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多国籍なメンバーで働き方を考える

多国籍なお客さんたちと2週間ほどのツアーを添乗していると、どの国の旅がどうだった、次はどこにいこう、という話で盛り上がる。ヨーロッパやオセアニアのお客さんが多く、だいたい、年に60日間の年休があり、一度に使えるおやすみは、3週間〜1ヶ月なのだそう。そして、世界的なIT企業、A社では90日の休みがあるとか。

いったい、1ヶ月もの間お休みをとって、その間にたまっていく仕事はどうするのだろう?と、疑問に思い聞いてみると・・・

オージー「メールに1ヶ月バカンス休暇です、緊急な用事は上司へ、と自動応答に書いておくと、まわりもみんなそのくらい休むので、納得してくれる。」

スイス人「制度的には60日休みあるけど、一気に使うとさすがにちょっと言われる。まあ、3週間くらいなら誰も何も言われないかな。普通だし。」

とのこと。うーん、たしかに。緊急を要する仕事って意外と少ないかも。日本の場合、1ヶ月も返事を待たせられない、という外部からのプレッシャーが大きいのだろうなあ。

逆に、日本はどのくらい休みがあって、実際にどのくらい使えるのか、ときかれました。

私「日本は、連続で休みが取れるのは1週間くらいかな。」

オージー「そんなに少ないの?病気にならないの?」

私「実際には、病気になって病休をとってる人も多いよ。」

オージー「病休はどのくらいあるの?」

私「会社によるけど、1ヶ月とか、診断書があれば半年休んでいる人もいるかも?」

オージー「オーストラリアだと、30%がcasual(非正規雇用)だから、半年も休んだら席がなくなってるわ。日本は休みがないけど、burnoutがおきても雇用が保証されているんだね。」

とのこと。

casualという言葉を初めて聞いたのですが、パートタイムだと、正規雇用よりも時給は高く設定されている国は多く、農業のバイトでも最低時給は1500円からだとか。自由な働き方をもとめてあえて正社員を選ばない人も多い。

日本の非正規雇用についてちょっと気になって調べてみると、日本の非正規雇用は全国平均が38%、京都府は中でも高い方で42.5%なのだそう。むしろオージーよりも高いじゃないか。日本だと、退職した人が非正規で継続雇用される例も多いので、正社員の仕事がないというよりは、あえてそうしている人も多いのかもしれません。しかし、たとえ非正規雇用を選んだ人でも1ヶ月休める人は少ないのではないでしょうか?

burnout=疲弊してうつ病とかになっても病休をとれる環境が整っている日本がよいのか、1ヶ月休んで病気にならないようにするのがいいのか。国による考え方の違いでしょうか。欧米といっても、ヨーロッパ・オセアニアと違って、アメリカは日本に近く、あまり休みがとれないようです。

非正規雇用=正社員の仕事がなかった昔と違い、いまは働き方が自由に選べる時代となりました。私自身も、面白そうな求人があっても、「あー、正社員かー、なんだー(自由に休めないもんな)」と思ってしまいます。まわりも私の世代ではそういう人が多いです。パートならいいけど、正社員じゃ勤務時間に縛られてしまうし・・・。

正社員・非正規雇用に関わらず、自由に1ヶ月休める状況にない日本では、本当の意味での働き方改革は難しいのではないでしょうか。

burnout起こして結局半年休まれるくらいなら、むしろ定期的に1ヶ月休んでリフレッシュできた方が健康的だと思いませんか?

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