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採用担当の僕はなぜゲームをやりこむのか

こんにちは、さとけんです!鎌倉にある某面白法人で採用担当をやっております。が、このnoteではひたすら大乱闘スマッシュブラザーズ(通称:スマブラ)について書かせてもらっています。

背景はこちら

が、今回ついに、採用について書くことになってしまいました。

このnoteではスマブラのことだけを綴っていこうと思っていたのですが、とある方から「アドベントカレンダーを書いてください!」と、頼まれて特に何も考えないで「いいですよ!」ってお答えした後に、各自のnoteアカウントで書くんだということを知り、そのために別アカ作るのもあれだなーと思い、ここに書くことになりました。スマブラの記事を楽しみにしている方々、ごめんなさい(まぁ、そんな人いないんだけど)採用に関する執筆はおそらくこれが最初で最後です。

参加しているアドベントカレンダーはこちら

今回のnoteで伝えたいこと

最近、僕は「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムさんで採用のアドバイザー的なこともやらせていただいています。その中で、一緒に働く人事の方から

「佐藤さんは採用の手法といった1次元的な話ではなく、"そもそも人間とは?"のような2次元・3次元的な話をいつもしている」

というFBをもらいました。(ちなみに3次元にあたる部分は宇宙とかの話になってしまいヤバめなので今回は割愛します)

このFBを経て、僕が採用において手法以上に重視にしていることがあるということ、それは

「人とは何か?」ということを考え続ける

なんだと気づきました。本来こうした記事は採用における「成功体験」的なものを書くものなんだと思いますが、僕は「失敗には原因があるけど、成功は運がよかっただけ」と考える人間です。なので成功のために必要な考え方的なたいそうなものではなく

「人とは何か」ということを考え続けると、採用がこういう感じになる

ということだけがお伝えできればなーと思っています。

「人とは何かを知る」というと、心理学のような話が沢山出てくるイメージですが、今回はあまり出てきません。もっと、深いところについて知りたいと思った方は、僕が参考にしている文献を貼っておいたので、ぜひそちらを読んでいただきたいです。

これまでこうした文章で採用に関する自分の考えを発信することは避けてきました。ただ、自分の考えを言語化しそれを何度も読み返し、本文やタイトルの変更を繰り返す中で、自分でも気づいていなかった行動の源泉を知ることができました。

このような貴重な機会を提供してくださったキャスターの三市さん、一般的な採用セオリーと異なるやりかたばかりしてしまうにも関わらずチャレンジの機会をくれた、カヤック・ウェルプレイド・クラシコムの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。この場を借りて、お礼をお伝えします。

その前に、簡単にどんな仕事をしてきたか

2015年に面白法人カヤックに入社して以降、今日まで中途採用をメインに採用全体の責任者をやらせていただいています。また、カヤックに限らず、グループ会社でesports専門会社であるウェルプレイドの採用責任者や、最近は「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムさんで採用のアドバイザー的なこともやらせていただいています。

もう少し詳しいプロフィールはこちらにまとまってます

で、どんな仕事をしてきたのかという話なんですが、30%だった内定承諾率を80%まで改善したり

年間10名くらいしか採用できていなかったエンジニア採用のペースを大幅に改善したり

あと、個別の採用の話でいうと

・グループ会社のCMOになった元美容師
・グループ会社で事業部長になった熱烈なJリーグサポーター

などなど、そういったユニークな人たちの可能性を見極めて、動機づけて、入社してもらって活躍してもらうといったような採用が好きです。

なぜ、異なる職種から自社で活躍しそうな人材を見つけてこれるのか

いくつか挙げさせていただいた仕事実績の中で、最も聞かれるのが

「なぜ、異なる職種から自社で活躍しそうな人材を見つけてこれるのか」

という、問いです。しかも「Jリーグのサポーター」とか職業ですらないですからね。また、自然応募に限らず、「この人は最高だ!」と思う人をなんらかの軸で探して、能動的にスカウトを打っている訳ですからきっと理由があるんだと思います。という位の理解度なので、今回を機になぜできたのかを考えてみました。

それを考えるにあたって「Jリーグのサポーター」の人がnoteに細かい入社までの経緯を書いてくれていたので、そちらを改めて読んでいました。

すると、いくつか僕の行動を振り返るヒントがありました。

候補者を経歴ではなく「何を面白いと思う人なのか」で探している

最初にヒントになると思った1文はこちらです。

何故面接に足を運んだかと言えば、そのスカウトメールが"テンプレート"ではなかったから。
スカウトメールが来る事自体は全く珍しい事ではありません。
ただし、ウェルプレイドの人事から届いたメールは、明らかに"ボクだけ"に向けられたメール内容でした。
だって、「サッカーの活動めっちゃ面白いです!w」って来たから。

つまり僕は以下のような彼の経歴ではなく

ボクの年齢は2018年時点で31歳。
前職はインターネット広告代理店。職種は営業。
新卒で入社してから、2017年末に退職するまで、7年近く働いていました。

こっちを見てスカウトを送っています

要するに、ジェフ千葉のサポーター界隈で、コミュニティ作りに勤しんでいたのです。スタジアムの動員数を上げる為に、

「スタジアムに来る理由を増やそう」

という事を一つのコンセプトとして、"サッカーを見る"という以外にスタジアムに来る理由を作れないかと思索しました。

つまり、僕は候補者となる方がどんな仕事をしてきたかという「経歴」ではなく、何を面白いと思う人なのかという「価値観」にあたる部分の評価に重きを置いています。

採用は入社したかどうかではなく「入社した人が活躍するかどうか」が最も大切だと考えます。

では、人が組織で活躍する上で何が最も大事な要素となるのか。そのヒントになるキーワードとして

「組織社会化」

というキーワードがあります。「日本の人事部」では以下のように説明されています。

組織研究において、新しく組織に加わったメンバーが、組織の目標を達成するために求められる役割や知識、規範、価値観などを獲得して、組織に適応していくプロセスのことを「組織社会化」といいます。個人が組織に参入するときは、必ずこの組織社会化の過程を通過しなければならないと考えられています。
組織社会化のプロセスを経て修得した知識やスキルは、その組織でしか機能しないものであることが多いといわれます。また一定の経験や能力を培っても、職場によってそれを発揮するための手続きや方法論が違うというケースもあるでしょう。前の職場での実績をかわれて栄転した人が、新しい職場で行き詰まり、ついにメンタルを害してしまった……というような話に触れると、組織社会化の重要性と難しさを痛感せざるを得ません。

つまり、新しく組織に入ったメンバーが活躍する為には、その組織に適応しなければならず、また、適応するかどうかに以前の組織でどんなスキルを習得してきたかではなく、新しい組織で求められる規範や価値観をスムーズに習得できるかどうかの方が重要と解釈しています。

そのため、佐藤はウェルプレイドに入社した彼の経歴ではなく、サッカーファンのコミュニティ作りの何が面白いと思うのかの価値観部分を評価し、それがゲームとサッカーの違いはあれどウェルプレイドのメンバーの価値観ともマッチしていたのでテンション高めにスカウトをお送りしたんだと思います。

また「組織社会化」というキーワードも人とは何か、組織において人が活躍するとはどういうことなのかを考え続けたからこそたどり着いたキーワードだと思います。

esports企業の採用責任者になるんだったら、まずは自分もプロを目指してみる

価値観が共通しているかどうか、これを評価する為には、自分が所属している組織やそこにいる人たちの価値観を知ることはもちろんですし、自分がそこに心底共感できているかどうか、共感している部分をきちんと「自分の言葉で語れるかどうか」が大切だと思います。

例えばesports企業のウェルプレイドには

ゲームプレイに対する肯定を
ゲーム観戦に熱狂を
ゲームに、もっと市民権を

という言葉がありますが、これを読み上げて伝えるのは誰でもできるし、なんならHPに書いてあるから敢えて伝える必要もない。

僕はウェルプレイドの採用担当になった時点では、ゲームをほとんどやってません(加えて、死ぬほど下手)でした。そんな自分がどんなに素晴らしい母集団形成テクニックや、面接テクニックを持っていたところで、肝心の熱量やその会社で働く価値を候補者の方に伝えられない。なので、そういったテクニックを考える前に、ひたすら、ウェルプレイドのメンバーがやりこんでいたクラッシュロワイヤルというゲームをやりこみました。

ランクが上がっていくにつれ、ゲーム自体の面白さがわかり、ストリーマーが攻略動画をアップしてくれることのありがたみに気づき、そして、プロの凄さに気づく。

そうすることによって、この会社で働く人たちは何を面白いと思いこの仕事にのめり込んでいるのか、この会社ではどんな人が働くと幸せになれるのか、そういったことが自分の言葉で語れるようになると思っています。

これらも「人とは何か」を考え続けるが軸になっているからこそのアクションにだったんじゃないかなと思っています。

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例1:代表に仕事ではなく、トロフィーの上げ方を相談する私

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例2:代表にマスターリーグⅡ昇格とスマブラで社員2名を倒した報告をする私

なぜ「人とは何か」を考え続ける人間になったのか

なぜ「人とは何か」を考え続けることに重きを置いたのかを改めて考えてみると、カヤックに来て

「つくる人を増やす」

という理念に出会ったからだと思います。これは僕なりの解釈ですが「つくる人」とは「主体的に仕事を面白がる人」のことで、そういう人が会社に沢山いれば会社は周りから面白いと思ってもらえるし、そういう人が世の中に沢山増えれば、世の中はもっと面白くなる、それが「面白法人」の役目である「つくる人を増やす」ということなんじゃないかと思っています。

じゃあ、この理念に採用という仕事を通じてどう貢献できるかということを考えていたら

・ダイレクトリクルーティングの腕を磨く
・リファーラルを頑張る

とか、そういったテクニックを考える以前に

・つくる「人」ってなんだろう
・仕事を面白がれる人ってどんな「人」なんだろう
・仕事を面白がっている人はその職場で活躍しているはず。では、組織において「人」が活躍するというのはどういうことなのだろう

といったように、とにかく「人」について考える必要があったから、いつの間にか「人とは何か」を考える癖がついてたんじゃないかと思います。

考え方のベースになっている文献など

これらの考え方の参考になっている書籍があるので、もし興味があったら読んでみてください。ちょっとなんでこの文献なのかってちゃんと書こうかと思ったけど、この記事5000文字近くだし、もう疲れたので割愛します。でも、読んで絶対損は無いと思います。

最後に

ここまで長文を読んでくださりありがとうございました。

ちなみにこんなに偉そうに採用について語っていますが、2020年の1月から採用の仕事を離れ、Lobi Tournamentという自社プロダクトのマーケティング的なことをやることになりました。

社会人になってから、僕の価値観を大きく変えてくれたゲームコミュニティーに採用という形ではなく、サービスで貢献していければなと思っています。魅力的なサービス、チームを作って、それが結果として良い採用に結びつく。そんなことに年明けからはチャレンジしていきたいと思っております。

コミュニティに寄り添っていくポジションになるので、大会の主催者さんぜひ、沢山お話しましょう!

ではでは。

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