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短い会議の作り方

今日の職員会議も17時45分、時間きっかりに終わった。

デンマークで教員として働くようになり、驚くことはいくつもあるけれど、その一つが「会議」。日本での教員時代と比べて、種類も回数も少なく、どれも時間通りに終わる。

ワタシが参加する会議

月一回木曜日の職員会議。特別支援クラスに勤務する教員約20名、社会生活指導員(ペタゴー)約25人にリーダー2人。約50人が参加する会議。16時〜17時45分まで。(105分)

月一回教員会議。職員会議の前に行われる。授業やクラスのこと、ペタゴーとの協働などについて話される。ゆるめの会議。15時15分〜15時55分まで。(40分)

週一回木曜日のグループ会議。一緒に担任をしている教員2人、ペタゴー2人と。クラスの子どもたちのこと、保護者のこと、行事や一週間の予定など、プラクティカルな事が話される。愚痴も冗談もでる。ワタシはよく日本のお菓子を持っていく。甘いものは場が和むのだ。お昼を食べながら11時半〜13時(90分)。私達が会議している間、お隣のクラスの職員がうちの子どもたちをみる。

教科会。ワタシは算数と美術の教科会にはいっている。どちらも年2回。45分程度。

委員会。フルタイム勤務の場合は2つ、リストの中から選ぶ。ワタシは、「地元ルイジアナ美術館との共同プロジェクト」と、「美術教科会の声掛け役」。美術館とのプロジェクトは今年5年目になる、大きなプロジェクト。毎年地元紙に載る。芸術好きな教員2人、ペタゴー3人の5人で担当。5人での会議が2回、ルイジアナ美術館との会議が3回、全職員向けのワークショップが1回。どれも1〜2時間程度だ。

これかワタシの参加している会議。他にも、突発的な生徒に関するケース会議などがある。

短い会議の作り方①議題を明確に。アジェンダを事前に送る。

事前にアジェンダを読んで、考えや疑問を各々が整理出来る。どの会議にも共通。職員会議のアジェンダはリーダーからメールで届く。グループミーティングのアジェンダは、ワタシが火曜日までにフォーマットを作り、誰でも書き込めるようGoogle Drevで共有。 アジェンダと終了時間の示されない会議、ワタシは信用しない。

短い会議の作り方②司会はやりたい人。

50人が参加する職員会議の場合。議長は立候補した3人が順番に回している。彼らは、時間調整をしたり、話しの交通整理をするのが上手。何年も司会をしているので、慣れている。話しの長い人には「他にも意見を言いたい人がいるから、もうすぐ切り上げて」とか、議題から外れている人には「今はその話しではなくて、」とさくっと話しを切る。慣れない人が議長をすると、会議のテンポが悪く、時間通りに効率よく終わらないと思う。ちなみに、議事録はクラスで持ち回り。決定事項だけを書く議事録だ。

作り方③各議題にかける時間を予め示す。

これも職員会議の場合だ。例えば今日のアジェンダは、①来年度の高学年体制について(意見交換)16:05-15 ②労働環境について委員会より(報告)16:15-16.20  ③病欠を減らすには (グループディスカッション)16.20-16.40。リーダー議題を作り、予め時間が示されている。予定時間が過ぎそうになると、司会が「間もなく時間終了。意見はあと2〜3人聞きます。/あと2分で報告を終わらせて下さい。」と議題を終わらせる。必要があれば、議題を次回に持ち越すこともある。

作り方④ 議論か報告か意見交換か、を見極める

職員会議の場合。50人と人数が多いので、全体での議論には不向きだ。議論が必要な場合は、グループミーティングに持ち帰って、結果を後にリーダーに報告。又はその場でグループでディスカッション。必要があれば、議題について職員数名でのワーキンググループを発足することもある。  

行事についてのお知らせはメールで受け取る。議題をたてて、立案して、承認されたら実施。などど言うことは不要。基本的にはすべて担当者が決める。メールでは伝えきれないことや確認事項は、会議で報告されるが、多くの行事はメール1本だ。反省は、必要のある行事だけ。

今日の議題①は意見交換だった。たくさんの意見が出て、リーダーが「ありがとう。みなさんの意見を参考に、来年度の体制作りを再度考えて、次回の会議で提案します。」で10分の意見交換は終わった。

デンマーク人は自分の意見を明確に表明するのに慣れている。短くはっきりと伝え、上手だ。反対意見も、相手の意見を認めつつ、はっきり言う。感情的になることはない。冷静だ。

これがワタシが思う短い会議の作り方。デンマーク人達が議論慣れしているのも、会議が短い理由の一つ。

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