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『鏡を覗くとあの人がいる』


「どうして、置いて行ったの?」

思わず、口から出た。

そこには鏡が有って
でも、たしかにあの人が居る。

呪いだ、と思った
最後に見たあの人の姿が
今、目の前にある。

どうして、置いて行ったの…。

鼓動が速くなる

どうして…
どうして…
どうして…

もう会えないと
そう思っていたの
だから諦めがついたのに

どうして今更。
貴方がここにいるの?

あれから何年経たのかしら
何も考えたくない毎日でした

気が付いたら、
似てしまったのね。

…。

置いてなんか行っていなくて
ずっと傍に居てくれたのかもしれない

そんな都合のいい事を
考えてしまった。

気づけなくてごめんね
私が寂しかったのは
自分しか見ていなかったから、
なのかもね。

鏡を覗くとあの人がいる

私の中に確かに
あの人が居る。


ごめんなさい、
長い間、気付いあげられなくて。
寂しかったよね?


私も、寂しかったの。


ごめんなさい、
ごめんなさい。


いつも傍に居てくれて
ありがとう。

こんなに近くに居たのに
随分遠くまで来て、やっと気が付いた。

おめでとう。
と声が聞こえる

私は、今日。
あの人と同じ年になる。


鏡を覗くとあの人がいる。
泣き虫だった、あの人が…

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