自宅待機中のメンタル維持についてのガイド
新型コロナ騒動の中で、自宅待機・在宅勤務が続いている方が多いかと思います。全く異なる日常の中で、様々な戸惑いがあることとお察しいたします。孤独感やストレスを感じている方や、仕事がはかどらずにイライラしている方、精神的に参ってしまっている方もいるもしれません。
また、高齢の方や、がんなどの持病をお持ちの方で、コロナウイルスへのハイリスクグループに入ることから、大変な不安を抱きながら日々を過ごしている方もいると思います。
そんな方々の助けになる情報がないかなと探していて、自宅待機中のメンタルヘルスの維持についての良いガイドを見つけたので、シェアしたいと思います。
アメリカ最大のがんセンターであるMDアンダーソンのがん患者向けサイトに掲載されているものです。臨床心理学者のキャサリン・パワーズ-ジェームズ博士が自宅待機での過ごし方を解説しています。
翻訳でCOVID-19と戦う集団(大須賀覚、小坂泰二郎、上田美穂、田嶋洋平、滝西安隆、他)に手伝ってもらいまして、その内容の要旨をここに掲載します。
注:当初は本文全文を日本語訳したものをここに載せていましたが、著作権を侵害するといけないので、英語本文の要旨のみを紹介することに変更いたしました。現在、全文の掲載許可を申請中です。今後に、正式な掲載許可をいただきましたら、全文の日本語訳を新ためてご紹介したします。
本文では、自宅待機の中での精神的な影響を軽減して、生産的な生活を維持する方法として、以下をポイントとしてあげて解説しています。
オンラインで人と繋がる
”自分だけ”の時間を作る
滅多にない自宅での時間を楽しむ
在宅仕事に高望みをしない
ポジティブに考える
基本も忘れずに
順番にご紹介していきます
オンラインで人と繋がる
幸運なことに、私たちはテクノロジーの時代に生きていて、アプリやソフトを使うことで、音声や動画などでコミュニケーションをとることが可能です。これがメンタルの維持に良いと解説しています。
とりわけ一人暮らしをしている方は、オンラインで家族や友人とつながることはとても良いと伝えています。
また、趣味のコミュニティとつながることも、良いと推奨しています。それも自宅待機中の孤独を紛らわす助けになると伝えています。
”自分だけ”の時間を作る
休校や自宅待機により、家族と一緒に過ごす時間が増えています。しかし、「それは週7日、24時間、家族と密接に過ごさないといけないわけではありません。」とパワーズ-ジェームズ博士はいっています。
ほんの数分であっても、一人の時間を作ることを提案しています。
読書や瞑想、あなたが楽しめる趣味の時間をとることで、心を再チャージして、自分が落ち込むのを防止したり、家族をサポートできる心の余裕を作れると解説しています。
滅多にない自宅での時間を楽しむ
パワーズ-ジェームズ博士は、今は滅多になり自宅での時間を楽しめる時だとしていて、家族と一緒に過ごす良い機会として捉えることを勧めています。家族でボードゲームをやったり、映画を見たりすることは、家族間の距離を近づけるのに良いと勧めています。
またパソコンの前で過ごす時間が長くなりがちですが、できるだけ頻繁に電源を切ることも勧めています。
新しい料理レシピを見つけて試してみたり、ガーデニングをしたり、クローゼットの整理、食品棚の掃除、車の掃除などを紹介しています。
ただ、新しいことにチャレンジすることが負担になる人もいるかもしれないので、あまり無理をせずに、その気になれないのであれば、無理しなくても、全く問題ないとも付け加えています。
在宅仕事に高望みをしない
在宅仕事のオススメの方法としては、可能な限りスケジュールを維持することを勧めています。オフィスにいるときと同じ時間に、スタートするのを提案しています。
また、通常と異なる作業環境なので、仕事の達成度については高望みしないようにすべきといっています。通常と違う困難な状況なので、自分自身にも、他人にも思いやりを持って、無理をしないようにすべきと伝えています。
ポジティブに考える
「COVID-19に感染することを心配するのは当然ですが、感染することの心配事にばかりとらわれないで、もっとポジティブなことに思考を転換してみましょう。」とパワーズ-ジェームズ博士はアドバイスしています。
音楽を聴いたり、好きな本を読み直したり、安全な距離を保ちながら散歩したり、体操、ヨガなど、自分が楽しめることをすることで、心の安定を保ちましょう。
もし、あなたが日常にはなかったような、とても強い不安を感じていて、コントロールが難しい場合には、専門家の助けを求めることも勧めています。
基本も忘れずに
手指の衛生管理に加えて、バランスのとれた食事、頻繁な運動、十分な睡眠をとるなどの基本的なことも、この時期の健康を維持するには大事です。それも忘れずに。
このパンデミックの間、私たちは皆、同じような困難に直面していることも忘れないでください。「毎日が良い日になるわけではありませんが、それでいいです」と彼女は言います。「出来るだけ良い日を多くし、あまり良くない日は自分自身にやさしくしましょう。」。あまり自分を追い込まずに、無理をしないことが大事なようです。
皆さんもこの記事のアドバイスをご参考になさってください。
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