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アメリカ帯同妻アイデンティティロスになる

みなさんアイデンティティロスってご存知でしょうか。
言葉の通り、これまで形成してきた自己が揺らぐようなことが起きた時自分とはなんなのかわからなくなり精神的に不安定になるような状態を指すようです。私は主人の研究留学の帯同ですが、駐在でも留学でもとにかく海外にきた時によく起こるそうでInstagramやブログでもたくさんの方がその様子を記事にしています。
アメリカに来る前は、大変そうだと想像はしていても初めての海外暮らしにワクワクしている自分がいました。ビザがなかなか降りなくて1ヶ月家無しで日本にいた間はむしろ早く行きたいとさえ思っていました。渡米直後は生活の立ち上げに忙しく(家具を揃えたり、子供の学校について調べたり、日々の買い物etc.)そんなこと考える暇もありませんでした。
あれ、なんか元気がでないなと思ったのは6月末に渡米して2ヶ月ほど経った9月の終わり頃。子供たちの学校が始まり、お友達もできてアフタースクールが始まったらすごく時間ができた。子供を朝学校に送ってから夕方5時頃まで1人時間になったんです。いままでフルタイムで働いていたので、仕事していた時間に家にいる生活も始めは楽しかったけどだんだん時間を持て余すようになりました。ランチに誘ってくれるお友達もいたから時々はランチもするけど、毎日行くわけにもいかないし。(我が家は限界留学家族なので・・・)本を読むのも、ドラマを見るのも楽しいけど、私これでいいのかな?何しにここにきたんだっけ?という気持ちになってきました。別に看護が天職だと思ってこれまで働いてきたわけじゃない。辞めたいと思ったことも何度もあった。それでも看護師として精一杯頑張ってきて、大学院まで行ったのにここでは資格がないから看護師としては働けない。せっかくだから空いた時間に仕事でもしようかと思っても看護師以外の仕事だと何の経験もない私は、履歴書に書くことがほとんどありませんでした。
別に履歴書に書くことがなくても仕事が全くないわけじゃなかったし、それはそれでいい経験になるのだからレジ打ちやキッチンの仕事をやってみればよかったのだけど英語も得意じゃないのに新しい仕事を英語でするなんて・・・とすっかり及び腰になってしまいました。なにより、せっかく10年頑張ってきたことが役に立たないことが悲しくて私はここで何の役にも立たない人間なんだ。と少し落ち込みました。そしてこれがアイデンティティロスか!と改めて思いました。振り返ると何であんなに悲観的だったんだろうとは思うけど、キャリアも中断されてアメリカではこれまでの経験を活かすことができない状況って結構辛かったです。
とはいえ、ずっとそれで落ち込んでいても日本に帰れるわけじゃないので時間があるなら勉強するか!とアメリカ看護師免許を取ることに決めました。せっかく海外に来たことだし、英語で看護を勉強しておくのも悪くないなと思ったのです。

ちなみに私はアイデンティティロスになった時、同じ境遇の友人に話を聞いてもらってとても救われました。みんな同じなんだ、みんな悩んでいるんだと知ることができたのは私にとっては救いになりました。きっと世界中に同じモヤモヤを抱えた人たちがいるはず。一人で抱え込まずに話したり、近くに話せる人がいなかったらSNSで発信したり、発散できる方法を見つけられるといいのかなと思います。

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