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【舌】過去ツイートまとめ①


①訪問でのSTをするようになって、発声のパターンが固定化して明瞭度が極端に低いという人を良く見ます。舌の随意性は良いのに、発声持続が難しくて内舌筋の分離性の不良さがより顕著になるパターンがとても多いです。

②良く挺舌範囲を拡大させようとしてる場面を見ますが、下顎の代償で挺舌範囲が拡がってるように見えるだけで、横から見ると舌は全然突出されてませんよってことは意外と多いです。

③舌は他の部位とは異なり、唯一3方向性に筋繊維が走っています。その最たる部分は、舌内部の分離性であり舌自体が柔軟にその形を変えながら構音様式や食塊の認識を実現している所にあると思っています。

④舌骨は常に一定の舌骨下筋群の影響を受けていますが、その分かりやすい一例としては、肩甲骨を内転とやや挙上方向へ誘導すると挺舌範囲が拡大します。健常人でもその場で変化がみられますが、それだけ舌骨が周囲の筋群から受ける影響は大きいようです。

⑤舌の評価をする時、安静時の緊張を見ることも大切です。舌尖、舌背、舌縁、奥舌……左右の各部位について確認してみると、治療の展開や構音練習として用いる音に工夫がしやすくなるかも知れません。

⑥/k/の構音は、奥舌の選択性を評価する上で、分かりやすく大切な視点です。奥舌の選択性からは、他構音への歪みの影響や口腔内圧、舌骨の挙上等多くのことが伺えます。

⑦良く見ると/k/構音時に麻痺側よりも非麻痺側の奥舌の方が挙上範囲が狭い……ということがあります。この場合は十中八九、非麻痺側の肩甲帯周囲の緊張が高く、舌骨上下筋群を介して非麻痺側の奥舌が下制方向へと引き込まれてしまっている、という場合が多いです。

⑧安静時の奥舌を評価すると、筋緊張の程度や姿勢の影響等により奥舌の位置(高さ)に左右差が生まれています。この左右差は舌骨上筋群や上部体幹-肩甲帯の状態を伺いしるために大切な視点で、麻痺側・非麻痺側それぞれの問題点を考える上で役立ちます。

⑨下顎と舌の分離性を見る視点の一つとして、開口保持したまま舌の出し入れが出来るかどうか、というのはすぐに出来て分かりやすいかも知れません。舌を戻す時に一緒に口も閉じてしまう方、たくさんいらっしゃいます。閉じなくても一緒に下顎が動いてしまう方も多いです。

⑩挺舌をしてもらう時ですが、練習としては、そのまま挺舌をしてもらうよりも舌尖にホントに軽く触れながら前方へと誘導する方が内舌筋の活動も促しやすく、舌自体の選択性も求めやすいなぁと思っています。あまり抵抗を加えて、舌尖が抵抗に負けてしまっていると、舌尖の形成がされにくいですし!

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