国立奥多摩美術館館長の 他の美術館に行ってきた!(Vol.00)東京都現代美術館『GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?』
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国立奥多摩美術館館長の 他の美術館に行ってきた!(Vol.00)東京都現代美術館『GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?』


他の美術館に行ってきた!(Vol.00)

チケット横尾忠則展

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東京都現代美術館
『GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?』

会期:2021年7月17日~10月17日
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2021年10月6日(水)曇り。東京都現代美術館に行ってきた。
東京には、現代美術館と近代美術館というのがあって、
ゲンビとかキンビと呼ばれているのだが、
いまだに「今ゲンビで面白い展覧会やってるよ!」なんて言われると、
瞬間的にどっちの美術館だったかな、という風にわからなくなったりする。
現代と近代に明確な境界線を引く事は難しいし、
どちらの美術館も企画する展覧会に、
明確な時代的制約を設けている様には感じない。
しかし、なんとなくゲンビの方が
現在進行形の作家や作品を紹介している感じがする。
今回ゲンビに行った際には、
『GENKYO 横尾忠則』『MOTアニュアル2021』『MOTコレクション』
という3つの展覧会が行われていた。
その中の『GENKYO 横尾忠則』について。
横尾忠則は言わずと知れた有名作家で、
会場も老若男女、多くの観客で賑わっていた。
彼が「画家宣言」をして絵を描いてきたその集大成の様な展覧会で、
多くの作品が一堂に会しており、
1作1作を見ていくと、その図像や筆致から
彼の興味や心境の変遷などを感じられる気がした。
もっとも、最後の方に展示されていた、
ここ最近のコロナ禍に描かれた作品群は極まっていた。
物事への興味やこだわりが溶けだして、
絵を描くという行為が、まるで自らに課された生きる意味かの如く、
ヒリヒリとザラザラと生への未練と諦念を
グチャグチャにして描かれた様な絵は、
今の僕には真っすぐに見ていられなかった。
だから逆に、そんな作品群を
お客さんはどうやって見るのかが気になって
会場内のお客さんをずっと見ていた。
近所のおじさんがこの絵を描いたのならば、
きっと皆こんなにマジマジとは見ないだろう。
横尾忠則という大作家が描いたという前提は
観客の視線に大きく作用していると正直思った。
しかしながら、こんな極まった作品群を
こんなにも多くの人々にマジマジと見せてしまうという所に
横尾忠則という作家の凄さと価値があるのではないかと思った。
【☆8.7】(佐塚真啓)


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