
天職を探そうとしなければ、ココロオドル仕事を見つけられるか【書アド検#4】
ライターさとゆみの、書籍に書かれているアドバイスを愚直に実行すると本当にいいことが起こるのかを検証するコーナー、略して、「書アド検」です。
なぜこんな実験をしようと思ったかはこちらから。
【①今回の検証書籍】
今回の検証本はコレ!
「ココロオドル仕事を見つける方法」(仲暁子さん著・サンマーク出版)
【②この本との出会い】
ある飲み会で、ほろ酔い加減だったつっつー(別名、踊るOL嬢)が、「いやー、仲暁子さんの本、最高。今年読んだ本の中でも納得度NO.1」と言っていたから。「へえーー、そうなんだ」と、内容も確認せず、ビール片手にその場で、ポチしました。
で、読んでからわかるんですけれど、この本、「どうやったら、自分にとってわくわく楽しく、しかも人から求められる職業と出会えるか」という本なんですよね。
ぐわっ。遅いよ。全然遅いよ。つっつー、私、もう、38歳だよ。もっと早くに読みたかったよ。というか、この本にかかれているアドバイスの内容、今から試すには、ちょっと、私、年増すぎるよ。
と、最初は思ったんだけど……
外苑前の庶民的スポーツジム、オアシスでバイクこぎながら読んでいる最中に気づいたんですよね。
私、ここに書かれているアドバイス、ほとんど(約82%・さとゆみ調べ)やってるわ! というか、既に、やってきた!!
私って、ひょっとして、天才じゃん? と、バイクこぎながら、ガッツポーツ決めたところで、今回の書アド検は、ちょっと普段とは違った感じで検証してみようと思います。
【③この書籍に書かれているアドバイス】
骨子は
1)天職を見つけようとするな。天職は、そんな、空からふってくるような運命的なものじゃない。
2)やりたいと思ったら三日坊主でもいいからやる。向いているかどうかは自然淘汰されて、そのうちわかる。
3)人から求められ、自分ももっとやりたいと思ったものが、あなたにとってのココロオドル仕事。
4)迷ったら、両方やる。もしくは、他の人が選ばない方を逆張りする。
5)Googleで検索してもわからないことを仕事にせよ。求められる仕事は10年前には存在していなかった仕事である。
うん、とても、とても、共感です。
余談だけど、この本は、すごくデザインが可愛くって、仲さんご本人のイラストに加え、いかにもココ読んでという場所には、蛍光ラインが最初から引かれてる。
台ごとに、色も変わっていて、見た目にも楽しい本だよ。
【④検証期間】
1976年2月25日〜2014年6月22日(38年間)
「ココロオドル仕事を見つける」ことは、物心ついてからずっと人生のテーマだったため、一応、検証期間は生まれたときをスタートとします。
今回は、この本に書かれていることをほとんど(約82%・さとゆみ調べ)やってきた私が、自分の38年間を振り返って、本当に、ココロオドル仕事を見つけることができたのかというのを検証するという、ちょっとイレギュラーパターンなり。
【⑤書籍に書かれたアドバイスを実行した結果】
1)「天職を見つけようとするな。天職は、そんな、空からふってくるような運命的なものじゃない」について検証
人生山登りタイプではなく、典型的な川下りタイプ。行き当たりばったりで生きてきたことには自信があります。
HERMESはヘルメスと読むと思っていた、ドライヤーも持っていないほど髪に興味もなかった私が、ファッション誌で美容ライターとして仕事をするようになり、今やセミナーでパリコレの解説をするなどというたいそう偉そうな口をきく人になったのは、良かったのか悪かったのかわからないけれど。「自分の興味を満たせる天職に出会いたい」と思っていたら、今の仕事には絶対ついていなかったなあ、そういえば。
そういえば、話はちょっと変わるけど、就職活動のときに思ったのは「私は、世の中にある職業の10%も知らないんだなあ」ってこと。知らないものが天職になりようない、よね。これ、仲さんのご指摘どおり! と思う。
2)「やりたいと思ったら3日坊主でもいいからやる。向いているかどうかは自然淘汰されて、そのうちわかる」について検証
最初の就職は、テレビ制作会社。これまた、家にテレビのない大学生活を4年間もしていたのに、会社説明会で是枝裕和監督に出会い、監督の下で働きたい一心で、うっかりテレビの会社に入社。3日坊主ではなかったけれど、3年もたず、退社。「史上最低の仕事できない社員」「ボケナス」「もう帰れ」「シンデシマエ」とかいろいろ言われ、ちゃんと自然淘汰されたよ!!!
しかもここで
・毎日同じ場所に通勤する
・固定給をもらう(代わりに、なんらかの成果を出す)
・後輩を育てる
ことは、めっちゃ向いてないことを知った! 自然淘汰されただけではなく、こんなにでかい収穫を得た!!
3)「人から求められ、自分ももっとやりたいと思ったものが、あなたにとってのココロオドル仕事」について検証
ファッション誌にも美容にも全然興味がなかったのだけれど、仕事もらったのでやってみたら、だんだん、楽しくなってきた。
・速い ・安い ・そこそこ(平均的に)原稿が書ける ・丸投げOK
を売りにしてみたら、とても喜ばれた。喜ばれると嬉しいのね。テレビ時代、人を怒らせることはあっても喜ばれたことが皆無だったので、余計嬉しかったなあ。なので、仕事も楽しくなってきた。あと、喜ばれることが増えると収入も増えるのね。転職2年目だか3年目だっけな、それくらいから稿料収入が1000万円を超えるようになった。
これって、人から求められ、自分も続けたいと思う、ココロオドル系じゃないっすか? 仲さん、どうすか? これ、あってますか?
自分自身に書きたい原稿ややりたい案件は特になかったので、毎年年始に「今年、私にやってほしい仕事をファックスしてください」と、仕事相手に送って、その回答にあったものを順番につぶしていくということもやっていた。
「人から求められる」ことを基準にすると、「それ、ライターの仕事じゃないじゃん」、ということもいろいろ頼まれたけど、だいたいやってみた。
美容院のバックルームに入ってパソコンの設定やメーラーの設定をしたりしてた。忙しい経営者の方に頼まれて、代わりに経営本をいっぱい読んで、そのエッセンスだけをお伝えしたりもしてた。ホームページを作りたい店が増えてきたので、ウェブデザイナーの学校に通って基本知識を伝えたりもした。
これもまあまあ、喜ばれたような気がする。そもそも全然ライターの仕事ではなかったけど(というかお金もらってないので仕事ですらなかったけど)、その後、経営関係のセミナーのご依頼や、ウェブサイトについての連載が決まったりしたから、仕事につながったといえばつながったの、かも?
4)「迷ったら、両方やる。もしくは、他の人が選ばない方を逆張りする」についての検証。
仲さん! これは、すごく意識的にやってみましたよ! 逆張りにかけては、私の右に出るものはいません、というのは言い過ぎました。スミマセン。でも、今までずっと、仕事の優先順位は、人がやりたがらないものを、優先することにしてきた。
例えば、当時すごく人気だった雑誌のレギュラーをおりて、まだ世の中的に一般的ではなかったウェブサイトの編集長になったときは、雑誌業界の皆さんに頭おかしいと言われたけれど、人が選ばないスタートアップの仕事のほうがエキサイティングだった。ちゃんと、ココロオドってたなあ!!!
5)「Googleで検索してもわからないことを仕事にせよ。求められる仕事は10年前には存在していなかった仕事である」の検証。
こ、これは……。これは、今、まさに、の課題。うん、これはこれから引き続き頑張ります。
【⑥検証結果】
うーん、これ、難しい……。
というのも、やっぱり、まだ、私は人生の途中だし、現状、ココロオドル仕事をできてるとは思うけれど、これが最高状態かというとそれはわからないし、
あと、今が、私の人生の起承転結のどのあたりに位置しているのかというのは、やっぱり、人生が終わってみなきゃわかんないところで。
振り返ったら、この3年(テレビ)+14年(ライター)の仕事も、起承転結の「起」あたりなのかもしれないっていう恐れもある。
というわけで。
さとゆみの「天職を探そうとしなければ、ココロオドル仕事を見つけられるか? 検証」は、評価保留!!
80歳くらいになったら判断します!
私はたまたま38歳でこの本に出会っちゃったけれど、不毛な「天職」探しをしている、大学生のみんなに是非読んでほしいと思った1冊です。
んでは、また来週。ぐっばい。
(佐藤友美・ライターさとゆみ)
【追伸:前回までの振り返り】
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