新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
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【9】小児科医ママが解説「コロナに効く、正しい"手洗い"は?」


コロナに関わらず、感染対策の基本となる「手洗い」。
正しい手洗いのポイントを、学会のステートメントを参考にしながら、見ていきましょう。

今回の参考文献たち:

① American Academy of Pediatrics(米国小児科学会)
"Keep kids’ hands clean with soap and water, not antibacterial products."
https://www.aappublications.org/news/2019/05/15/parentplus051519
https://www.aap.org/en-us/advocacy-and-policy/aap-health-initiatives/children-and-disasters/documents/midccs2hygiene.pdf

②American College of Obstetricians and Gynecologists(米国産科婦人科学会)
"Coronavirus (COVID-19), Pregnancy, and Breastfeeding: A Message for Patients."
https://www.acog.org/patient-resources/faqs/pregnancy/coronavirus-pregnancy-and-breastfeeding

③Centers for Disease Control and Prevention'(アメリカ疾病予防管理センター)
"When and How to Wash Your Hands"
https://www.cdc.gov/handwashing/when-how-handwashing.html


ハッピバースデートゥーユー♪を2回

米国疾病予防管理センター・米国小児科学会ともに、手洗いの時間は(最低でも10秒)できれば20秒以上かけるのが良い、としています。

米国産科婦人科学会も、今回のコロナウイルス感染症をうけて、妊婦も「最低でも20秒以上かけて手を洗うこと」が推奨されています。

ただ「いーち、にー・・・」と数えるのもなんですし、タイマーをわざわざかけるわけにも・・・ということで、上記の学会からも推奨されているのは「ハッピバースデートゥーユー♪を2回歌う」ことです。ちなみに白井は30秒弱くらいかかりました。これならお子さんも、時間をかけて洗ってくれるチャンスが少しありそうです。

ちなみに、水かお湯かは、どちらでも良いとのこと。


泡立つまでしっかり。

十分に手が洗えているか、ほかの指標としては「しっかり石けんが泡立つまでこする」ことです。
今はフォーム(泡)タイプの石けんもありますので、その場合はわかりにくいですが、液体タイプの石けんの場合は、泡立ちも一つの目安になります。実際に米国小児科学会では、液体タイプの石けんを推奨しています。

しっかり泡立てるために、まず石けんをつける前に、水でしっかり手を濡らしておいて、石けんをつけた後はひたすら泡立てます。指の間や手の甲、爪もしっかりこすりましょう。

なお米国小児科学会では、固形の石けんは、衛生的な手洗い、という観点からはあまり望ましくないとしています。
これは、固形の石けん自体が悪いというよりは、石けん入れにたまった水が細菌に汚染されやすいということや、そもそも固形石けんを子どもがうまく持ったり・使ったりするのが物理的に苦手なことが多いだろう、という観点からです。

手をふくのは、使い捨てのペーパータオルや、あるいは、他人とシェアしないタオルでふきます。蛇口は、手をふいた後に、その紙でひねってとめましょう(自動なら不要)。


「抗菌」の石けんは使わない。

市販の石けんをみると、「抗菌」や「除菌」などといった表示も目立ちます。これらの石けんを使うと、たしかに一部の菌についてはある程度、殺すことはできるでしょう。

ただし、菌は悪いものばかりではありません。事実、私たちの皮膚や、口・鼻の中、腸管などに細菌は山のようにいて、それらがいるからこそ、私たちの体の機能が成り立っていたり、他に病気をもたらすような菌を排除したりすることができます。

いわゆる「抗菌」や「除菌」などと書かれた石けんは、こうした「悪者ではない菌」も殺してしまいます。さらに、中途半端に殺せなかった菌がパワーアップして、薬が効きにくくなる耐性菌をうみだす一因にもなります。細菌の感染症になって、本当に抗菌薬が必要になったときに、その菌が耐性菌だったせいで、抗菌薬での治療が難しくなる・・・場合によっては、耐性菌は命にも関わる問題です。


実際に、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)は、殺菌成分を含む石けんの販売を禁止しました。「インフルエンザ、サルモネラ、MRSA、大腸菌、ほかの細菌やウイルスの感染予防をうたう製品は、買うことを控えるべきだ」とステートメントをだしたのです。
厚生労働省もこれに準じて対応したものの、結局は他の殺菌成分に切り替えるなどして、たくさんの抗菌石けんが販売されているのが現状です。


アルコール消毒は、手洗いの代わりにはならない。

そもそも手洗いのいちばん大事なポイントは、石けんうんぬんよりも、しっかり水で汚れを洗い流すことです。アルコール消毒剤がわるいわけではないのですが、こうした観点からは、ただ消毒剤でこすっても落ちない汚れは多いということです。


こうした消毒剤は、水が使えない時限定で、乾くまでしっかりこするように提唱されています。これも最低15秒、製品によってはもっと時間をかける必要があります。なおアルコール濃度は60%以上が推奨。アライグマの手ピカジェルは、ちゃんと70%以上あります。

また、引火して燃えてしまわないように、火の回りには置かないことや、子どもが飲まないように、置く場所に気をつける必要もあります。


不要不急の外出をやめること、どんな人とも1.8m以上の距離を保つこと、それと並んで、正しい手洗いをすることで、少しでも感染のリスクを下げたいものです。


・・・で、白井ん家、ちゃんとできてんの?っていうことについては、こちらの育児ブログにかいています。
http://sayokoshirai.com/子どもとの手洗いに、20秒かけられるか。/

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■医師免許、日本小児科学会専門医、小児科オンライン(https://syounika.jp/)、IPHI 妊婦と子どもの睡眠コンサルタント、キッズ・マネー・ステーション認定講師 ■2児ボーイズの育児ブログ:http://sayokoshirai.com/
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