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博士(商学)のデザイン考察

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記事一覧

デザイン理論研究会を立ち上げます

今年の4月から、僕がこれまで仕事をしてきた「SAEKI Business Economics Labo」に加えて、新たに「SAEKI Design Labo」の設立を公表しました。

まあ設立と言っても、特に特別なことはなくて、これまでデザインと関わってきた仕事に屋号を与えただけですが。

僕自身はデザインについて手を動かす能力はないので、デザインストラテジストとしてデザイン業務に関わっていきます

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研究者がデザイン思考を学んでどう変化したのか

僕は今、色々な企業のお手伝いをしながら、学校でも教えています。
元々は経営経済学、交通経済学が専門でしたが、デザインの世界と深く関わるようになり、デザイン学校でも教えるようになって5年になります。

この約5年ほどは、デザイン思考についてもかなり勉強しました。

デザインの考え方や方法、そしてデザイン思考を学んだことは、今思えばとても大きな変化をもたらしてくれました。

そこで今回は、全く違う分野

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デザイン思考を活用してみよう 2

前回のnote、「デザイン思考を活用してみよう 1」では、デザイン思考とは何かを説明させて頂きました。

デザイン思考については、世の中に多くの情報がありますから、「今更そんな説明は要らない」と思われる方もおられるかもしれません。しかしあえて説明したのには理由があります。
1つ目の理由は、インターネット上などに多くの情報があるにも関わらず、例によって適切に思われる内容が少ないことです。そして2つ目

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デザイン思考を活用してみよう 1

デザインと関わるようになり、気づけばそれなりに時間が経ちました。考えてみれば、まさか自分がデザインの学校で教えるようになるとは、思いもよりませんでした。

デザイン思考という言葉を知ったのもここ数年のことです。デザインについて、真剣に勉強して5年ほどですから、まだまだ新参者。普段の僕なら、「まだ僕が書く立場ではない」と考えるところですが、、、

社会の大きな変化の中で、これまで学んできたことを役立

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デザインを考える 何をデザインするのか

突然ですが、デザインの話の前に、、、

経営学には、その入口として、大きく3つのアプローチがあります。それは、経済学、社会学、心理学です、
経営学部で教える科目という視点では、更に様々な科目があり、理系からのアプローチもあります。しかし「経営学」とすると、やはり最初に挙げた3つのアプローチが主になります。

その中で、僕は経済学の、特にマルクス経済学派に属します。そのため僕は、自分の専門分野を「経

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「デザイン」への疑問 東京パラリンピックより

このnoteでは、経営経済学の視点からデザインを考えることを目的としています。
いくつか記事を書いている最中でしたが、東京パラリンピックでの出来事から、ある疑問を思い出しました。そこで、僕の中では順番が前後しますが、今回はこの疑問について記したいと思います。

2020東京オリンピック、パラリンピックは、開催の是非や色々な問題をふくみながらも、無事終了しました。

その中で、今回の選手村が、「単に

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これからのデザインを考える 経営経済学者がデザインについて考える理由

・デザインを学ぶ
これまで僕は、約6年ほどデザインと関わってきました。最初はグラフィックデザインの技法と視点を学び、次に様々な分野のデザインと考え方について学びました。
その中で、デザインの役割や可能性について考え始めるわけですが、同時に、疑問点や矛盾がみえはじめます。すると、そもそも「デザインとは何か」という疑問にたどり着きます。

ここで面白いのは、デザインの世界では、デザインを定義するという

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デザインを考える 経営経済学者が考えるデザイン:はじめに

noteを開始して1年以上になりました。
これまで、主に経営、マーケティング、論理的思考をテーマに、記事を書いてきましたが、新たに「デザイン」について記事を書くことにしました。

・デザインとの出会い
プロフィールをご覧になった方はおわかりかと思いますが、僕は元々、経営学、交通経済学を専門として、大学で教える研究者でしたから、デザインは全く接点がありません。
大学勤務時代、出入りの印刷会社の方とは

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