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ライターさとゆみの日記

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こぼれ話とか
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2018年6月の記事一覧

上手いのと面白いのはぜんぜんちがう

上手いのと面白いのはぜんぜんちがう

上手いと面白いは、格が違うと思う。

それが文章であれ、ヘアデザインであれ、「上手いなあ」と思った場合、それを読んでいる人(見ている人)は、感心してるけど感動はしてない。

なんてことを思ったのは、本日も質問の多いライターの友人に、「ゆみさんが面白いと思う文章は、誰の文章ですか?」と聞かれたから。

面白いという言葉は、「面が白い」が語源だそうです。
昔、天の岩戸にこもった天照大神を引っ張り出そう

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「知ることは愛することです」

「知ることは愛することです」

「知ることは、愛することに近いと思う」

そう言ったのは、私が大好きな女性で(ちなみにfacebookに自分の顔をアップすると半分は彼女の名前がタグづけされるくらい、顔が似ていると言われる)、彼女はかつてリクルート社の社内報「かもめ」を作っていた人だった。

私がある美容院で社内報を作りたいと思って、彼女にその極意をヒアリングさせてもらっていた時に、ぽろっと口をついて出てきた言葉だったと記憶してい

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ライターの友達は質問が多い

ライターの友達は質問が多い

最近、ライターの友達と一緒に原稿書いてることが多くて、先週はYahoo!さんのLODGEに週5出勤しました。本日はPARK6にいます。

一緒に書いているといっても、ランチ食べる時以外は、ほとんど会話することもなく、ただそれぞれに黙々と書いてるだけなのですが、時々、ふとしたタイミングに不思議な質問されるんですよ。

ここ数日で質問されたのは
1)ミステリーって頭から読む? ネタバレから読む?
2)

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「今こそ新聞かも」と思った

「今こそ新聞かも」と思った

先日書いた「東京は別の国 東京でも別の国」に、いろんなコメントをいただきました。ありがとうございます。

最近、ネットで情報収拾している限り、「自分好みの情報しか取りにいかない(取れていない)」ことの弊害を感じています。弊害というより、危機感に近い。
私のSNSはプライベートではあまり使っていない。なので、できるだけ自分好みではないノイズを入れるように意識しているけれど、それでも、自分がフォローす

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「私語り」で連発される「私」って、誰?

「私語り」で連発される「私」って、誰?

蔦屋さんで2度ほど目にとまってパラパラめくって立ち読みというか、立ち眺めしていた本。昨夜、家に連れて帰ってきました。

ねぎトロアボカド丼がメニューにあったら避けて通れないのと同じくらい、こういう文房具関係の本や特集に弱いワタクシです。

のだけど、、、
読んでいたら、この本の「構造」に対する違和感が、どうしても気になって気になって仕方なくて、それっていま私が取り組んでいる仕事でぶち当たってる課題

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言い忘れた言葉

言い忘れた言葉

学童からの帰り道、川沿いの草むらを息子氏と一緒に靴を脱いで歩いて帰った。足の裏に感じる地面が最高きもちよかった。120点。

朝、友人が投稿していたホットプレートクッキングが気になって、お夕飯はホットプレートで野菜とお肉の蒸し焼きに。息子氏は玉ねぎが辛いと言って、玉ねぎだけ避けて食べた。80点。

小学校では毎日国語の教科書の音読が宿題で出る。息子氏は間違って、先週までの課題部分を音読したらしい。

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東京は別の国 東京でも別の国

東京は別の国 東京でも別の国

「東京は別の国」とは、ここ1、2年、マーケティングの分野でよく使われる言葉だそうで、私もこの言葉はさとなおさんのラボで知りました。

ざっくりいうと

ここ数年は、東京「だけ」で流行っていることが相当多いから、その感覚で全国的なマーケティングをすると、かなりズレが出るよ。

というニュアンスで使うのが「東京は別の国」です。

ある著者さんの出版記念パーティを著者さんの地元(某地方都市)でやった

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ジャンプの主人公の髪型はなぜツンツンしてるのか

ジャンプの主人公の髪型はなぜツンツンしてるのか

毎日ミレニアル世代の仕事観を伺う取材をしていると、もう時代は圧倒的に変化しているなと感じます。もううちら40代は彼らの邪魔をしないことだけを意識していきていけばいいんじゃないかと思うな、最近。

そんな今日この頃、六本木ヒルズを横切っていたら、こんなポスターが。

週間少年ジャンプ展。

私、講演ではよく、漫画の登場人物のキャラクター(人格)と、髪型の相関関係についてお話します。

あだち充先生の

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「選ぶ」のをやめた話

「選ぶ」のをやめた話

昨日の 「選べる時代」だから「生きづらい」? では

働く場所を選ぶ、恋愛相手を選ぶ、産むか産まないか選ぶ、生きるか死ぬか選ぶ。そういうハードめなセレクトが、ほぼ100パーセント「自己責任」になった現代の生きづらさについて書いたのですが

そういったハードめなセレクトではなくて、日常レベルの「選択」に関しては、「自分で選ぶこと」をやめました。

というのも、「選択肢」が多ければ多いほど、だんだん選

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「選べる時代」だから「生きづらい」?

「選べる時代」だから「生きづらい」?

ここ1年くらい考え続けていることがあって。

それは、いまの時代に生きている人たちが、なんとなく感じる生きづらさの原因の1つって、「なんでも自己責任で選べてしまうこと」にあるのではないかということ。

このことを、はっきりと感じたのは、「この世界の片隅に」を観たときなんですよね。

ご覧になった人も多いと思うけれど、「この世界の片隅に」の主人公のすずさんは、戦時下の広島にいて、あらゆる試練にさらさ

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丁寧な人は、普通の人になるだけで無駄にがっかりされがちだよね

丁寧な人は、普通の人になるだけで無駄にがっかりされがちだよね

本を送ってくれるときにいつも手書きのお手紙を入れてくださる方とか
講演に行くたびにお礼状をくださる方とか
原稿納品するたびに丁寧なご感想くださる方とか

いつも凄いなあと思ってるんだけれど、

こういう凄いなあと思われていることほど、途中でやめると、「今回は手を抜かれた」とか、「もうどうでもよいと思われたのかな」とか思われてしまうの、なんだかアレですよね。

他の人にはない気遣いやサービスが強

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お金なんて無くなればいいのに、と彼は言った

お金なんて無くなればいいのに、と彼は言った

この間ちらり話したドリトル先生ですが

ドリトル先生シリーズ第1巻の『ドリトル先生アフリカ行き』では、もともと人間の医者だったドリトル先生が、次々と動物を受け入れてしまうために(中には獰猛な動物もいたから)、患者さんが寄り付かなくなり、次第に貧乏になって本人も動物たちも食べるものに困るようになるシーンが出てきます。

その時ドリトル先生は、特にその問題に向き合うでもなく、「お金なんてものがある

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頑張るより頑張らないことのほうが難しい。『今日は、自分を甘やかす』(夏生さえり)_059

頑張るより頑張らないことのほうが難しい。『今日は、自分を甘やかす』(夏生さえり)_059

とってもとってもいい本でした。やさしくって、ふわっと抱きしめられるような、やわらかいクッションみたいな本。

先日、さえりさんの講演を聴く機会がありましてん。さえりさんってちょっとだけハスキーな素敵な声なのですが、その声で語りかけられているイメージで読むと、さらに◎でございます。

私が歳をとってよかったなあと思うことのひとつが、「頑張らない」ができるようになったこと。

これは、本当によかったこ

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今は僕の番だけど、次は君の番だから

今は僕の番だけど、次は君の番だから

私がいままで取材させてもらった中でも、とても思い出深いのがこの記事です。

画家の松岡亮さんにインタビューさせていただいた記事。

目立つこともなく。主張することもない。ただ生きるように描く。

このインタビューでとても印象的だった言葉の一つが

今はたまたま僕の番だけれど、次は、あなたの番だから。準備しておけばきっとチャンスがやってくる。でも、やってなければ「はい、やって」って言われたときに

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