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オンラインファシリテーション 何回もやってみてわかったこと!(3)

今回は当日の運営について書こうと思います。オンラインイベントは2回目に書いた通り、わりと気軽に開催できます。その分、イベントの内容、ファシリテーションの進め方をしっかり考えておかないと、ダラダラ、グダグダなイベントになりかねません。

当日のイベント運営

イベントが始まったら参加者に興味を持ち続けてもらうようにしないといけません。ずーっと聞いているだけ、という状態だと受け身な感じになってしまいます。リアルな会場参加でも退屈な話は眠くなりますが、オンラインの場合には途中退出されてしまう可能性もあります。

講演者にとってもリアルな場と違い、オンラインの場合には参加者の反応がわかりにくいです。可能であれば参加者にビデオONにしてもらい、反応がわかりやすいようにしてもらいます。講演者は、ギャラリービューにしておけば、うなずきが見えるだけでも安心します。

参加者にいつもよりも大きく反応してください、と伝えるのも良いと思います。

ZOOMではギャラリービューで最大49名を同時に表示することが出来ますが、Microsoft Teamsでは4名(4月末に9名までに拡大、動作未確認)までしか表示できません。ZOOMでもスマートフォンでは4名までしか表示できません。運営はPCを使うのが良いと思います。

ファシリテーターは、講演者が話をしているときには、参加者の画像を見て反応を確認します。出来るだけ多くの参加者を一覧表示できるのは、ファシリテーターとしてはやりやすいです。参加しているけど、他の事をやっているというのはオンラインあるあるです。多くの参加者がずーっと他の事をやっているような状態は好ましくありません。

講演者の話を一方的に聞く時間が長くなると参加者も退屈してきます。講演の時間は15分~20分程度にして、一度Q&Aを入れるなどの工夫があると良いと思います。

チャットを積極的に使う

参加者にチャットの使い方を伝え、イベント開始時にチェックイン代わりにチャットに「今の気分」とかを一言で書き込んでもらうのも面白いです。一度チャット書き込みをやってみておくと、その後も書き込みやすくなると思います。

ZOOMでは、スマートフォンから入るとチャット画面とビュー画面は同時に表示することが出来ません。チャットが来れば画面下に通知されますが、1行しか表示されません。大人数が一気にチャットを書くと、チャット画面がどんどん流れていきますが、スマホでは見にくいかもしれません。

オンラインの場合、複数の人が話してしまうと音がかぶり聞こえにくくなります。講演中に参加者が話してしまうと講演者の声が聞こえずらくなります。講演中は参加者にはマイクをミュートにしてもらい、チャットで感想や質問を書いてもらうと良いと思います。参加者もチャットだと感想を書きやすいようです。

講演中にチャットの書き込みを見ながら反応するのは、かなりの達人でないと難しいです。ファシリテーターは講演中のチャットを拾っておき、Q&Aの時に講演者に質問をして返答してもらうと良いです。参加者にチャットで質問を書き込むときには、わかりやすく【質問】と最初に書いてもらうように伝えると、コメントやつぶやきに埋もれずにピックアップしやすいと思います。

オンラインに限らずイベントは時間が押すことが良くあります。チェックアウトをしようと思っていたけど時間がなくなった、という時にはチャットで本日の気付きや感想を一言書いてもらう、という事で済ませることもあります。後日アンケートよりも多くの意見を集めることが出来ると思います。

投票を使ってみる

参加人数が多いイベントの場合には投票機能を使うのも良いと思います。参加者の属性を聞くとか、イベント内容の興味のポイントを聞くなど、どういう参加者が多いのかを把握すると講演者が話しやすくなります。

参加者が多い時には全員から発言してもらう事は不可能なので、投票機能で意見集約すると効率的です。投票後には結果共有が出来ますので、参加者にもどのような意見が多いのかを知る機会になります。

参加者の状況を考慮する

オンラインイベントの場合、自宅から参加する人が多いです。小さい子供がいる、家族が同じ部屋で別のオンラインミーティングをしている、など、マイクをオンにすることが出来ない状況にある人もいます。また、自宅が写るのは困る、すっぴんで出たくない、など、ビデオをオンに出来ない場合もあります。

参加者の状況を考慮して、ビデオ、マイクのON/OFFは強制しないようにします。マイクOFFの場合には、出来るだけ名前を変更してもらい、(耳だけ)というようなラベルを最初に付けてもらうようにします。そうするとブレイクアウトセッションにて、耳だけの人ばかりになってしまう事を防ぐことが出来ます。

イベント終了後に会場を開けておく

1回目に書きましたが、オンラインイベントでは、せっかくブレイクアウトで一緒になった方との繋がりがイベント終了で途切れてしまうというデメリットがあります。リアルな会場では、終了後に参加者が講演者と名刺交換をすることが多いですが、オンラインではそれも難しいです。

私は、イベント終了後も30分ほどオンライン会場に残り、もう少し質問をしたいという人の対応をしています。人数が少なくなると、全体で聞きにくかった細かい事も聞きたいという人が出てきます。

Remoのように、参加者が自由に移動することが出来るツールを使って懇親会場を設置するイベントもあるようです。ただ、少し残って質疑応答を聞いていたい、という参加者にとっては、わざわざ別のオンライン会場に移るというのは敷居が高いでしょう。同じ会場で残って話す、というのが参加者にとっても講演者にとっても負担が小さいと思います。

当日運営のまとめ

●参加者に大きく反応してもらうように伝える
●講演時間は15分~20分にしてQ&Aを入れる
●チャットで【質問】と冒頭に書いて質問を投げてもらう
●時間がない時はチェックイン、チェックアウトはチャットで
●投票機能で意見集約してみる
●マイクオンに出来ない参加者には名前の最初に(耳だけ)を書いてもらう
●イベント終了後はオンライン会場に残って個別対話を行う

当日運営のポイントを書いてみました。

実際には参加者の数、参加者の関係性、イベントの内容、などによってファシリテーションの進め方が変わります。前回書いたように、当日運営を複数人でやれば、投票機能を仕込んでおいてもらうとか、参加者のマイクミュートを管理するなど役割を分担することが出来ます。

次回は、Miro, Google Jamboardを使ったオンラインワークショップについて書いてみようと思います。


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