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政治的な個人とは?(要約)

政治学的な個人は主に3つに分類できいる。

①抽象的個人
②個性としての個人
③規律化した個人

である。

それぞれの特徴を言っていこう。

1,抽象的個人
この思想では個人を抽象的に合理的にとらえる。
具体的には
①「まず個人が存在して、個人が社会をつくっているんだ」という考え
②「個性なんて存在せず、皆同じなんだ」という考え
③「個人は理性的で合理的なんだ」という考え
これらを持っている。

この思想は、「個人が持っている権利で社会を作っていこう」という社会契約説、「個性を排除した個人が合理的に全体がよくなる正義を求めよう」という現代リベラリズムの考えと相性が良い。

2,個性としての個人
この思想では個人を「個性的で一人ひとりが違った存在」と非合理的(感情的)に捉える。
具体的には
①「人々の心が大切で、心はひとによって必ず違うんだ」という考え
②「個性は人によって違っていて、変化することもあるんだ」という考え
③「個性にとって感性や感情が最も重要なんだ」という考え
これらを持っている。

この思想は、「共同体の維持のためには、教育や指導などの介入が必要だよね」という共同体秩序を重視するコミュニタリアニズムの考えと相性が良い。

3,規律化した個人
この思想では「近代の個人って空気を読んで周りに支配されているから、不自由なんじゃね?」と捉える。
具体的には
①「権力(世間の目線など)って心を支配して、自発的に従うように仕向けているよね。個人って権力につくられたもんじゃん」という考え(ミシェル・フーコー)
②「社会って『大人になれ!』『ありのままの個性であれ!』って強要してるじゃん。社会も悪いのに『全部お前の責任だ』っていう空気出てるじゃん。それ、個人は不自由で、社会に支配されているんじゃない?」という考え(ジグムント・バウマン)
これらを持っている。


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