小林さやか | Sayaka Kobayashi

ビリギャルの本人 / 慶應SFC2010卒 / 学習科学修士課程2021修了 / 20…

小林さやか | Sayaka Kobayashi

ビリギャルの本人 / 慶應SFC2010卒 / 学習科学修士課程2021修了 / 2022年~コロンビア教育大学院で認知科学を研究中。かつてはビリでギャルで親にも学校にも迷惑かけまくったくせに子育てや教育についてここで書いたりしています。

マガジン

  • 夏のひとり旅大冒険記

    2023年夏、大学院の夏休みを利用して初めてのバックパックひとり旅に出た。目的地は特に決めず、片道切符だけとって出発。旅の目的は「人に会いまくって自分をアップデートすること」。この旅での記憶と、貴重な学びを忘れないよう、noteに大切に綴っておこう。

  • 修士論文

    2019年に聖心女子大学大学院で修士号をとったときの修士論文の一部を公開します。教育分野の方で興味がある方ぜひ^^

最近の記事

  • 固定された記事

「ビリギャルは、元々頭が良かったんだよ。」

さやかちゃんは、元々頭が良かったんだよ。 ビリギャル本人として活動するようになって、何万回と言われ続けてきたこの言葉。ビリギャル原作が出版されて今年で10周年を迎えようとしている今でも、言われ続けてる。今週オランダで初めて会った人にも言われた。慶應に受かるまでは地頭悪いって言われてたから、突然全く逆のこと言われるようになってびっくりしてる。地頭ってそんなにすぐ変わるもんなの? 日本人は「地頭」という言葉が大好きだ。でも、この言葉が一体何を意味するのかをちゃんと言語化できる

    • あの努力ツイートをした本当の理由

      先日、私がXでしたこの発言に、大変多くの方にご批判を頂きました。 環境のせいで努力したくても出来ない人もいるのに、それは無神経な発言じゃないか? あなたが努力できたのは、環境に恵まれていたからだろう! など、みなさんのご意見に同意しながら、でもそこを言ったんじゃなかったんだよなあと、自分の言葉の足りなさと軽率さをただただ反省しておりました。 これは私が自分の言葉の重さを軽視したことと、あらゆる背景を持った不特定多数の方の目に触れるということに考えが及ばなかった、私の書

      • 夏のひとり旅大冒険記〜オーストリア・ウィーン編〜

        前回の続き。 大矢さん(前記事参照)にゴリ押しされて急遽決まったウィーン行き。ウィーンといえば、ウィーン合唱団、モーツァルトやベートーベンなど、私のような者でも恐縮ながら存じ上げている音楽家たちが活躍した街として知られる、芸術の都である。 まずはこの国の歴史を、ちょっとだけおさらい(っていうか知らなかったごめんなさい…)(私日本史選択だったからっていうありきたりな言い訳添えとく)。 政略結婚によって栄えたオーストリアの歴史 その昔、いまのドイツとかオーストリアらへんに

        • 夏のひとり旅大冒険記〜ドイツ(コンスタンツ・ミュンヘン)編〜

          前回の続き。 かつての宗教都市コンスタンツ さて、スイスでなんだか方向性が定まった感あるこの旅、次なる目的地はドイツとなった。ドイツは南北に大きいので、ドイツのどこに行くかによってかなり移動距離が変わってくる。 私がいたスイスのルツェルンという街から電車で2時間くらいの場所に、コンスタンツというかわいい街がある。この街は、スイスとドイツの国境に位置していて、なんと歩いて国境を渡れてしまう。まじで普通の道だった(普通の道すぎて写真撮り忘れた)。 まいちゃん(前記事参照)

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        「ビリギャルは、元々頭が良かったんだよ。」

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        • 夏のひとり旅大冒険記
          5本
        • 修士論文
          5本

        記事

          夏のひとり旅大冒険記〜スイス編〜

          前回の続き。まだまだ旅の序盤。いつ終わるのかこのシリーズ… ブロックチェーンスタートアップ夫婦 イタリアで友人たちに見送られた私は、電車でスイスへと向かった。スイスには行こうと、唯一前から決めていた。 友人のまいちゃんに会いに! 彼女とは数年前、同じイベントに登壇させてもらったのがきっかけで知り合ったのだけど、あれ、我々前から友達だったよな?と錯覚するほど一瞬で仲良しになった。聡明でめちゃめちゃ優しくて、尊敬している友人のひとり。久しぶりに会えて積る話をひたすらにしゃ

          夏のひとり旅大冒険記〜スイス編〜

          夏のひとり旅大冒険記〜南フランス・イタリア編〜

          前回の続き。 山の上のエアビーでウクライナ料理 南フランスに戻ったあと、私はひとりニースに向かった。天気もすっかり良くなっていて、エズ村というかわいい村があるよと友人に教えてもらったので行くことにした。 部屋から見える景色につられて山の上にあるエアビーを予約していた私は、夜空港についてから車でしかそこにたどり着く方法がないことを知り、とんでもなく不便なところに2泊することになった。 しかも空港付近のレストランはもうどこも空いてない。日本みたいに24時間のコンビニもどこ

          夏のひとり旅大冒険記〜南フランス・イタリア編〜

          夏のひとり旅大冒険記〜南フランス・スペイン編〜

          5月12日に春学期の授業が終了し、長い夏休みに突入した。なんと9月まで授業がないので、実に3ヶ月以上もある。夏休みの間、留学生の多くは家族に会いに一時帰国する。私もニューヨークで一緒に住む夫と一時帰国しようかと日本行きのチケットを一度は予約したが、英語もまだへなちょこなのに呑気に日本に戻って一休みしている場合ではない!と思い返し、私だけチケットをキャンセルしてバックパックひとつで旅に出た。もう実は旅に出てから3週間ちかく経ち、現在私はアムステルダムにいるのだが(7カ国目)、こ

          夏のひとり旅大冒険記〜南フランス・スペイン編〜

          よくやったぞ、2022年の私。

          現在、ニューヨークは2022年12月31日夜。まもなく、2022年が終わる。さきほど、近くの教会のNew Year's Eveコンサートに参加してきた。聖歌隊の神秘的な歌声と厳かな大聖堂の雰囲気、そして目が合うと"Happy New Year!"とにっこり笑いかけてくれる近所の人たちにほっこりする、贅沢な時間。 Times Squareで毎年行われている年越しイベントはたくさんの観光客で埋め尽くされ、昼から並んでトイレにもいけない試練のよう(多くの人はおむつをしてくるらしい

          よくやったぞ、2022年の私。

          【修論】 2.3. 学校教育における役割の変化

          これまで述べてきたように、技術革新によって労働市場の構造が大きく変化し、それに伴って学校卒業後に必要となるスキル・能力も変化した。そもそも、学校教育の目的とは、生徒が学校卒業後にも社会の一構成員として自身の価値を認め、社会に貢献し続けることを可能にすることであるはずである。したがって、学校教育とは社会の変化に則したものである必要がある。そこでここでは、社会の変化に伴う、学校教育に期待される役割の変化について述べる。   2.3.1.   「学校」に求められること 1920

          【修論】 2.3. 学校教育における役割の変化

          【修論】 2.2. 求められる学力の変化

          2.2.1.   知識を生み出し続けるスキル 既に述べたように、未だかつて無いほどに先行きが見通せない現代においては、専門家でさえ答えを持たない複雑で世界規模の問題が、一人ひとりの生活に影響を与えている。経済活動の中心が物の生産と消費から、知識・情報・サービスへと移行し、知識が果たす役割が増大したことにより、知識をいかに「創造」し、いかに「活用」できるかがこの社会を生きていく上での経済的な成功の基盤となっている(JAIST 知識科学研究科,2014)。そのため、市民一人ひと

          【修論】 2.2. 求められる学力の変化

          【修論】 2.1. 工業社会から情報基盤社会へ

          第 2 章. 学校教育と学習科学2.1.   工業社会から情報基盤社会へ  人工知能(AI)の一般化、情報通信技術(ICT)の進化を中心とする近年のテクノロジーにおける目覚ましい発展は、人類史上かつてないほどの速さで進んでいる。これに伴い、我々を取り巻く社会は大きく変化し、あらゆる分野で AI や ICT 技術の導入が進み、従来人間が担ってきたあらゆる分野の労働も、これらの技術によって効率化、もしくは代替されるようになり、我々市民の生活にも大きな影響と変化をもたらしている。

          【修論】 2.1. 工業社会から情報基盤社会へ

          【修論】 1.2 学習科学の発展

          以前、日本で書いた修士論文を少しずつわかりやすくリライトしながら公開していきます!と偉そうに言っておいて、予想以上に現在の大学院の勉強が忙しくて全然更新できていないことに気付いた。このままでは一生最後まで公開できないぞ・・・!?と気づいてしまったので、少し妥協したいと思う。 というわけで、リライトせずにそのまま載せていくことにした。(語彙力がない私が書いたとはいえ)一応論文なので、少し読みにくいと思うけどご了承ください。おそらく教育畑の方にはご興味を持って頂ける内容だと思い

          【修論】 1.2 学習科学の発展

          ニューヨークから見える「日本」という国

          ニューヨークに来て早くも2ヶ月が経とうとしている。久しぶりにコンフォートゾーンをガッツリ抜け出し(というかここまで抜け出したのは間違いなく人生初)慣れない環境で過ごしてみて、感じることが山ほどあって毎日忙しい。 ニューヨークという街 日本から一歩出てみると、日本のことが本当によくわかる。特にニューヨークなんていう街は、はっきり言って色々と「真反対」だ。 日本のように、ゴミひとつ落ちていないきれいな道路も、勝手に音が流れるという気遣いをしてくれるウォシュレット付きのハイテ

          ニューヨークから見える「日本」という国

          ビリギャルがまたビリになった日

          現在、ニューヨークは金曜日の夕方である。夫が、夕飯の支度をしてくれている。渡米直前の送別会ラッシュで大量の茅の舎の出汁をいただいたのだが、こちらで手に入る野菜や肉が繊細な味つけを想定して生産されていないのか、うまく使いこなせないでいる。結果、大量のサラダと低温調理でふわふわに火を通した鶏むね肉とゆでたまごという、筋肉マンが毎日食べていそうなメニューに我々も落ち着いている。アメリカ留学が終わる頃には体質改善を遂げ、健康的な身体になって帰国することをせっかくなので目指してみている

          ビリギャルがまたビリになった日

          英語学習とは、孤独な筋トレである

          夏になると思い出す 3月にコロンビア教育大学院に進学を決めてから、本当に多くの方にお祝い&壮行していただける幸せな毎日が3ヶ月ほど続いた。夫も16年務めた会社を辞めてニューヨークに行くと周りに報告したため、壮行会ラッシュの毎日だった様子。お互いそれぞれの友人たちに開いてもらった壮行会の帰り道に最寄り駅で待ち合わせをして帰る、というのが何日もあった。「なんか、結婚したときよりも祝ってもらえるよね」と、『物理的距離』のでかさについてよく語った。会いたいときに簡単に会えないという

          英語学習とは、孤独な筋トレである

          パパ、今までごめん。いつもありがとう。

          たったいま沖縄旅行から戻り、東京の自宅にてPCを開き、この文章を書いている。きっとこの沖縄旅行は、何歳になっても忘れないだろう。今の気持ちを、記しておきたい。 「なんで結婚しちゃったんだろう?」 ビリギャル原作や私の本を読んでくださった方、または映画「ビリギャル」など見てくださった方はなんとなくご存知かもしれないが、私の両親は「なんで結婚しちゃったんだろう・・?」と不思議なくらい、仲があまり良くない時間を長く過ごしてきた。幼い私には、父がいつも母を強い口調で責めたて、母が

          パパ、今までごめん。いつもありがとう。