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一関市の課題(2021/9/24『岩手日日』より)

『岩手日日』の9月24日の1面では、一関市長選にあたって一関市が抱える課題の最後となる三つ目の課題を取り上げている。今日の記事が最終の記事となる。

私は高校生まで地元岩手に住んでいて、一時期、長距離走に取り組んでいたこともあって、確か「東北日本電気」という名称だったと記憶しているが、一ノ関駅前のNEC工場にはなじみがあった。というのも「東北日本電気」の実業団選手が駅伝や長距離の大会に出場していたため、その選手らの活躍は鮮明に記憶に残っている。

そんなかつての「東北日本電気」が一関市から撤退すると知ったのが、この岩手日日の記事からであった。昔の記憶が消え去るようで非常に残念に感じると同時に、一関市の産業・雇用にとって痛手だとも感じた。

そして、岩手日日のその後の記事で「東北日本電気」跡地が一関市議会で議論されているということを知った。

一ノ関駅前ということもあって、跡地の有効活用は一関市にとって最重要課題と言っていい。しかし、多額の税金投入にも大きなリスクが伴うことも理解できる。

最終的に一関市議会では本跡地を一関市が取得することは見送られた。これはこれで適切な判断だとは感じるが、問題は一ノ関駅前の再開発や産業・雇用の発展をどのように進めていくかの策が見えてこないのが非常に残念である。

一関市議会で跡地取得が否決された大きな理由は「利活用計画が不十分」「財政の将来不安も大きい」というものであった。
行政側から議案が提出され議会で議論されるというプロセスで決まっていくことは理解できるが、そもそも議会に提出された行政側で作成した議案自体の内容に私は興味がある。
というのも利活用や財政について行政側で質の高い内容に詰めていくには限界があるのではないかと思う。土地開発の専門家の力を借りたり、財政の長期的プランも同時に検討し質の高いものにしていかないと議会で否決されるのは目に見えていたことのように思う。

本跡地はILC関連施設にしようという提案がなされていた。本気でILCを誘致しようとするならば、ゼロから施設を建設するのではなく既存の施設が使用でき、それも駅前の施設となれば誘致にも大きなメリットがあると思う。
私が調べた範囲では、ILCで開発が見込まれる地域というのがはっきりしていない。計画から見えてくるのは奥州市に軸足を置いた開発になるのではないかという点だ。つまり、ILCは誘致できたが結局メリットのほとんどはころは奥州市に持っていかれた、とならないために、既存の施設が活用できることは大いにアピールしていかなければいけない。

難しいのはILCが必ず誘致できるわけではないということ。一か八かの賭けに税金を使うのもできないので、どっちに転んでも利活用が適切にできるよう多くの人が関わって知恵を出し合うようなチームをつくって前に進めていくべきだと思う。

どのようなチームで検討されてきたのか、今後も調べていきたいと思う。

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