限界A型作業所に通っていた話

正式に書くと「就労継続支援A型事業所」らしいが、界隈の方々には「A型」や「A型作業所」と言われている。



私は東京で無職をしていた。だがそのままじゃ生活できない。貯金も底をつきそうな頃、私はハローワークの障害者コーナーの門をたたいた。

前々からツイッターで目にしていた「A型作業所」の名を担当の職員に出した。A型は最低賃金は貰える。対してB型は時給でなく工賃だ。時給にするとしたら100円とかそんくらいだ。とてもじゃないが生活できない。だから最初からA型を希望したが、担当の職員は

「あなたは絶対続かないと思う!」

「A型は枠が少ない!他の障害者に譲るべき!」

と熱弁した。

私は生活保護の水際作戦に似た何かかと思ってポカンとしていた。

(続かなかったのは事実だが)


担当が若い人に変わってA型の見学を勧めてくれて、同行してくれて一つの場所に決めた。

(完全に選択を誤ったと思う)


私が通っていた限界A型作業所はこんな感じだった。

・一週間は体験として6時間タダ働きをする。

・建物はトタン。

・雪が降る中、暖房はなし。

 (なぜか支援員が「なんか暑いね~」と言って付けたがらない。支援員の小部屋だけなぜかぬっくぬくの風が吹いている)

・トイレは壊れているので最寄りのコンビニまで行け。

 業者は呼ばないのか→呼ぼうかな~どうしようかな~なんか連絡つかないな~ → なんか時間経ったら流れるようになったので呼びません! → 明日も壊れる → いつものことなので!

 この具合で業者を呼ぶのをなぜか渋っている。

・車椅子の身体障害者のトイレの介助をさせている。

 (支援員の指示ではなく率先してやっていて、支援員は黙認していた。というか自分たちがやりたくなかったんだと思う)

・そのくせ作業中に身体障害者の介助をすると怒る。

・怒鳴り声禁止の張り紙があるが知的障害者が知的障害者を怒鳴っている。

 (これも黙認)


真冬に暖房も無しでトタンの建物の中、ほぼ外と言ってもいいくらいの場所で手作業をしていたため手は震えていた。

寒さでトイレも近くなり、トイレが壊れていて直す気配もなく集団で車椅子を押してコンビニにトイレを借りに行く(コンビニ側に許可を取っているのか知らないが)姿を見て、

「あぁここはアカン」

と早々に音を上げた、ハロワに上記のことを告げ口したら半年後、その作業所は潰れていた。そこで働いていた人たちは15人ほどいたけれど彼らの受け入れ先などは知らない。

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