見出し画像

#SaveOurLife 記者会見より ー 後藤洋平(アパレルブランド運営 有限会社ジェラード) 、新田明臣(キックボクシングジム 株式会社バンゲリングベイ)

売り上げは下がり続けている

後藤洋平(以下後藤):有限会社ジェラードの代表取締役の後藤洋平と申します。アパレルの代表としてお話しさせていただきます。ジェラードはオリジナルの商品の制作と卸売、小売を持ってまして、日本国内と海外で展開をさせていただいています。売り上げも去年までずっとキープしていた状態から3月27日(以降)、自粛の話が出たくらいから下がって来て、徐々に営業もできなくなってきたという状態ですね。バンゲリングベイさんはお互い恵比寿に会社を持ってるので、今日は一緒にお話をさせていただこうと思っております。

先に僕らアパレルの現状をお話ししていきますと、今、東京では恵比寿と原宿、あと大阪にお店を持ってまして、三店舗運営してるんですけれども、全て営業はしておりません。緊急事態宣言があったときから営業は自粛しておりまして、通信販売だけで対応している状態です。売り上げっていうことだけで言ったらずっと下がり続けている状態です。

新田明臣(以下新田):恵比寿でフィットネスをメインにしたキックボクシングのジムを3店舗運営しています。代表の新田明臣と申します。自分は最近まで恵比寿にあるビール坂という商店街の副会長もやってまして、飲食店さんとか自分達もそうなんですけど、業務委託でインストラクターを雇ったりしていて、やっぱり社会的な補償が少ないメンバーがいて、みんながどうやって生き残っていくかっていうところを工夫しながら頑張ってる、もしくは自粛をして、店を閉めて家でStay Homeで頑張ってるっていうメンバーがいる中で、そういった声をちょっとでも届けられたらなと思って今日ここに来させていただきました。

「先がない」っていう状態が一番怖い

新田:今日から自分達もジムを限定一組で、お客様同士も会わないようにという風にしてスタートしました。そういった工夫をしながらやってもそれでコロナにかかってしまったらもうそれでアウトですし、どういう基準で今後やっていったらいいか手探りの状態です。自分達の基準や感覚をしっかり持って、何をやったら感染しないかとかも、正直本当にすごい細心の注意を払ってる芸能人の方々があれだけ感染して亡くなられてる方がいてすごい怖い思いを皆さんしてると思うんですけど…

後藤:そうですよね。実際にどこまで営業をしていいのかっていうのがどの業種もわからないと思うんですよ。僕はアパレルですけど、大阪ではスタンディングのカフェとアパレルを併設してショップをやらせていただいていて、アパレルの方が比較的制限がゆるいかなっていう感じはあるんですが、飲食となるとやっぱりすごく今厳しいというか、「感染の予防はどれだけしてるんだ」とか、皆さんどの業種でもすごく厳しいと思うんですよ。

新田:自分の仲間でもそのアパレル系の社長さんとか何人もいらっしゃるんですけど、その中でもやっぱり命を絶ってしまった仲間がいて、「命を守るために絶対自粛して」とは言いますけど、やっぱり命をかけて仕事をしていると思って頑張ってるメンバー達をやっぱり救いたいっていう思いもありますし、体を張ってやってる人達が救われないで、そこに対してみんなの意識がいかないっていうのはとても残念なことだなと思います。

後藤:実際マインドっていうのが僕らの中でも一番気を付けているところで、商売をやっているとまず固定費はかかってきますよね。そういったところで、変な言い方ですけど、常に血を垂れ流して商売をしているような状態なんですね、今。実際に毎月自粛だけをしていれば当然その分だけのお金がどんどん減っていきますし、でもその中で自分達のモチベーションをキープさせるためにも、こんな状態で売り上げがないから「給料を下げさせてくれ」とも言えませんし、モチベーションを保つためにこちらも保障はずっとしてますし、そんな状態がずっと今は続いてて、「先がない」っていう状態が一番怖いところだと僕は思ってます。

みんなが手を繋ぐっていうことができたら

新田:僕の個人的な意見なんですけど「キックボクシングで体を動かすことや運動は不要不急ではない」と言って、自粛の期間中もやってる地方のジムもあるんですよ。実際Facebookなんかを見てても、お客さんからの声が「すごい元気になりました」とか、「再開します」って昨日から打ち出しをしたら、「それは英断です」「絶対に必要なことだし、(再開)して欲しい」っていう声を聞いたりとか。気持ちが元気でなくなってしまったら人間ってやっぱりダメだと思うので気持ちがまず前向きになれるように、もちろん政府の方もすごく頑張ってらっしゃることわかりますし、どの分野の方も皆さん命がけで頑張ってるっていうのわかるので、少しでも前向きに明るくなれるような指針や生き方を示してほしいなって。芸能人の方とかも「みんなで手を繋ごう」っていうことを発信して下さってますけど、そういったころも含めてスマホを普段見てないような年配の方にもアイディアがしっかり行き渡るような、本当の意味でみんなが手を繋ぐっていうことができたらいいんじゃないかなと思います。

後藤:本当にそういうことに尽きると思うんですけど、ここからは僕個人の思ってることですけど、卸先さんに「まず明るく前を向こう」ということしか今は言えません。実際に誰も(前を)向ける状態ではないと思うんですけど、今は通信販売だけはやってますけど、問い合わせのメールだとかお電話いただくってこともあるので、その時に声が暗いとか、返すメールがマインドが低かったりとか、それだけでも全然違ったりとか。僕らの商品はすべて日本で作ってるので、作ってる業者さんにもこれ(商品)が売れていかなかったら今までのお仕事は出せなくなるので、前に向いていかないと守りきれないものって沢山あるんですよ。なので「これが終わったあとに必ず取り返そう」っていう気持ちの前向きさみたいなことだけはすごく意識してます。

出口がなくて補償がない

後藤:僕は今回はstrawberry jams株式会社の出ッ古社長からお声がけをいただいて、自民党の幹事長代行の稲田先生に(提出するために)全国の経営者1200人の方に署名をいただいてまして、アパレルは固定経費がすごくかかるので、その補填と、コロナがなくなるまでは消費税を無税にしてくださいということをお願いをした嘆願書を書いて、署名をさせて頂いてます。やっぱり我慢しなきゃいけないところは我慢しなきゃいけないと思ってます。なんとかこれが超えられるのであれば、1ヶ月、2ヶ月と、本当に我慢をしようと覚悟を決めて、お金もすごく借りました。従業員を守れるような体力だけはキープして、全て用意はしました。ただ出口がないっていうことが一番問題なんですよ。出口がなくて補償がない。こうなると、僕らのところで戦いようがないし、待ちようがないんですよ。どの業種も皆さんそうだと思うんですよ。待つなら待つで、まず何かをください。本当にシンプルにこれだけは言いたいです。でもその後本当に晴れたら、日本全国皆さんそうだと思うんですけど、前向いて頑張ります。経営者みんな頑張れると思います。自分の会社だから。それだけは本当に一番やっていただきたいことだと僕は思ってます。

新田:自分も海外に友人がけっこういるんですけど、やっぱり海外ってまず補償ありき。ロックダウンしてもしっかり我慢すればしっかりとした補償が受けられて、この先は何とかなるっていう光が見えるというか。日本に関してはしっかりとした指針や補償がないのでやっぱりみんなが心を閉ざしてしまって、この後どういう風に生きたらいいのかわからないっていう迷ってるっていう方が沢山いらっしゃると思うので、そこに対してどうやって生き抜くか、どうやって今後、日本の社会をよくしていくか、世界と繋がっていくかという風に皆がこのコロナをきっかけに(考えていけたらいいと思います)。震災があったときに人間同士がお互い支え合って「すごく暖かくなった」「人間を感じた」っていうことがあったと思うんですけど、今回もやっぱそういうための試練だと思ってますので、みんなで力を合わせて乗り越えていけたらって思います。

後藤:僕もその通りだと思います。本当にそれが今の僕ら中小企業の経営者のひとつの考えだし答えだと思ってます。それに対して国に「聞き入れて欲しいな」「そこに聞く耳をもって欲しいな」っていう、本当にそれに尽きるので、以上で僕はこの話は終わらせていただきます。ありがとうございました。

新田:自分も以上です。ありがとうございました。

【新型コロナウイルス感染拡大防止に努めるあらゆる人の仕事と生活を守る継続的な支援を求める署名】
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfmg6jhOPO2P6uHGb2RcH4GWzCb7b3_cr1WLulJVUoCHv4E7g/viewform

Photo: Yosuke Torii