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AB型で開成高卒の岸田総理が言わずに語っていること

岸田総理が「防衛増税」を押し通した不思議

かつて国民民主党の玉木代表は国会で岸田総理に対して言い放ちました。

玉木代表:総理、あなたは「検討使」って呼ばれているんですよ!・・・

これは頻繁に『検討します』と言って、なかなか政策が前に進まないことを「遣唐使」にかけて揶揄した表現です。

悪い政策も「検討します」と言って潰してくれればいいのですが 笑、今回は岸田総理も一歩も譲らず、自民税調で「増税の方針」を強引に通してしまいました。

法人税と所得税とたばこ税が2027年度中までに増税される方針になりました。2022年12月16日付、与党による「令和5年度税制改正大綱」には以下のように書かれています。これが防衛増税の中身です。

6.防衛力強化に係る財源確保のための税制措置
 わが国の防衛力の抜本的な強化を行うに当たり、歳出・歳入両面から安定的な財源を確保する。税制部分については、令和9年度に向けて複数年かけて段階的に実施することとし、令和9年度において1兆円強を確保する。具体的には、法人税、所得税及びたばこ税について、以下の措置を講ずる。

①法人税
 法人税額に対し、税率4~4.5%の新たな付加税を課す。中小法人に配慮する観点から、課税標準となる法人税額から500万円を控除することとする。

②所得税
 所得税額に対し、当分の間、税率1%の新たな付加税を課す。現下の家計を取り巻く状況に配慮し、復興特別所得税の税率を1%引き下げるとともに、課税期間を延長する。延長期間は、復興事業の着実な実施に影響を与えないよう、復興財源の総額を確実に確保するために必要な長さとする。
 廃炉、特定復興再生拠点区域の整備、特定復興再生拠点区域外への帰還・居住に向けた具体的な取組みや福島国際研究教育機構の構築など息の長い取組みをしっかりと支援できるよう、東日本大震災からの復旧・復興に要する財源については、引き続き、責任を持って確実に確保することとする。

③たばこ税
 3円/1本相当の値上げを、国産葉たばこ農家への影響に十分配慮しつつ、予見可能性を確保したうえで、段階的に実施する。

以上の措置の施行時期は、令和6年以降の適切な時期とする。

令和5年度税制改正大綱

防衛費を増やすこと自体は正しいのですが、増税をするというのは明らかに誤っていて、国債発行で賄うのが正しいのですが、財務省や党内の財政再建派とのパワーバランスでこのような形に落ち着いたものかと思います。

本当は『税は政府にとって財源ではない』ので、増税は全く必要ないどころか、国民生活に大いに有害です。今の日本の政治はこのあたりに限界がありますね。

増税する以上に防衛費予算を拡大した

財務省や自民党内の財政再建派に屈服して増税を認めた岸田総理はけしからん!、と言いたくなる気持ちはわかりますが、もう少し詳しく見てみましょう。

2023 年度から 2027 年度までの5年間における本計画の実施に必要な防
衛力整備の水準に係る金額は、43 兆円程度とする。

防衛力整備計画(令和4年12月)

防衛費を5年間(23年度から25年度)で43兆円程度まで増やすそうです。1年あたり8.6兆円ですね。
じゃあ、これまでの計画だといくらなのかというと、5年間で

5年間で26兆円

です。年間5.2兆円ですね。そうすると、どうでしょう

8.6兆円-5.2兆円=3.4兆円

となり、1年あたり3.4兆円の防衛費増額ということになります。

さっきの自民税調の文書では、

防衛増税で年間1兆円を確保する

と書いてありました。ということは、

3.4兆円の財政支出を行い、そのうち1兆円を増税分で回収する

ということになり、トータルで見れば防衛のための予算を純額で拡大したという見方もできます。

国債発行もするんだったら、増税する必要があるのか?という疑問は大いにあるのですが、これが財務省や財政再建派の議員を納得させるための妥協点だったのでしょうね。

負けたふりをして実は勝っている。
岸田総理のAB型らしい、2面性を示すものかもしれません。

国民の安全保障への関心を高めたかもしれません

岸田総理は自民党の中でもリベラル色が強いと言われている『宏池会』の会長です。最大派閥である安倍派・清和会とは以下のような違いがあります。

宏池会

ハト派で親中派が多い派閥。43人で党内第5の勢力、会長は岸田総理。
「所得倍増」で有名な池田勇人総理が創設した派閥。大平正芳総理、鈴木善幸総理、宮澤喜一総理を輩出。酒豪が多いことで有名。麻生派も谷垣グループも源流は宏池会です。

清和会

タカ派で親米派が多い。96人で最大派閥、会長は空席。
福田赳夫総理が創設した派閥で、小泉総理、森総理、安倍総理、福田康夫総理を輩出。財政再建派が多い印象だが、安倍元総理は積極財政派でした。


宏池会は伝統ある派閥ですが、分裂により規模は縮小。1991年に就任した宮沢総理以降はずっと総理を出していませんでした。岸田総理は宏池会として30年ぶりの総理です。

宏池会の総理なら、安全保障について清和会ほどには真剣に取り組まないのではないかと心配していましたが、ちゃんと考えているようですね。

岸田総理は今回の防衛費予算の増額によって

  • 反撃能力の確保

  • 宇宙・サイバー・電磁波等の新たな領域への対応

  • 南西地域の防衛体制の強化

という3つの能力を強化したいと述べていました。

特に印象的だったのは、

安倍政権において成立した平和安全法制をより実効性のあるものにするためにも、裏付けとなる防衛体制画を具体的に整備する必要がある

と言っていたことです。

つまり、安倍政権で成し遂げた業績をさらに発展させる、という決意表明です。

もし同じような内容を安倍総理が話したとしたら、

いかにも安倍総理が話しそうな内容

という印象を持つでしょうね。

しかし、岸田総理はハト派の宏池会の政治家です。その岸田総理が

防衛能力を高めなくてはいけない!

と力説しているのを聞くと、状況の厳しさをより実感することができます。
具体的には中国による台湾侵攻の可能性が高いことです

マスコミや世論の力を使えば、総理をすげかえることはある意味簡単です。
高市早苗さんに総理をやってもらいたいという気持ちもわかります。

しかし、次から次へと総理を変えていると、そのうち本当に総理をやれる人がいなくなってしまいます。

岸田内閣がおかしな方向にいかないか注視しつつも、

開成高校卒の岸田の能力を使い切るんだ

という気持ちで、国民のために粉骨砕身、働いてもらいましょう。

来年、中国による台湾侵攻が起きないことを祈りつつ・・・

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