【うろうろてくてく、サツダイ自然さんぽ#3 雪の季節に見つけたもの】
みなさん、こんにちは!
立春を過ぎたとは言え、2月の札幌はまだまだ厳しい寒さが続いています。一方で、太陽の高度が少しずつ高くなり、日差しが温かくなってきていることに、少しほっとしますね。
気になる足あと
どこを見ても雪にすっかり覆われたこの季節、ちょっと気になるものと言えば、雪の上に付いた動物の足跡です。
足跡の特徴で動物の種類を推測できますが、この足跡は、大きさや並び方などから、おそらくキタキツネのものでしょう。
動物、特に野生の哺乳類は普段なかなか姿を見ることができないものですが、雪上の足跡はその存在を身近に知ることのできるサインです。札大では、キャンパス内のあちこちで動物の足跡を見かけますよね。足跡を見つけたら、動物の歩く姿を想像するのが、冬のひそかな楽しみです。
雪上に落ちるタネ
風が強い日の翌日、大学の森の外周にいろいろな樹木のタネが落ちていました。
真ん中のタネはオオバボダイジュです。葉のように見えるのは「総苞葉」と言い、実とセットになって樹上から落ちます。このとき、総苞葉があることで、くるくると回りながらゆっくりと落ち、風に乗って飛距離を伸ばします。
扇風機のブレードのように見えるのはイタヤカエデ、そして、小さな小さなシラカバの種子の周りにも、よく見ると膜状の翼が付いています。これらのタネも、風の力を利用して、遠くまで種子を飛ばそうとしているのです。
「ハートさん」?
今度は少し目線を上げてみます。
この枝の模様、みなさんは何に見えますか?
ハート形に目と鼻…?ひとまず「ハートさん」と名付けてみました。
この「ハートさん」は、葉っぱの付いていた跡「葉痕」です。
図書館の南側に植えられた「テウチグルミ(別名カシグルミ)」という樹木で、種子はクルミとして食用になります。
夏にはこんなふうに葉が茂りますが、秋には葉の付いている軸ごとポロリと落ちて、枝に跡が残ります。ハートさんの目や鼻に見える部分は、水分や養分を送る管の跡です。
終わりに
気付けば3月ももう目前。新年度のスタートに向け、そわそわ・わくわくしている人も多いのではないでしょうか。動植物たちも少しずつ春に向けた準備を始めていることでしょう。当面、雪ばかりのキャンパスですが、動植物の小さな変化を追っていきたいと思います。