高度情報社会で生き残るためのビジネスデザイン

2020/1/23 

セミナーの趣旨:
企業または組織が知識創造的であるためには、どのような仕組みが必要か、ということを、心理学や経営学の視点から分析していくつかの要素モデルを解説。

結論:
ビジネスデザイン=知を創出する仕組みを組織に組み込む
          →暗黙知・形式知が循環する場を作ること
            =SECI(セキ)モデル

一般的にデザイン思考は、サービス・プロダクトを創造するための手続き。
対して、本セミナーの趣旨はそのエッセンスを経営視点で組織に当てはめ、継続した創造エンジンとして組み込もうという視点で、それがSECIモデルと近いと主張している。

・SECIモデル
 については、様々な媒体でも紹介されている。
  https://www.itmedia.co.jp/im/articles/0501/19/news128.html
日本人の野中教授が提唱した、組織的知識創造理論で、知識には暗黙知と形式知の2つがあり、それを個人・集団・組織の間で、相互に絶え間なく変換・移転することによって新たな知識が創造されるという考え。簡単に言えば、少数の仲間同士の共感やノリのアイデア(暗黙知)を発展させ、組織で共有できる物語化して(形式知)、実践を通して組織の暗黙知とする循環プロセス。


 ただし、講師の主張としては、このモデルを生み出すのは「場」であり、いかにしてそのような場をデザインするかを、様々な心理学や組織論をヒントにして設計していくべきとのことだった。

 創造的な場をデザインするために参考となるモデル
・組織意思決定循環プロセス(BTF)
・組織学習の循環プロセス
・シェアードメンタルモデル(SMM)
・トランザクティブ・メモリー・モデル(TMS)

所管・雑感
 
創造的な組織というのは、ある程度の時間的・資金的余裕や余白がないと難しい。例えば、決められたタスクをこなすのに手一杯の企業ではそもそも難しいと思える。それが満たされた場合で、いかに場をデザインするか。ここでもデザインとは、見た目のことではなく、行動を促すための設計である。
 SECIモデルについては、企業で言えばボトムアップ型で組織的に作るという形なので、日本の大手企業に馴染みやすいし、実際にいまくいったパターンをモデル化したものかもしれない。
 デザイン思考というやり方が流行りのように使われているが、特定プロジェクトの進め方に使うというより、そういったマインドや場を組織に組み込んで行くという考えは、正しい方向だと思った。


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