見出し画像

【読書録】『学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑

2018年に出版されベストセラーになった、アウトプットについて教えてくれる話題の本である。アウトプットを楽しまれているnoteクリエイターの方々の中には、既に読まれた方も多いと思う。

下記の、本の要約サイトflierのランキング2019年で最も読まれた本の第1位であったとのこと。なお、既に紹介した『神メンタル』『メモの魔力』も、2019年で最も読まれた本の上位にランクインしている。

要約

アウトプットの基本原則、話し方、書き方、行動力、アウトプットを高めるトレーニング法の5つの章から構成されている。ノウハウ満載の本である。しかし、ノウハウを超えて、気持ちの持ち方や健康の維持、脳科学的な側面にも触れている。著者の樺沢先生は精神科医であり、信憑性も高い。それぞれの章で、印象に残ったメッセージは次のとおり。

アウトプットの基本原則 インプットとアウトプットの黄金比は3:7(普通の人はこの比が逆になっていて、インプット過剰になっている。)。

話し方 ポジティブな言葉を増やす。長く話すよりちょくちょく話す。質問する。ギブ&ギブ。断るときは、優先順位を基準に即座に断る、謝ったほうが評価が上がる

書き方 タイピングよりも手書きの効果が高い。脳は同時に3つのことしか処理できないので、メモに書き出して脳のトレイを空にする。上手な文章を書くには、たくさん読んで書く以外の道はない。リラックスこそが想像を生み出す。「ぼんやり」が脳の動きを活性化する。

行動力 行動する。続ける。教える。5分だけ頑張って「やる気スイッチ」をオンにする。直観を信じて「ワクワクするほう」を「5秒」で選ぶ。つさらや苦しさは吐き出す、笑う、泣く、眠る、運動する、スキマ時間を活用する。

アウトプット力を高めるトレーニング法 日記を書く、健康について記録する、読書感想を書く、情報発信をする、SNSに書く、ブログを書く、趣味について書く。

感想

特に印象に残ったのが、最終章の、実際にアウトプットを実地にトレーニングするという章。実際に、メルマガ、Facebook、YouTubeなどを毎日更新し、精力的にアウトプットされている著者のいうことなので、説得力がある。

日記を書くことについては、別記事で書いたように、その効用について普段から感じていたところと重なるところが多くあり、嬉しかった。

読書感想文を書く、のくだりは、今まで、多読で、片っ端から読んでは、都度読書メモは作っていたが、いずれも、「気づき」「TO DO」まで昇華させていなかったことに気づくことができた。

情報発信、のくだりについては、デメリットよりも、メリットが圧倒的に多い、というメッセージが強烈に印象に残った。これが、この本の私にとっての最大のTake awayである。

今まで私は、情報発信について、リスクばかりを考える傾向があった。時間を取られる、炎上するかもしれない、個人情報が漏洩するかもしれない、などの懸念がついストッパーになっていて、一歩を踏み出せずにいた。しかし、筆者に言わせると、実感値では、デメリットの20倍くらいのメリットがあるそうだ。

おそらく、私の中に、以前から、うすうす、情報発信したいという願望があったのだと思うが、この一言が決め手となり、noteを本格的に始めてみようという決心につながった。

また、別稿で紹介した『神メンタル』『メモの魔力』と共通するところが多くあったのも興味深かった。たとえば、目標の立て方と実現の仕方や、5分だけやる気スイッチをオンにする方法、というのは、『神メンタル』でも述べられていた話だ。また、ノートの取り方の紹介のくだりで、1ページを見開きで使うことや、「気づき」と「TO DO」をそれぞれ3つ書く、というのは、『メモの魔力』の「抽象化」と「転用の話」と本質的には同じであると思う。

この3冊がいずれも昨年のビジネス書カテゴリーのベストセラーであったことを考えると、最近の傾向として、自己分析をして目標を立て、アウトプットして自己成長したい、と考えるビジネスパーソンが多い、ということなのかもしれない。これって結構すばらしいことではないか。アウトプットする日本人が増えると、世界における日本人の発言力やアイデア発信力がアップするのではないかと、心強く思った。


この記事が参加している募集

読書感想文

サポートをいただきましたら、他のnoterさんへのサポートの原資にしたいと思います。