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このサウナが「高基礎」である理由

住宅で採用される高基礎の目的は、シロアリ対策であったり、断熱であったり、だと思います。

しかし、この建築はサウナです。理由は、別にあります。

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この画像は、今年の1月にサウナ建設予定地を襲った「高潮」です。小さめの津波だと思ってください。この時の風速は25Mを超えました。平時の波打ち際からここまで60M距離がありますが、波はこの場所を超えて車道にまで届きました。波が去った後には大量の、そして大型の、漂着ゴミがあちこち転がっています。最大のものは5M近い流木でした。

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この高潮は、数年に一度、冬の大荒れの日に発生します。津波に比べると格段に発生頻度が高いのです。

砂浜と同じ高さの土地で、前方に障害物のない、海を見渡す最高のロケーション。ここには台風時や真冬の爆風によって、風、飛砂、高潮、大型の漂着物などがダイレクトにアタックして来る、というリスクが伴います。

この環境の厳しさは、当地で生活する者にしかわかりません。どんなに防錆しても錆びます。塗装はすぐに砂で削られ、わずかな隙間からも爆風に煽られて雨水、海水が浸水し、砂が入り込みます。

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ここに、ちょっとしたサウナ小屋、バレルサウナ、そんなものを設置しても3年と保たないでしょう。運が悪ければ、1年目にして致命的なダメージを受けることも想定できます。

サウナと休憩室のための建築としては、いささかオーバースペックではないか?と思われる皆さんには、是非とも、2月頃に当サウナに来ていただきたいと思います。裸どころか、服を着ていても10分と外にはいられません。

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ちなみに、この基礎関連の工事費だけで、結構いいバレルサウナが購入できるくらい掛かっています。厳しい立地環境に建築するには、腹をくくって取り掛からなくてはなりません。

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