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断絶しきれずにぶら下がる痛み(2020.04.25)

17時23分、
1時間前くらいにやっと目が覚めて、喘息の吸入をして、水を飲んで、それで…他に何があったかわからないけど今この時間。水が体に浸透しない。

夕方のテレビニュースはいつも不穏で嫌だなぁ、GWが始まるらしい、いつもと違う連休を前に何かあちこちが不穏で、だけども自分はいつもと変わらない。

“何かいつもと違う”と感じるのは、いつも通りのことだから。

どこで誰が何を言ったか、追いかけていない。何が起こっているのかも、追いかけていない。目を閉じて耳を塞いで、ひたすら内向的になる。

何かに追われるように慌ててバタバタするのが好きじゃない。周りでそういう動きをされると、嫌になって離れる。うるさくて耐えられない。

なにもないことに慣れてしまった。

期待したようなことは、起こらない。叶わない。それどころか、何かを目指して頑張れば頑張るほど「思い通りにいかないこと」が増えていく。そんなの疲れるから、もう嫌だ。何かを目指すのは辞めちゃった。諦めた。

リリー・フランキーの『ボロボロになった人へ』という短編小説が好きだ。4ページくらいの、ほんとうに短い話。

今こうしてnoteに文を書いて公開したり、写真を撮っては見てもらおうとしたりする。
辞めた、諦めた、と言いながら、まだ自分の中のどこかに社会や人と断絶しきれずにギリギリ繋がっている部分がある。それが何より厄介だ。スパッと全部が途切れてしまった方が、よっぽど楽で諦めきれる。

『断絶』という言葉を使った、断絶は1972年発売、“井上陽水”名義の1stアルバム。ラストナンバーは『傘がない』。
都会で自殺する人が増えても、テレビで誰かが将来の問題を深刻な顔をして喋っていても、「だけども問題は今日の雨、傘がない」のだ。目や心に降る冷たい雨から自分を守る“傘”がなくて、それでも「君のうちに行かなくちゃ」と思う。社会的に何か大きな問題があることは把握していても、自分の目の前にある課題で精一杯である。

陽水さんはこの『傘がない』について、「天下国家より目先の女、という歌ですから」と煙に巻いたコメントを残している。表現を変えて本質に触れないまま社会を睨む人。野暮な説明は不要。オシャレで、ほんとうに悪い人だなぁと思う。



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