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教育

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私の高校教員としての記事や、他のクリエイターさんの教育関係記事をまとめています
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「第10回夏の教育セミナー」に参加した感想

「第10回夏の教育セミナー」に参加した感想

(上の画像は当日のものではありません)
おはようございます。Sakuraです。
8月1日、ベルサール新宿グランドで行われた「第10回夏の教育セミナー」(主催:日本教育新聞社/株式会社ナガセ)に行ってきました。なんと4年ぶりの対面での開催ということでした。

私自身、このセミナーに参加するのは3,4回目ですが、この数年はちょうどコロナ禍だったので、オンライン開催での記憶が強かったです。

でも久しぶ

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今日のつまずき英文~"be dead"表現~

今日のつまずき英文~"be dead"表現~

"was dead"は変?おはようございます。Sakuraです。
数か月前に、試験問題作成を進めていた頃につまずいたのが、表題の "dead" に関する表現でした。
文脈としては、「ある少女の母親はすでに亡くなっているが、一輪のバラを買ってあげる余裕がない」という本文から、設問に答えるというものでした。

問題自体を掲載することはできないのですが、その際の空所は、だいたい次のとおりです。

本文の

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倍数表現について―X times as~as と X times ~er than―

倍数表現について―X times as~as と X times ~er than―

年が明けて授業を進めていると、高校1年生では比較の「倍数表現」の導入に入りました。

ただ、この倍数表現は、教科書によっては扱い方が異なるので教員側に注意が必要なセクションだと思います。

倍数表現の基本形たいていの教科書では、「X times as ~ as」を基本形として扱っていることが多いのですが、まれに、「X times ~er thanも同じ意味となる」という風に加筆している教科書もあり

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今日のつまずき英文 ~No longerの倒置文ほか~

今日のつまずき英文 ~No longerの倒置文ほか~

おはようございます。Sakuraです。
共通テストの問題集を解いていて、読めなかった英文です。読解力が下がっている気もして、勉強しなきゃと反省しきりです。

さてひとつめがコレ!

No longerの倒置文No longer would Dianna and other disabled skiers have to wait until the end of the day to make t

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文法研究 比較級の強調表現~many+可算名詞 VS much+不加算名詞~

文法研究 比較級の強調表現~many+可算名詞 VS much+不加算名詞~

Sakuraです。「比較」の分野を指導するときに、個人的に引っ掛かる表現がいくつかあるのですが、今回はあまり高校の教科書上では詳しく説明されていない表現にフォーカスを当てます。
今回は教科書の演習問題で出てきた、「much+不加算名詞/many+可算名詞の強調」を取り扱います。

比較級の強調のルールまず、比較級の強調に関する基本事項の整理を。

1.英語表現Ⅰ・Ⅱの教科書で頻出する説明

勤務校

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今日のつまずき英文(20221017)比喩表現 "on the table"と"enjoy"の関わり

今日のつまずき英文(20221017)比喩表現 "on the table"と"enjoy"の関わり

Sakuraです。
つまづいた……と言うほどではなかったのですが、「比喩」が少しだけ理解しづらかったので記事にしたいと思いました。

題材出題:共通テスト型 英語 リーディング 第5問形式より

本文は、とある人物についての紹介文ですが、設問中の英文にこうありました。

④ Human rights are not things that are put on the table for peop

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今日のつまずき英文(20221007)後置修飾する形容詞句AとBの連結

今日のつまずき英文(20221007)後置修飾する形容詞句AとBの連結

Sakuraです。今日のつまずき英文。今回は、andの接続についてちょっと悩みました。

素材は共通テスト演習問題集、第6問Bタイプの問題から。
EUにおけるプラスチックバッグ削減に関する英文です。

Reducing the consumption of plastic bags, however, is just one element of the move towards more sus

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今日のつまずき英文(20221005)

今日のつまずき英文(20221005)

高3の入試対策とかをしていると、よく「勘違い」をしてしまう。
要するに、出題者の狙い通りに引っかかってしまうのだけれど、それ以外にも、先入観で読み違えてしまうことも多い。

今回躓いた英文がこれ。共通テスト演習問題集より、”Vanishing Languages and Cultures”の中の一文。

Some newspapers and radio programs in New Zeala

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動詞の区別#3 自動詞と他動詞の意味的・統語的相違

動詞の区別#3 自動詞と他動詞の意味的・統語的相違

こんにちは、Sakuraです。今回で自動詞・他動詞についてはラストにしたいと思います。
前回は英語と日本語との様々な違い(文字形態そのものから始まり、述語が定形動詞である必要がある点や、目的語、自動詞、他動詞という概念そのものの定着度の差など)に触れました。

今回は、英語の自動詞と他動詞の違いについて、意味的相違・統語的相違に基づいてきちんとまとめたいと思います。

1.自動詞の意味的・統語的特

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動詞の区別#2 日本語と英語のいろいろな違い

動詞の区別#2 日本語と英語のいろいろな違い

Sakuraです。前回の「動詞の区分#1」からだいぶ時間が経ってしまいましたが、書き記すことが自分のためでもあり、それが他の読者の助けになればと思います。

1.はじめに―英語科教員について―私たち英語科教員は、傍から見た場合は、「英語のスペシャリスト」として見られがちである。しかし、実際は、教員それぞれの専門分野は当然異なっており、得意分野もあれば、当然ながら苦手な分野も存在する。そういったもの

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英語での「動詞」の区切り方#1 動作動詞と状態動詞

英語での「動詞」の区切り方#1 動作動詞と状態動詞

以前、付帯状況のwithを指導するときの難しさに触れた。

あれからだいぶ経過しているが、自分自身への覚え書き、また読者のみなさんにとっても理解促進の助けになればと思い記しておく。

1.英語での「動詞」とはこれは英語に限定せず、日本語文法においても共通していることかもしれませんが、英語の「動詞」の枠組みは、日本語での動詞に相当する「述語」とは、似ているようで大きな違いがあります。

「述語」はP

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教員には成長が義務なのか。強制される「成長」に対するアレルギー

教員には成長が義務なのか。強制される「成長」に対するアレルギー

専門科(音楽)高校で英語科教諭をしているSakuraです。現在鬱病闘病中ですが、勤務はなんとかできています。

今週1週間休みがあったのですが、普段からよく見聞きすることをテーマに、どうしても書きたくなりました。

テーマにも書きましたが、教員こそ日々の努力により成長・自己研鑽が求められる職業だとは理解しています(これは一般の職業においても同様だとは思いますが)。幼・小・中・高と、校種が違っていて

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不安が強いので減薬をやめる決意

コロナ、妻、子ども。仕事。

不安だらけでしょうがなかった。半年くらいかけて、抗うつ薬の減薬を頑張ってきてたけど、どうしても繁忙期は調子が悪くなって減薬を中止して、また落ち着いたら減薬を再開して…の繰り返しだった。

例年通りだったとしたら問題が少なかったんだろうけど、まったく初めての危機に直面して、社会全体が毎日対応を変えていかなくちゃいけない、なんてことに、不安を感じないはずがなかった。

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私の専門分野と今日の在宅勤務

私の専門分野と今日の在宅勤務

今日がまた終わった。
メールを立ち上げっぱなしにしているけど、本当に心臓に悪い。

今日は筆記体の写しと、英語史の勉強。一応、専門分野なので。

英語の教員と一口に言っても、専門は人それぞれなの。

英文科を出た人もいれば、教育学部英語教育学科を出た人もいる。外国語学部を出た人もいるし。

そうなると、それぞれの専門分野は本当にバラバラ。一通り教科教育法は当然必修なんだけど、「文学」「言語学」「教

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