

とはいえ、試合を見た方なら分かると思いますが、3人の選手を下げたあとに、さらにあと2人誰を下げる?という非常に難しい選択を迫られていたのは、明確な事実です。

采配ミスとも取れるし、同情を誘いたくなるような試合展開でもあったので、その心持ちは人によって変わりそうですが、考え抜いたあげくの果てに行動に移せず、良い結果を導き出せることができなかった。

ちょっと乱暴かもしれませんが、『成功の反対は自滅』という浮嶋監督が昨年発した格言を、浮嶋監督自身がこのタイミングで発動させてしまった。

ですが、"原点回帰"を目指したこの試合で、攻撃に守備にベルマーレスタイルを発揮できただけでなく、今シーズンから取り組んでいる遅攻からのチャンスを演出する取り組みが徐々にチームスタイルの新たなプランの一つとして確立されつつあるなど、大きな収穫も見られた試合でもありました。

勝利を得る為には、あともうちょっと頭を使うか、もうちょっと走りの質を変えるとか、キックのバリエーションを増やすとか、攻守諸々の"あとちょっと"をどれだけ底上げすることが出来るか。

高い壁を乗り越えられたら、そのぶん高い景色が見れることにも繋がります!

トンネルの出口はきっとすぐそこです。

前に進めば必ず道は拓けます!!!



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