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ニガミ17才 全国対バンTour ニガミ17才と。-2020-

※今のところ対バンのドミコのライブレポのみです。

今回のツアーはニガミ17才がかっこいいと思うバンド、尊敬しているバンド、お世話になったバンドとの対バンで全国10ヶ所、全10公演で行われる予定だった。が、ツアーは例に漏れず道半ば、新型コロナウイルスの影響により中止を余儀なくされた。

世界がこうなる直前まで時を戻そう。
それは雪がしんしんと降り積もる2月24日、札幌SPiCE。チケットはソールドアウト。最近じわじわきている彼らの人気ぶりが伺える。

対バンのドミコは、さかしたひかる(Vo.Gt)と長谷川啓太(Dr)の二人から成り、バンドにはベースが必要という固定観念をもぎ取ってくれるライブが魅力だ。ドミコサウンド最大の特徴は、ルーパーというエフェクターを使い、ギターの音を記憶、ループさせて何重にも上乗せしていくという演奏方法だ。これによって重厚感と奥行のあるサウンドが創り出される。

さて、そんな説明をしていたらライブが幕を開けるようだ。

『怪獣たちは』
爽やかで少し乾いたようなアルペジオと、柔らかく、気だるさを含んださかしたの声がライブハウスに響く。まるで「ドミコの世界へようこそ!」と案内人の怪獣たちが優しく手招きをしているかのようだ。ただ、歌詞に「怪獣」は出てこない。
 
幻の怪獣たちに別れを告げ、ひっかくようなギターリフが印象的な『わからない』爆音だけど、油断すると眠ってしまいそうな小気味の良いリズムで体が自然と揺れる。
更に『こんなのおかしくない?』新曲、『My Body is Dead』とまさにディスコティックロックンロールなナンバーが続く。

少し踊り疲れた体にゆるく染み渡る『ロースト・ビーチ・ベイベー』目を閉じると、そこには南国のビーチが広がっている。さらに会場の乗客たちは潜水艦「SPiCE」に乗り込み、太陽の光も届かない深い深い海の底へと…『深海旅行にて』

深海の暗さに目が慣れたところで眩しく煌く真夏の地上へと引き上げられる。『WHAT'S UP SUMMER』ザラついたサウンドの『united pancake』最後は疾走感のある『ペーパーロールスター』でライブは幕を閉じる。

不思議な絵本を読んでいるかのように、楽器で描かれる物語が、実態のない音として全身を包み込み、ライブハウスという空間と一人一人の世界線で展開していた。

私はこの日、「ドミコ」という新しいジャンルの音楽と出会った。

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