給食で嫌いなものを食わせるのってこういうことだよ
ところで、食材の好き嫌いはさほどないのに(しいて言えば肉の脂身とあんこが苦手)味付けの好き嫌いがやたら激しい私である。
セロリもパクチーも大丈夫なのにシナモンはあんまり好きじゃない。玉子焼きは甘いのがいや。キャベツは好きだけど千切りは食感がいや。トマトは好きだけどケチャップは好きじゃない。
まぁ、大体「甘いものはおかずじゃない」が私の中の絶対の法則になっているようなのだが、我が母は先日日記でもネタにした通り割と情緒ナイナイの人であり、しかも「とりあえず兄の方がうるさくて、妹の方は微妙な顔をしながらも一応食べるので妹の方に我慢させておこう」という法則がまかり通っていたため、私の味付けの好みはほぼ食卓に反映されていなかった。
私の好きな味=兄の地雷ではなかったにも関わらず、兄が甘い玉子焼きが好きだからと容赦なく玉子焼きに砂糖をぶちこまれたし、面倒くさいからスパゲッティはいつもナポリタンだったのである。
そんなわけで、私は独り暮らしになってこのかた、砂糖を買ったことがないくらいに甘いおかずを忌み嫌っているのであるが(お菓子が甘いのは別にいい)、私の中でトラウマ級の地雷として君臨し、さすがの情緒ナイナイの母もこれだけは私がいる時は絶対に出さないメニュー、それが「ハヤシライス(デミグラスソース)」である。
そもそも、何でデミグラスソースが嫌いなのかというと、私にも正直よくわからない。
ただ、ハヤシライスが初めて給食に出た時、カレーだと思ったら甘ったるいソースがかかったご飯だったことがひたすら衝撃だった覚えがあるので、初対面からもうすでにダメだった。
甘ったるい上に、独特の匂いも苦手で、はっきりいって得意な部分が何一つないのであるが、私はタマネギは好きだしオニオンスープは飲めるのである。
とにかくデミグラスだけが徹底的にダメなのである。
どれくらいダメかというと、ハンバーグにかかっているソースがBBQソースだと思っていたらデミグラスで、知らずに口に含んでしまったらその瞬間から涙が出たくらいである。
もう生理的に受け付けない。何故かは知らない。
多分、初対面の印象が最悪すぎたんじゃないかな????(多分だけど、小学校が建て替えられるまでは給食が冷めた状態で出てきていたので、冷めたハヤシライスが本当に不味かったんだと思われる)
給食でハヤシライスが出る時は、おかずが出ないのも嫌いさに拍車をかけた。
ハヤシライスのソースをかけずに食べるとなると、白米+牛乳+デザートのフルーツヨーグルト。
ハヤシライスが出るたびに、苦手なデミグラスの匂いが充満した教室で白米とヨーグルトを食べるのである。これはつらい。
せめてふりかけを持って行くくらいの自由があれば良かったよな!
私が小学生だった頃には、あんまり給食に対して人権がなかったので、定期的に「給食お残し禁止週間」が開催されていた。
多少嫌いなものでも、とりあえず食べるには食べる子供であった私は、さほどこのお残し禁止を苦にしたことはなかったのだが、小学5年生の時、ついにハヤシライスとお残し禁止DAYが被ってしまった。
その時の私の惨状たるや、ひどいものである。
何せ口にいれた瞬間に吐くほど嫌いなのである。
もはやアレルギーのレベルでダメなんである。
あまりにも食べられないのでクラスメイトの給食は片づけられ、私は号泣しながら鼻をつまんで食べた。10回くらい吐きそうになりながら食べた。
途中から担任が「無理しなくてもいい」とか言い出したが、「なら最初から食わせるんじゃねえよ!」という意地で完食した。
鼻水まみれ、涙まみれ、食べ終わった後に無限に吐きそうになって吐かずに我慢した私(とてもえらい)
その日の午後の授業の、お葬式のような空気といったら。
本当に嫌いなものを無理やり食わせることが、どれほどヤバいのか気づいたのである。
思えば「牛乳がどうしても苦手」とかいう児童のために、特別にミロなどの混ぜ物を用意していた我がクラスが、どうしてハヤシライス嫌いは受け入れなかったのか。原稿用紙3枚以内で答えてください。
原稿用紙3枚の答えも謝罪もなかったですけど、それ以来我が母校から給食お残し禁止週間そのものが消し飛びました。
モンダイニナッタンダネー!ワタシシラナイケド!
もちろん、アレルギー食材を食べさせるとか問題外ですし、偏食しないにこしたことはないのですが。それは大前提なのですが。
泣くほど嫌いなものを無理やり食わせるのは食育でもなんでもないよ。
私は!今でも!デミグラス料理は一切食べられません!
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