Management & Leadership

Management is doing things right; leadership is doing the right things.
Peter Drucker

「ManagementとLeadershipの違い」は、かなり語らられている話であるが、あえてこのトピックについて書いてみようと思う。
というのも、このトピックに関して見つかる記事は、整理に終止していたり、研修サービスに誘導するための記事だったりして、現場でどう実践するかの観点で書かてていないと感じたからだ。
なおここ書かれている内容は、私が諸先輩方から学び、研修等に参加し、実践している体験ベースのもので、学術的に裏付けがあるものではないことを予めご留意いただきたい。

結論

忙しいみなさんのために始めに結論を言ってしまおうと思う。

Managermentとは「自分がいなくなっても回る仕組みを作ること」であり、Leadershipとは「自分1人であっても行動し前に進めること」である。そして1人の人間がManagementとLeadershipの両方を、常に同時にエンドレスで実践し続けなければならない。決して自分に合うスタイルのどちらかを一方を選択するという話ではない。2つを同時に実践するとは、自分がいなくても回る領域をどんどん増やし、free upした時間を使って新しい改革に着手する。これを永遠に続けるということである

Managermentとは?

Managerとしてチームを運営する際には、どうすれば自分がいなくても業務が回るようにできるか?チームが自律的に行動するようにできるか?を考える。その際に最も重要なのは次の3つだと考えている。

  1. 暗記できる目標を定める

  2. Measurementを定義し、測定する

  3. 環境を整える

まずは「1.暗記できる目標を定める」についてだが、営業のようなチームの数字/個人の数字が明確なfunctionは良いとして、そうではないfunctionでも、チームの目標、個人の目標は必ず定めたほうが良い。その際、目標はすぐに暗記できるくらい短く簡単な定量目標が望ましい。ここで強調したいのは、チームメンバーに聞いても空で答えられないようなチーム目標/個人目標は無いも同然であるということだ。目標が設定されていない組織の場合、そもそも設定するところからだが、目標があったとしても曖昧だったり、あるいは目標が長すぎる/多すぎるために覚えられないようであれば、見直した方が良い。会社から目標が落ちてきてフレキシビリティがない場合は、目標の「意味」を自ら考え付加すると良い。

次に「2. Measurementを定義し、測定する」とは、定めた目標に対する進捗を何によって計測するか(=Measurement)を定義し、実績値を測定する、ということを意味する。ここで"Measurementを定義し"というのをわざわざ明示的に書いた理由は、実績値を算出するのはData Availabilityの観点で簡単ではない場合があるからだ。そのような場合は、正確な実績値の代わりに、何によって進捗状況を可視化するか代替指標を定める必要がある。weeklyで取得できないデータをMeasurementとして設定するのは使い勝手が良くないから避けた方がよい。Measurementが決まったら、最低weeklyでモニタリングし、チームと共有/議論するCadence(繰り返しのmeeting)を設定する。

最後に「3. 環境を整える」は、チームメンバーが働くために必要な環境整備のすべてを含む。適切なスペックのPCを提供するなども当然含まれるが、重要なのは「A. メンバー同士がケンカしないようにする」ことと「B. 困ったときに気軽に聞ける相手をできるだけ多く作る」の2つが特に重要だと考えている。
Aに関しては、そもそも無意味な紛争を起こしそうな人材を採用しないことが重要だが、既存メンバーでそのような問題児がいる場合は、当事者に毅然とした態度で面と向かって改善を要求する。問題行動を放置すると、ケンカの仲裁のために双方の言い分を聞いて、仲直りをさせるという、子供のケンカの仲裁みたなことをしないといけない。これは非常に時間とエネルギーがかかり、かつ生産性を著しく低下させるため、そもそもそんなことが起きないようにすることは非常に重要だ。
Bに関しては、「xx部門のxxさんと話してみると良いよ」というのを積極的に行い、本人が困ったときに聞くべき相手を増やすと良い。

これらの活動を通じて、自分がいなくても業務/組織が回るようになり、自分なんて不要なのでは?となればmanagerとしてはいい仕事をしているということになる、空いた時間はLeadershipの発揮ために使おう。

Leadershipとは?

Leaderとして振る舞う際には、自分で1人であっても行動し、前に進めることが重要だ。では、何の行動をすれば良いのだろうか?それを特定するためには、「明日チームが仮に自分1人になっても、明日の自分は今日と同じ行動を取るか?」を常に自分に問いかけると良い。答えがNoなら、誰かに忖度して仕事の優先順位を歪めてしまっているか、本来自ら取り組むべき最優先のテーマに自分の時間を使っていないということになる。本当に明日チームが自分1人になったことを想像してみよう。もしそうなったら今やっている10の仕事は到底できず、最もビジネスに大きな影響を及ぼす1,2個のテーマに絞らなければならなくなるはずだ。実際にはチームメンバーがいるから10の仕事をする訳だが、そのようなときでも、その最優先の1,2個が何か?を常に見極め、自ら手を突っ込んで最優先トピックを前に進める必要がある。Leaderとして行動するときに重要なのは次の3つだと考えている。

  1. 暗記できる目標を定める(同上)

  2. 自ら行動する/先頭を走る

  3. チームを作る

「1. 暗記できる目標を定める」についてだが、既出の内容と基本的には同じだ。ただ、Leader自らが奮い立つ内容になっているか?という点は今一度自問してみると良い。なにか新しいことを始めようとすると、必ずハレーションが起き、揶揄する人間が現れ、「応援しているよ」と言ってニコニコしながらお手並み拝見してくる人が現れるが、このような雑音に気を取られないようにするためにも、自分が達成したい目標を定めることが重要だ。繰り返しになるが、会社から目標が落ちてきてフレキシビリティがない場合は、目標の「意味」を自ら考え付加すると良い。

「2. 自ら行動する/先頭を走る」は、書いてあるその通りで、自分の時間を使い、考え、資料を作り、プレゼンする。雑用を自分でこなすことも一切躊躇しない。その際、既に何度も書いた通りだが、「明日チームが仮に自分1人になっても・・・」の観点で、最優先領域を見極めよう。

「3. チームを作る」だが、Leaderとしてなにか新しいことを始めようとすると、既存のteam capabilityでは不十分なことも多い。そのような場合は採用をすることになるが、採用はLeaderにとって常に最重要トピックである。また既存メンバーのスキルアップも同様に重要である。ここは絶対に人任せにしてはいけない。

以上のように、Leaderはとにかく自分でやるが大事なのだが、当たり前だが時間が限られているため、Managerとしての仕組み作りが重要になってくる。

おわりに

最後まで読んでくれてありがとうございました。どんな意見も大歓迎なので、コメントもらえると大変ありがたいです。

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