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メンタルつよつよ夫がカウンセリングを受けた話から考えたこと

メンタルつよつよ夫とは

夫は尋常じゃないくらいメンタルが強いです。私が豆腐メンタルとすれば、彼はゼリーメンタル。ストレスを受けてもぽよんと跳ね返す感じ。

一時期めちゃくちゃ仕事が忙しい時は「すね毛だけが抜ける」という謎の身体症状を呈しましたが、それ以外は平然としておりました。

今はふさふさですが。

人懐っこさとか愛嬌みたいなものがあふれていて、道行くおばあちゃんに「缶コーヒー開けてくれへん?」と言われたり、ウィンドウショッピングしていたお店でおじさんに「兄ちゃん、この高い所にあるやつとってくれへん」と言われたり、海外の方に道を聞かれたりします。

基本的に頭がいいし、要領もいい。めちゃくちゃ論理的に物事を考えるし、筋の通った話が当たり前のように出来る。

そんな人です。

カウンセリングを受けることになった経緯

そんなメンタルつよつよ夫が、どうしてわざわざカウンセリングを受けることになったかと言うと、「俺は仕事を辞めたい」「別の仕事がしたい」と言い出したことが始まり。

私はその話を聞いていて、仕事を辞めたい理由も次にやりたい仕事も納得できたし、具体的な転職プランも説明してもらって、生活に支障をきたさないことが分かったので「世の中、自分のしたいこともわからん人が多いのに、したいことを見つけたのは立派だ」と賛成しました。

しかしまぁ反対する人がいたのです。

会社の上司さん。

というのも、夫はその年に管理職になるための試験を受けることになっていました。上司さんは当然それを受けて、部署を盛り上げてくれるものだと思っていたのです。

そこに「会社を辞めようと思っているんです」と夫から言われて、上司さんは夫が病んだと思ったのか、産業カウンセラーを紹介してくださったのです。

夫も私がカウンセラーをしているからカウンセリングに興味を持っていたのか、それを了承。

産業カウンセラーのもとへ話をしに行ったのでした。

カウンセリングを受けた後

「今日、上司に言われてカウンセリングを受けたんよなぁ」と言われ、私はとても驚きましたが、面白そうだったので話を聞きました。

【夫の感想】

・何を話せばいいかよくわからんかった

・なんかずっと同じ話ばっかさせられて「今言ったけど?」「話聞いてないんか?」ってめっちゃ思った

・たぶん俺は「転職のコツ」とか「どんな仕事が向いているか」とか教えてほしかったけど、話を聴くばっかりやったからかも

・次も来るか聞かれたけど「いいです」って断った

・やっぱ会社のカウンセリングって、上司に報告されそうやし、話すこと選ぶ

体験談としては面白かったけど、心理職としては心にグサッと来る部分もあり、複雑な気持ちでございました。

夫のカウンセリング体験談を聞きながらの対話

私「まず(夫)のニーズをカウンセラーが掴み切れんかったんかな」

夫「まぁそうかも。でも聞かれてないから」

私「もちろん、相談に行った人がニーズを伝えられんのは、カウンセラーがちゃんと聞き取れんかったんが悪いから、(夫)が悪い訳ではない」

夫「カウンセラーが自分の意見言わんのはなんとなく知ってたから仕方ないけど、別に俺は話聞いてほしい訳ちゃうから違ったんかも」

私「そうね。傾聴重視のカウンセラーさんやったんかも。別にカウンセラーでも意見とかアドバイスはするけどな。あと、会社のカウンセラーって適応障害とかうつの人多そうやからさ、色々質問するとかより、ゆっくり丁寧に相手のペースで話聴く姿勢が求められるんかもしれん」

夫「まぁ俺、病んではないからな」

私「あと、相談に来る人って、自分でも考えがまとまっていない人多いんかなぁと思うんよ。でも、(夫)は自分で筋道立ててばーっと結論まで考えられる人やん。だから、あんまりカウンセラーのフォローの部分いらんかったのに、カウンセラーさんは傾聴して要約して…ってせなあかんって思わはったんかもしれんねぇ」

夫「前、セイが俺には認知行動療法みたいなやつの方が合うかもって言ってたから、合わへんタイプのカウンセリングやったんかなと思うわ」

私「それは(夫)がもし治療者やったらって話やったんやけど…。でも認知行動療法とか行動療法はきっちりターゲット決めて、そこに向かってロジカルに進めていく感じするから、(夫)の考え方は合いそうやとは思う。コーチングとかも良さそう。でもまぁそもそも(夫)、悩んでないやん。悩んでないのにどこをターゲットにすんの?」

夫「確かに悩んではない!」

私「悩んでるの上司さんやから、そもそもそこでミスマッチ起きてたと思うわ。カウンセラーさんが(夫)が来た経緯をちゃんと聴いて、『これ、こいつ悩んでなくね?』『真のクライエントは上司さんじゃね?』って気づいたら、もうちょっと違ったかもしれんなぁ…」

夫「『上司に言われて来た』とは言ったけど」

私「それでは分からんかなぁ…。学校でも『先生に言われて来た』って子多いけど、何が起きて、何を言われて、その子がどう思って来たかまで聴かんと対応できんもん…」

夫「聞かれんかったから」

私「まぁそうね(笑)」

夫「すね毛も生えてるし(笑)」

私「なんという分かりやすい指標」

まとめ

やっぱり「ニーズ」とか「誰が悩んでいるのか」を丁寧に聴かないと「傾聴」などの技法を先走って使ってもダメだなと強く感じました。

それでも、私の仕事を知ってもらう機会にはなったかなぁ…と思う。守秘義務気にしながら話すのが面倒くさくて、普段カウンセリングの仕事のことは話さないので。

なお、この話は数年前のお話。ちょっと思い出すことがあって、今回まとめてみました。

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