軽やかワーキング

今バイトしているところは、とても働きやすくて好き。

店長も穏やかだし、でもちゃんとダメな時は言ってくれる。
一緒に働いている人々は日本人、中国人、韓国人などなどと幅が広いわりに隔たりもなく話せる。

私生活で嫌なことや悲しいことがあっても、バイト先にいるときは別の空間にいるようで心が落ち着く。

日本のアニメを見て声優を志す留学生や、始まったばかりの大学生活に期待と不安を抱えた若者、
息子さんの奨学金を返済するために夜勤をするおばさんや、専門を中退したけどまた勉強したいからお金を貯めるために頑張っている男の子、など。
それぞれの人生に苦楽はあるけれど、なんとなく働いているときはみんな心なしかのんびりとしている。

ある日、立ち上がれないくらい落ち込んだままバイト先に行き、痺れを切らして愚痴をもらした。相手は美大に通う中国人の女の子。
くよくよしている僕に一発、
そんなの時間の無駄!あなたなら大丈夫だから、次行こう、次!」
と軽快に蹴り上げてくれた時、僕はなんだかハッとした。
身近な人に愚痴ると、いかんせん内情を知っているものだから下手なことが言えないぞ…と当たり障りのないことを言わざるを得ないみたいな空気になってしまうのだけど、
今はバイト先なのだ。お互いに背負ったものは無く、友達よりも純度の高い感性をぶつけあえる。
それにとても感動した。
僕のことを何一つ知らないからこそ、この軽快さがあるのだ、と。

もし僕が学校の同級生や、昔からの親友だったら、この軽やかさは味わえないかもしれなかった。
この「バイト先の知り合い」程度だからこそ晒け出せる何かがあるな、と感じた。

他人というものは、本当に面白くて、
友達よりも面白くてスリリングは時がある。
僕はもっともっと知らない人のいる空間で、ライトな関係を作り上げていきたいな、という意欲に駆られた。

今年は豊作だぞ!

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