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「ハレの日」と「ケの日」

「良い日、悪い日」という意味もあるらしいけど「特別な日、普通の日」という意味もあるらい「ハレの日」と「ケの日」。冠婚葬祭の日と日常ということみたいだ。

昔は「ハレの日」の食事と日常の食事は明らかに違っていたよね。
「祭事には豚を一頭海に沈めて神に感謝をし、皆で焼いて食べたー」なんて話を宮古島の友達に聞いたり「冬にマタギが猪を仕留めて、皆で分け合って食した。体がとても温まる」と福井の友達に聞いたり。
特別な日は普段食べない食材を調理して食べたんだね。待ち遠しかっただろーね。嗜好品は今ではいつでも手に入るし、大量生産するために色々な化学物質が使われてる。そしてもっと早くもっと早くと、どんどん世の中の時間が早くなり(1分は60秒なのに)さらに手軽に口に入る食べ物が増えた。



【旬の食材】

日本の四季に合わせて現れる食材は日本人に向いていて、春には苦いもの、夏には酢の物、秋には辛み、冬は油の多いもの、それを食することによって、日本で暮らしやすい体が造られるのだと思うんだ。そんな話を塩引き鮭で有名な新潟村上の「きっかわ」の会長さんが話してくれた。冬には必要だったものを春には体内から排出しなくてはいけない。だから季節の旬の食材が大事なのだと。それをしないと五月病になるよと。カラダの表面も季節に合わせて衣替えがあるのだから、体内も氣替えとでも言うのかな、必要なことなんだろうね。個人的には夏以外にトマトとかキュウリとか食べたくないからねw

そういえば、前に何かで読んだ話だけど、ドイツ人医師ベルツが東京から日光まで人力車を使って旅をしたんだって。前回、馬を使った旅より30分余分にかかっただけで、その間、交替しないで走り続けた。ベルツはビックリして車夫の食事を確認したところ「玄米のおにぎりと梅干し、味噌大根の千切りと沢庵」だったと。普段の食事も、米・麦・粟・ジャガイモなどの典型的な低タンパク・低脂肪食。もちろん肉など食べていなくて、彼から見たらのかなりの粗食だった。
そこで彼は実験を試みるんだけど、車夫を2人雇って1人には日常の食事、もう1人に肉の食事を摂らせて、毎日80kgの荷物を積んで40kmの道のりを走らせたんだよね。そしたら肉食だった車夫は日に日に疲労が募ってとうとう走れなくなって、3日で「どうか普段の食事に戻してほしい」とお願いしてきたから元の食事に戻したらまた走れるようになったって。もう1人の日常の食事の車夫はそのまま3週間走り続けたの。多少の個体差はあるにしてもやっぱり日本の食文化は長く肉体を維持できそうな感じがするよね。



【生活の中にある天然素材】

樹木医だった師匠が「100年保たせたいなら100年の木を使わないと。そして、地のものがいい。そして南向きには南側の木を使うといい」と教えてくれた。大きな農家さんじゃないから自分の山で切った木を寝かしておくなんてこと、今はなかなか出来るわけないけど、実家の小さな古いベランダの手すりを触りながら教えてくれた。体もそうだと思う。保たせたいなら、何を口にしたら良いか。なんかわかる気がしてきた。

日本の昔からあるものってとても優れているなぁと思う。「天然素材の襖紙に張り替えたら、泥酔するお客さんが減った」なんて話を聞いたことあるし、障子には空気清浄機の役割があった。張り替えて不要になった障子紙はビックリする程真っ黒だ。炭には消臭効果があり、畳や墨汁には鎮静効果があるよね。昔のふすまをバラしてると書き損じた半紙がたくさん出てくるから殺菌効果があることも知っていたんだね。

経済優先の人類は盲目になってしまっているけど、実は常に常に、鉱物界・植物界・動物界は人間界をサポートしてくれているのではないかと。。。それが彼らの役割ではないかと(それが進化とでも言うのかな)。そんな話をすると「人間はマウント取りたがる!神様にでもなった気でいる!」なんて非難されそうだけど、本来なら、人間界がその下の世界(ひっくるめて環境)をきちんと管理しないといけない立場にあるのではないかと思う。管理って言うとなんか聞こえが悪いけど、もちろん人類が人間界の役割をきちんと果たしてるのであればの話だけどね。

人間界の役割ってなんだろう???



【粗食の粗】

玄米(小豆・はと麦入り)、ごま塩、梅干し、噌汁でぜんぜんOKのワタシ。コロナ期間、毎日3食作らなきゃいけないお母さん。こんな時こそ、粗食の食事支度は楽ですぞ。

近頃特に、玄米とごま塩となめこの味噌汁が美味しすぎて美味しすぎて。。。
ワタシにとってはぜんぜん「粗」じゃないけど…


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