#380 ゴールデンウィーク後 

長く感じたゴールデンウィークが終わると、よからぬ噂が立ち始めた。
ラグビー部寮生から出た噂で、なんでも新入生歓迎しぼりなる大きな罰練習が近々行われると言う。
一年間の中で恒例しぼりの一つらしかった。入部し、ゴールデンウィークが終わり、少し安心し環境にも慣れてきた1年生を今一度気持ちを引き締めさせる主旨がある様だ。
一度噂が流れると毎日の様に、しぼりが今日開催されるだろうかという話で持ちきりとなる。
1年生にとっては違った意味で変な緊張感があり、毎日を過ごす事となっていた。
しぼりとは別に1年生にとっての恒例行事の一つ。他大学1年生との1年試合。第1戦は中央大学。毎週、月曜のオフ明けの火曜日にその週のチームが発表される。上級生部室の入口の横に名前一覧のボードが張り出されており、そこでチームを確認する事となる。
週末に中央大学1年生との試合がある為、A~Gチームとは別に1年生チームがボードで確認できた。僕は1年チームの14番として先発。
1年生同士の試合初戦勝利で飾りたいところだ。僕らはしぼりが行われるかもしれない不安を抱えつつ、1年生チームで合わせる練習を行った。
普段の練習は基本的な練習の反復が中心だった。高校の時以上に細かいことに拘り、徹底して反復を繰り返す。
1年生は必ず、4年生と組まなければならず常に緊張感あふれる中、行われた。4年生だけに限らず、先輩方は1年生の練習態度に目を光らせており、目に着いた点があると厳しく指摘を受ける事となる。
この週は結局しぼりはなく、中央大学1年生との試合を迎えた。
相手の中央大学は基本、ほぼラグビー推薦で入部しており、確実に母校より全体のラグビーキャリアは上だ。
試合は開始早々苦戦を強いられ、リードされる展開。
なんとか引き離されずに後半に突入。少ないチャンスを生かし、トライを重ね追いつく。同点のまま試合終了が近づいたところ、母校がバックスでボールを上手く繋ぎ、逆転トライ。そのまま逃げ切り、トライ数6本ー5本で勝利。
続く…

※しぼり=練習後に1~2年生対象に行われる練習よりきつい罰練習

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