既に「なっている自分」から「なりたい自分」へ

不確かな時代に自分らしさを見失わないように

ヒューマンホールディングス株式会社

私の祖母が言っていた。人は生かされているだと。
年を重ねると、体中に痛みが出てくるらしい。
気力がなくて置きがれないこともあるらしい。
私たちは生かされていると。若者も同じだ。

何のために生きているのかを考えるのは難しい。
そこで必要になのが、人生の目標というわけだ。
「なりたい自分」というわけだ。
目標に向かって進んでいけば、ぶれることがない。
判断に迷わない。理想の自分に近づける。本当にそうだろうか。

私は目標に向かって進むのが苦手だ。目標を忘れてしまう。
紙に書いて壁に貼った目標をある日突然取り換えてしまうのだ。
子供のころの夢だった工事現場の作業員が、ある日突然サッカー選手に変わってったりする。
新しい刺激があると、そちらに興味が移ってしまうのである。
テレビを見て、ラーメン屋さんが放映されれば、ラーメン店をやってみたくなる。
俳優を見れば俳優になりたいと思う。
テレビの構成に着目してディレクターになりたいと思う。
そうした、突発的な興味で始めたことは続けるのが難しい。
挫折して諦めてしまう。「なりたい自分」から遠ざかってしまう。

でも、それが私なんじゃないか。
「なりたい自分」が定まらなくて、あらゆる方面に興味がそれて、試してはあきらめる。
多趣味で、長続きしない。それが私だ。「なっている自分」だ。
だから、一つの趣味を長続きさせるような「なりたい自分」を設定する必要はない。
私が既に「なっている自分」の中から「なりたい自分」を見つければよい。今の私を構成しているのは、これまでの経験である。
あらゆる決断、判断、思考が折り重なって今の自分になっている。

大谷翔平選手は、過去に建てた目標に沿って着々と成果を上げているらしい。
そういう人も確かにいるだろう。
そしてそういう人に憧れたりもするだろう。
私はそういう人間だろうか。誰しもがそういう人間だろうか。
大谷選手のような人物がいても良いし、私のような平凡な人物がいても良いじゃないか。
皆が大谷選手のように、計画を実現していたら、大谷選手は生まれないのだ。
平凡な人間がいるからスター選手がいるのだ。平凡な自分を誇っても良い。

だから、私は自分を受け入れられるようになりたい。
できなくても良い、できても良い、今を積み重ねて前に進む。
日課がランニングなら、ランニングを続ける。
その積み重ねが、自分への自信になり、新しいことをするための活力になる。
今、決断する。
脇道にそれてもよい、ただ諦めないことだ。立ち止まらないことだ。
良いことを続ける。毎日だ。
それが今の私が「なりたい自分」だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?