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中国語の勉強方法(2)3つの通訳メソッドを使った上達方法

以前に、日本人が中国語を勉強するメリットについて書きました。日本人は漢字が読めるので、何も勉強してなくてもだいたい新聞が読めてしまいます。あとは、音を覚えるだけ。今回は、通訳者が使ってる3つの訓練を中国語に応用してみてみましょう。


通訳メソッドというと、ちょっと上級編に聞こえるかもしれませんが、けっこういろんな場面でできる語学の習得方法です。

①クイックレスポンス
②シャドーイング
③リピート(リテンション)

紹介したいのはこの3つ。
順に見ていきましょう。

①クイックリスポンス

英語の学習で使われる事が多いですが、意味は、「素早い反応」。反射神経に染み込ませるくらいのレベルで暗記すること。

日本人が中国語を勉強していると、漢字が読めるので、まず、文字情報からはいってしまいます。そして文字を頭の中でピンイン(四声をいれたアルファベット)に変換するでしょう。これだと、ワンステップずれてしまいます。

もちろん、漢字が読めることは大きなメリットなのですが、同時に、デメリットでもあります。読み書きできても喋れないと言う人は音として落とし込めていないのです。

日本人なら、単語をど忘れしたとき、同じ音でも声調が2声だったか、4声だったか迷うことがあります。これは漢字が先にあって、あとづけでピンインを覚えているからであって、音から先に入って、あとから漢字を学習している中国人なら声調を間違えることはありません。間違えないので、外国人が声調を間違えると、全く通じません。外国人の話す中国語に慣れてる中国人なら、「ああ、この外人は、2声と3声を間違えてるんだな」と忖度してくれるのですが・・・。普通はトーンがちょっとずれるだけでも意味が通じないのです。

たとえば、「栗くり」は「栗子 lìzi (リーズとさがりながら発音)」ですが、まちがえて、「lízi(上がりながら発音)」というと、もうまったく別物になってしまい、およそ栗かもしれないという発想にはむすびつかないのです。日本人なら、「橋」でも「箸」でも、関西と東京で発音が違うくらいで、イントネーション上がろうが、下がろうが、どっちでも通じるじゃないですか。そうは問屋が下ろさないのが中国です。まあ、発音わすれたら漢字で書いて見せれば通じますが。

というわけで、中国語勉強の目的がビジネスメールなどのやりとりで、しゃべれなくていいなら話は別ですが、文字情報から入って頭の中で変換するのではなく、音が反射的に出てくるようにならないと読み書きはできてもリスニングとスピーキングの上達にはつながりません。

身近な食べ物の例でみていきます。
(漢字は視覚情報になるので、あえて省いてます。)

いちご cǎo méi
バナナ xiāng jiāo
りんご píng guǒ

誰かと一緒にやった方がいいですが、「いちご」と言われれば即座に数秒以内にcǎo méi と返します。「バナナ」「xiāng jiāo」「いちご」「cǎo méi 」「りんご」「píng guǒ」「いちご」「cǎo méi 」と、赤白の旗揚げ並みに条件反射的に返していきます。

しかし、クイックリスポンスは、筋トレと同じで、やらなくなったら反射神経が落ちていきます。家事をしながらでも、お風呂に入りながらでもできるので、できたら集中してやるときは毎日やりたいですね。

②シャドーイング(フォロー)

こちらは、前回記事で紹介しました。
セリフをきいて、まったく同じスピードで止めずにずっと役者について真似ていきます。
真似る事ができたフレーズは自分のものになっていきます。逆に、「ごにょごにょ」、と口ごもってしまったフレーズは、まず、そもそもの意味を理解できていない証拠です。
最初は字幕を見てもいいので、意味を確認しましょう。意味がわかると発音できるようになるはずです。

③リピート(リテンション)

さらに難しいのはリピート。まとまったフレーズ、1行〜3行くらいを一時停止して、口に出してみます。シャドーイングよりもさらに、そのフレーズとして意味がわかっていなければ、記憶しておけません。
シャドーイングだけだと、なんとなくわかってるふりになってしまうので、一旦停止しても言えれば完璧です。

ドラマを見るときは、1回目は字幕ありで意味を確認。2回目はシャドーイング。3回目はリピートでいってみましょう。


クイックリスポンスで、単語のインプット、シャドーイングとリピートでアウトプットの練習になります。ドラマが難しければ、低学年の子供がみるようなアニメでもいいし、簡単なところから始めるのがいいと思います。ディズニーとか日本昔ばなしの多言語版はなかなかいいですよ。


この後、「サマリー」ができるとさらによいです。
サマリーは、1冊本を読み終わった後、1本ドキュメンタリー見終わった後、概要を自分の言葉でまとめます。シャドーイングとリピートができていないなら、サマリーはもっとできません。まずは、筋トレをしてからクリエイティビティを発揮しましょう。


今日はメソッドの紹介でした。
次回から、もう少し中国語の世界に入っていきます。

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