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夢。

電車に乗ろうと急いでるようだった。走っている。

僕の前には白いシャツと白いフレアスカートの女性がに急いでいる。

僕はその女性に遅れまいと、見失わないように追いかけている。

周りにはたくさんの人。

彼女は上下白かったせいかとても際立っていた。

でも見失うことは絶対にないと、どこかで変な自信があった。

僕らは乗り換えのホームに急いでいた。

”間に合った”

扉の真ん前。扉が開いたその瞬間、

”待って、車があるんだ。車を駐車場に止めている!”

彼女は車内に1歩足をかけていたのだが、突然振り返り、

自分の背後に押し寄せる人波かきわけ、改札口へ向かってまた走り出した。

僕はまた彼女の背中を見ながら走った。

改札口までは長かった。

直角に曲がる通路。鍾乳洞のような湿った空気。

蛍光灯の青白い光が湿気っぽさ際立たせていた。

酔っ払いの吐いたゲロが点在している。

僕はそれを軽やかにヒョイヒョイと避け、

ずっと彼女の背中を追いかける。

”僕は、本当は彼女の顔なんか知らないんじゃないか?”

でも、確かに知ってる女性なんだ。ただ、実際の彼女はこんな後ろ姿じゃない。

”じゃ、君は誰?”

100mもあっただろう通路を走る抜け、ようやうやく改札に出る。

そこは、確かに来たことのある知った風景で、

時間をかけて散策するには情緒ある街だった。

さっき乗ろうとした電車がやや上目線で通り過ぎてゆく。

電車もまた趣があるのだ。

が、ここに居たい衝動を振り切って

また彼女の後を追う。

今走って来た通路を戻る感じだ。明らかに景色は違うのだけど。

いつの間には2人は速度を落とし歩いていた。

でも相変わらず、彼女は僕の前をゆく。

しばらく行くとまた通路を歩いていた。周りにはたくさんの人。

人の話し声。楽しそうな会話。BGMのように聞こえる。誰もが左側通行だ。

向こうから見覚えのある顔が歩いて来た。男友達だ。

水色の体のラインがわかるようなジッパーのあるヤッケを着ている。

隣には背の低い垢抜けない女性。彼よりは年上だろう。少しふっくらしている。

暑い季節なのに長いスカートに長袖のトレーナーのようなものを着ている。

前髪は眉毛あたりで揃えてあり、長い髪だった。

私は彼にすぐ気がつき、彼も私に気がついていた。

ただ、お互い目を合わせない。視界の隅にお互いを置くだけだ。

通りすげる少し前、なぜか私はうつむきながらふと笑った。

そして、彼と通り過ぎる瞬間、隣にいた女性は、

短髪の黒髪で黒縁メガネをかけた、小太りの背の低い男性に変わっていた。

スーツを着ていたように思う。色は…覚えてない。

おそらく彼の後輩だろう。

すれ違った瞬間から僕の後ろの世界が、

すべて景色に吸い込まれるように消えてゆくのを背中で感じていた。

振り返ることはしなかった。

ずっと見ていた彼女の背中も、もうそこにはなかった。

そして、目覚めた。朝7時。やけにスッキリした目覚めだった。

”なんや???”

「真理」ってわかりやすく親切には書いてない。

夢も同じで、親切にわかりやくすは見せてくれないな ww

追いかける白と流れてゆく水色か…

でも、何となくわかった気がした。






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