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ユーキャンの速読をやってみた結果− 速読について考えるシリーズその1

ユーキャンの速読をやってみた。本当に読書スピードは上がったのか。リアルな記録を見ながら振り返る。忖度一切なしの本音レビュー。

1. 速読に挑戦した目的

速読は、読書好きなら誰しもが夢想する憧れ。今より沢山の本が読みたいと思った。仮に今と同じ読書量のままでも、速読で時間短縮ができれば、その分、他のことに時間を使える。

2. ユーキャン/クリエイト速読スクール を選んだ理由

瀧本哲史落合陽一がクリエイト速読スクール(※リアル塾の方)で速読を身につけたと知ったことが決め手だった。

僕は高校生の頃に市販の速読教本で真剣に勉強して、何も身につかなかった過去がある。当然、その後は、速読に対して胡散臭いイメージを抱いていた。少し考えれば、速読を謳う人たちが、他のビジネスなり学業なりで凄い業績を残していないのは一体どういった訳なのか。怪しげな情報商材屋みたいなものだろうと軽蔑さえしていた。しかし、僕たちの体験をよく振り返れば、人間の能力的に速読は可能だと思える体験に思い当たる。速聴だ。動画を倍速再生で見るのは、誰でも当たり前にしていること。2倍速再生だからといって、理解の深さ、記憶への定着が、通常速度のそれより劣ったりしない。速聴ができるのだから速読も実は可能なのではないのか。そう考えるようになった。果たして、速読は科学か眉唾か。

先にあげた二人は、本業で実績を残し、知名度と立場があって、もし詐欺商売の片棒を担げば小さくないリスクを伴う。その二人が、速読を身につけたと公に証言している。これはひとつ試してみよう、という気になった。

3. 勉強のスタイル

正式な形でユーキャンを受講したわけではなく、ユーキャンの速読講座の教材だけを中古で購入し、ひとりで勉強した。正式な受講と違う点は、先生による添削の有無。トレーニングの内容を念入りに調べた結果、先生が時々リモートで添削してくれる点に大したメリットはないと判断し、メルカリで教材をポチった。

4. 勉強の感想

ユーキャン(クリエイト速読スクール)の用意した速読トレーニングは、想像よりも遥かに苦しかった。どれほど苦しいかと言えば、言えばと言っておきながら言いたくないが、ともかく完走できなかった。中断したり再開したり中断したり、最後はプログラム3の13回目で脱落した。なんとかゴールまで辿りつこうと、途中、メニューを減らしたり工夫を重ねた。それでも最後まで走り切れなかった。忙しい生活の中、自分でまとまった勉強時間を確保するのは、決して甘くない。

言い訳がましくなるが、僕だって誰かと一緒なら最後まで走れた自信がある。孤独に黙々と勉強することが、こうも消耗するものだとは。ユーキャンが設定している3ヶ月間ともなると、想像よりも退屈で長い。通信(ユーキャン)ではなく、リアル塾(クリエイト速読スクール)に高いお金を投じる一番のメリットはそこにあるのかもしれない。大学受験の勉強も、周りのみんなが頑張るから、さほど辛さを感じず自然に頑張れるのと同じだ。

僕は今、筋トレを始めて約1年間が経とうかというところだが、モチベーション維持の難しさは筋トレの比ではないと感じた。筋トレは鏡を見たり、友達に筋肉を褒められることがモチベーションに繋がるからだろう。

速読トレーニングの内容についても思うことは沢山あるが、長くなるので、別の機会に譲る。

5. 勉強の記録

速読トレーニング記録帳の生の画像を貼っていく。僕は昔から文字に自分のコンディションが現れる性質(たち)で、ノッている時はイケてる字になるし、ノッていない時は汚い字になる。今回は明らかに後者だった。記録帳に書き殴った字に訓練の苦しみが滲みでている。

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記録帳によれば、最初のトレーニングが2018年4月13日、最後のトレーニングが2018年12月26日となっている。本当は3ヶ月で集中的に終わらせるべき内容だった。8ヶ月にまたがる分散的な取り組み方をしたために効果が薄まった面はあるかもしれない。途中、このトレーニングはもう不要だろうと判断したものを割愛したりもした。それでも、このトレーニングメニューの幹となる大事な部分はきちんと吸収できた実感がある。

6. 結果/ビフォーアフター

さて、いよいよトレーニングの結果を明かしたい。ズバリ、読書スピードは向上したのか?速読は身についたのか?1分あたりの読字数をビフォーアフターで比較してみよう。

トレーニング前の読書スピード:723字/分 (初期読書速度測定用課題「春の夜」にて計測)2018/4/9
トレーニング後の読書スピード:1,368字/分(第3回進度確認テスト「あのころ」にて計測)2019/7/20

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結果は1.89倍速。2倍速のラインである1,446に後一歩及ばず、ユーキャンの謳う3倍速には到底届かない結果となった。もしトレーニングメニューを完走していたら、果たして3倍速に到達したのか気になる。が、もういい、疲れた。二度とやりたくない。

もうひとつ、結果を見る上で重要なポイントは、afterの計測日が2019年7月20日だという点。トレーニング最終日である2018年12月26日から半年以上の期間が空いてしまったが、これは訓練の効果が持続することの証左とも言える。

総括したい。読書スピードが2倍速に近いところまで伸びて良かった。時間的な投資コストは高くついたものの、1.89倍速の脳内プラグインを買うことができた。あれほどの退屈に耐えて、大した効果が得られなかったら、ユーキャンを孫の代まで呪うところだった。