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『僕は君たちに武器を配りたい』(瀧本哲史)を読んで。②

 現代の日本社会で、若者が生き残るための思考法とは?京大人気No.1客員教授が世に問う必読の書。先日の投稿に続き、感想文を書きます。


前回まとめ
 現代の問題に「コモディティ化」がある。どんなに付加価値をつけても、普遍化してしまい価値が無くなる。それは商品、人材、コンテンツも。

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 かつての日産自動車は、「1/1000秒の違い」という、技術の高さを売りにしていた時期がある。しかしその違いはユーザーには分からない。これが、伝わらない努力。例1

 学生ベンチャーが失敗しやすいのは、新しい技術(アプリなど)は一過性のもので、普遍化すると価値がなくなる。変化する生き方を優先して、起業したものの、それでさえ短命になってしまう。例2

 派遣社員という制度が、賃金を下げたと言われるが、実はそうではない。技術革新こそが、正社員でなくても誰でもいいという環境を作った。例3

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 上記3例はとても興味深いです。 どれも「目指した価値が無力化した」ことを意味しています。

例1.頑張ったものの、伝わらないとか、
例2.頑張ったものの、続かないとか、
例3.頑張ったものの、逆効果であった、 みたいな例です。

 ここは本当に、考察する価値があります。 我々は安易に「努力しがち」です。前回でも述べた「英語やITやお金」についての知識を手に入れよう、資格を取ろうと飛びついてしまう。

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 努力の方向性が問われていると思います。そうしないと、消耗するだけ。もちろん、技術や経験や効率は手に入ります。ただそれも、未来に繋がらないとか、疲弊する、安く買い叩かれてしまう、ということ。

 本書はここから、「漁師」の例え話を出し、どういう仕事の仕方をすれば儲かるか、将来性があるか、その分析や適性について述べられています。それはまた次回にしたいと思います。

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 もったいつけている訳ではなく、今日の記事にかぶせるには、あまりにも濃い大事な内容が次も続きます。今回は全9章の3章まで。「努力の方向性」は、ほんとこれだけで、大いに考察するに値するテーマです。

 人は勉強や仕事において、意味のない努力、続かない(一時的な)努力をやりがちで、これは「人生の指針・思考・行動」を大きく左右します。


【読書感想文30冊目】


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