藤井青銅

作家です。放送作家、脚本家、作詞家とも呼ばれますが、自分では全部同じことだと思ってます…

藤井青銅

作家です。放送作家、脚本家、作詞家とも呼ばれますが、自分では全部同じことだと思ってます。ヘッダー画像は『ラジオな日々』(小学館)表紙カバー(画・木内達朗さん)より。

マガジン

  • オモテもウラも藤井青銅

    基本は毎週1本掲載です。内容は、 「書き下ろしエッセイ」 「これまでに書いたドラマ脚本、落語、腹話術などの脚本、番組台本」 「単行本未収録の小説・エッセイなど」 …の予定。私は作家兼放送作家なので、小説、エッセイ、コラム、ドラマ、番組、イベント…とオモテに出る仕事は色々あり、ウラにはエピソードもあります。その両方です。 有料サイトですので無断転載・引用などはご遠慮ください。感想・質問などあればコメント欄へどうぞ!

  • 藤井青銅の本

    プロフィール紹介も兼ねて、これまでに出した本を紹介。

  • ショートストーリーズ

    これまで本や他のメディアで発表したものに手を加え、セレクトしました。エッセイと詩と物語と、SFとファンタジーと、さらになんだかわからないものがまざった短いストーリー集。

  • TVのモンダイ点

    かつてTV誌「ステラ」に連載していたコラム。書籍化してなかったので、順に再掲します。意外に腐ってないネタが多いようです。

  • 食の歳時記

    我ながら珍しい「料理エッセイ」。元はラジオ番組のために書いたものです。

最近の記事

オジサン同士のハグ

あれはハグというのだろうか、人前で思わず相手と抱き合ってしまった。しかも、こっちもオジサン、相手もオジサン。 傍目にあまり美しいものでないことは承知している。自分だって、直前までまさかそうするとは思っていなかった。しかし自然にそうなってしまうこともあるのだ。 * 去年の11月、仕事仲間から、 「Kさんが青銅さんの連絡先を知りたいと言ってきたけど、メールアドレスを教えてもいいですか?」 という連絡が来た。 Kさんとは40年以上前に半年ばかりお仕事をした。それきりだが、もちろ

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    • 干支シリーズ(1999年/社会・文化)

      NHK-FMの「青春アドベンチャー」で、毎年一年の最後に放送する通称「干支シリーズ」と呼ばれたものがありました。1993年から2009年までの17年間、私は毎年この番組を書いていました。 その残っている原稿データから、ランダムに紹介しています。まあ、こうやって再掲してみると、我ながら「くだらないことを書いてるなあ」と思います。が、それも含めて「これが時代の記録なのだ」と考えることにしています。 今回は「1999年」。1999年といえば…そうアノ年です! この年なにがあったか

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      • 不思議なタイトルのトークイベント

        イベントのメイン・タイトルは、 「”面白い企画”はどのように生まれるのか」 これはまぁいいとして、そのあとに続くサブ・タイトルがちょっと不思議ですね。 『トークの教室』4刷&「玄石」設立W記念! …どういうこと? いろいろ説明しますね。 まず、場所の「B&B」は下北沢にある本好きには有名な本屋さん。 私も、何度もイベントやらせてもらってます。 日時は、5月2日(木・GWの谷間の平日) 19時30分~ 現地参加&リアルタイム配信 上の写真のような店内なので、東京の方

        • 日ぐすり

          「《日ぐすり》って言葉があるんですよ」 と彼女は言った。 「日ぐすり?」 と私。 「一日一日を重ねていけば、最初はできなかったことがいつの間にかできるようになる。日にちが薬になるということです」 私はベッドの横に立っていた。裸の背中を彼女に向ける。 「昨日は立ち上がることなんて無理だと弱気だったけど、人間、だんだんできるようになるもんですね」 と言ったら、《日ぐすり》の言葉が返ってきたのだ。 彼女は、看護師さん。 この時の私はといえば、点滴のスタンドを持ってヨロヨロと立ち上

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        オジサン同士のハグ

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        • オモテもウラも藤井青銅
          初月無料 ¥500 / 月
        • 藤井青銅の本
          61本
        • ショートストーリーズ
          10本
        • TVのモンダイ点
          91本
        • 食の歳時記
          62本
        • とことん TVのモンダイ点
          38本

        記事

          記憶の博物館3

          ずいぶん以前、ラジオ番組での朗読コーナー用に書いた、エッセイと詩をミックスしたような原稿を元にアレンジし直したもの。そこから、何本かずつまとめてUPしています。 今回は「卒業アルバム」「自転車」「オルゴール」「夕焼け」 ***************** 卒業アルバム なにが不機嫌なのかわからないけれど、あなたは、ちょと戸惑った顔をしている。 なにがおかしいのかわからないけれど、あなたは、すごく楽しそうに笑っている。 ……卒業アルバムの写真。 あなたは、気がついてい

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          ちゃぶ台

          まだ小さな頃、我が家に丸いちゃぶ台があったことを憶えている。今では昭和ノスタルジーのドラマやコントでしか見ない、ザ・昭和のちゃぶ台だ。アニメ・巨人の星で星一徹がひっくり返すあのちゃぶ台だ(漫画の中では一回しかひっくり返してないし、しかもそれは傾いただけ、というミニ知識はいりません)。 あれは、ふだんは脚をパタン・パタンとたたんで立てかけておく。どこか小さな隙間にでもスッと入る。使う時に脚を立てて、畳の上にセットする。それは小さな私にだってできる仕事だった。 我が家は父・母・

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          2つのダイジェスト~人は何に興味を持つのか?

          新聞・雑誌にせよ、Webメディアにせよ、プロによる本の紹介というのは難しい。ある本の中で「記者が興味を持った所」が、必ずしも「そのメディアの想定読者層が興味を持つだろう所」と一致するとは限らないからだ。 個人の読書感想・書評ならそんなことは関係ない。ただ自分がいいと思った所(&疑問点など)を書けばいい。 しかしプロは、まず「メディアの想定読者が興味を持つだろう所」を押さえる。極端な話、ギャル向けメディアと中高年向け健康情報メディアでは読者の興味が違うのだから、同じ本でも当然

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          ビジネス会話改造論6~アンコールと無礼講

          『月刊機械技術』に連載しているコラム。雑誌では、ページの都合で元原稿が少し短く加工されています。そこで、雑誌の了解を得た上で元原稿をUPしています。今回は3月号(第6回「アンコールと無礼講」)分です。 途中までなら無料で読めます(定期購読マガジンの方は全部読めます)。 現在出ている4月号には、次のコラム(第7回「今回という言葉に込められている意味」)が載っています。 書店で手に入ります。読んでいただけると嬉しい! では、3月号掲載【アンコールと無礼講】の元原稿をどうぞ。

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          ちいさなものの集まり

          私が放送作家駆け出しの80年代は、アニメ映画とラジオがガッチリ組んでいた。当時インターネットなんかないから、サブカルチャー的な新しい情報はラジオが一番早かったのだ。 ちなみに、当時のサブカルチャーという言葉は、その前の70年代的「カウンターカルチャー」のような政治性や攻撃性はない。といって、のちに略語となる「サブカル」ほどマニアック、オタク的な狭さもない。正統派・教科書的・重厚長大に対する変則派・趣味的・軽薄短小のようなくくりかただった。 当時は「宇宙戦艦ヤマト」から始まる

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          干支シリーズ(2008年/政治・経済)

          NHK-FMの「青春アドベンチャー」というドラマ枠に、ずいぶんたくさんのドラマを書かせてもらった。その中で、通称「干支シリーズ」と呼ばれたものがあった。 一年の最後に、その年にあったニュースや出来事を振り返るドラマ(と言ってはいるが、中味は実質ミニコントの集合体)。通常はドラマ枠だが、年末ぐらいはぐっとくだけて、 「今年こんなことがあったね」 「あった、あった!」 と振り返り、笑い飛ばしながら、少しだけ考える企画。 銀河連邦なるものからやってくる宇宙人が、毎年、地球の動物の

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          情報量が多すぎて

          d47落語会で、今回のご当地・福井に行ってきました。 落語会が3月13日。そして偶然にも、北陸新幹線の福井延伸が三日後の3月16日。福井駅は、お祭り騒ぎのように沸き立っていました。 福井県はこのところ、恐竜を売りにしています。以前から駅前には巨大な恐竜像が何体もあって有名でしたが、新幹線駅開業に合わせ、さらに多くの恐竜像が「これでもかっ!」と設置されています。 この景色、どこかで見たことあるなあ…と記憶を探り、 「あ、マリだ!」 アフリカのマリ共和国です。似てませんか

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          長男で次男で末っ子

          よく「長男長女」や「次男次女(中間子)」や「末っ子」など…、生まれ順による性格のパターンが言われる。 中間子とは上と下に兄弟姉妹がいる子という意味で、湯川秀樹博士とは関係ない。もっとも、全員優秀で有名な旧姓・小川兄弟の中で、湯川秀樹は五男二女の三男。中間子ではあるが。 性格分析は、だいたいこんな感じだ。 【長男長女】 責任感が強く、人に頼らない 甘えるのが下手 面倒見がよく、教え上手 本音を我慢する……など 【次男次女(中間子)】 気分屋 人当たりのいい明るい性格 要領よく

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          29/47の福井は3/13

          d47落語というプロジェクトを、もう12年続けています。全国47の都道府県に、ご当地の新作「同時代落語」を創って、柳家花緑師匠に演っていただくという企画。 2012年の東京都「パテ久」から始まって、今回の福井県で29作目になります。それが、タイトルにある《 29/47 》の意味。 遅々とした歩みですが、もう半分は越えたわけです。我ながら「よく書いたもんだなあ」と思うし、花緑師匠に対しては「よく憶えたもんだなあ」と思います。 先日、東京・渋谷ヒカリエでお披露目の高座がありま

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          「トークの教室」のトークイベントは「トークの放課後」

          「『トークの教室』が出た後だから、『トークの放課後』はどうです?」 と提案されて、 「素晴らしいアイデアだ!」 と私は喜び、〈トークの放課後〉と題したトークイベントを行います。 略せば「トーク・トーク・トーク」! ……まったく、えらいお喋り好きみたいだ。私のことをよく知る人は、ふだんそんなに喋らないタイプなので、驚くかもしれない。 場所は、何度かトークイベントをやらせてもらっている「双子のライオン堂」。いまや赤坂に残った唯一の本屋さん。ユニークな名前とユニークな本の品揃えで

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          ビジネス会話改造論5~「国会話法」をパクる

          「月刊機械技術」に連載しているコラム。雑誌では、ページの都合で元原稿が少し短く加工されています。そこで、雑誌の了解を得た上で元原稿をUPします。今回は2月号(第5回「国会話法」をパクる)分です。 途中までなら無料で読めます(定期購読マガジンの方は全部読めます)。 現在出ている3月号には、次のコラム(第6回「アンコールと無礼講」)が載っています。コンサートでの「アンコール」と会社の宴会での「無礼講」には共通点がある……という発見について書いています。 書店で手に入ります。読ん

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          記憶の博物館2

          ずいぶん以前、ラジオ番組での朗読コーナー用に書いた、エッセイと詩をミックスしたような原稿。コーナーの通奏低音はノスタルジー。そこから、何本かずつまとめてUPしています。 当然、世代によって感じ方は違うでしょう。 今回は「焚き火」「秘密基地」「コーヒーカップ」「暗がり」 ***************** 焚き火 焚き火にあたりながら、焼きイモ……なんて、マンガやドラマではよく見たし、なんだか自分でも経験したような気がしていたけれど、よくよく考えると、やったことがない。

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