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切腹 昭和時代劇の凄み

 ガツンとくる映画がある。
 切腹という、今のコンプライアンス的にはタイトルでもうダメ。
 一命というタイトルで2011年にリメイクされましたが、このオリジナルの凄みを超える訳もなく、未だに未見です。
 殊に最後の決闘シーンでは、恐るべきことに真剣で仲代達矢と丹波哲郎が向き合って撮影したとか。小林正樹監督の執念。その迫力が再現できる訳がない。
 真剣では刀同士が斬り結びことがない。折れたり欠けたり曲がったりさせる技があるからだ。
 脚本が何しろ橋本忍。
 この脚本が何しろ魅力的。
 何度見ても飽きない。
 今年の一年を象徴する一字が『戦』という。
 戦は始めるのは容易いが、納めるのが難しい。
 その事を考えていると、このBDを取り出してしまいじっくりと見ている。恐らく最後まで釘付けになるだろう。
 
 しかもこれは北米版のクライテリオン。 
 日本版では聞き取りにくい台詞も明確で、マスターから復元された画像の美麗さは筆舌に尽くしがたい。


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