【卒業生ストーリー】さとのば大学1期生が歩む”自分らしい”卒業後の進路(前編)
こんにちは。地域を旅する大学 さとのば大学のnote編集部です。
さとのば大学の旅する大学コースが始まったのは4年前。さとのば大学×ネットの大学managaraとのダブルスクールを提案する「地域イノベータコース」が始まったことをきっかけに、4年制コースを開講することとなりました。その当時1期生として受講した学生たち、今はそれぞれの道を歩み、社会に出ていきます。
本記事では、1期生の3名にインタビューし、さとのば大学の学びがどのように生かされ、就職先や進路を決めたのか、さとのば大学の先に続く未来をお伝えします。
■インタビューした1期生のメンバー
■さとのば大学に入学しようと思った理由は?
ー1期生として入学することはとても勇気が必要だったのではと思いますが、どんな気持ちだったのでしょう?
黒澤:自分自身に根差した人生を歩んでいる仲間と一緒に過ごすことで、自分のありたい姿を見つけ、そこへ向かっていくことがしたいと思って入学を決めました。冒険のような生き方が自分にあっているような気がして、さとのばというフィールドが魅力的に見えたんですよね。迷いもあったけど、岡本太郎の本から「”俺は生きた!”と言える人生になるだろうか?」という問いをもらい、入学することを決めました。
南:私は、中学2年生から身体を壊し5年間引きこもった状態が続いていたんです。でも、病気を理由に社会との関わりを閉ざそうとしている自分がいることに危機感を持ち、そんな状況を変えるためにはどうすればいいか、親や高校の先生とも話し合いました。「親元を離れて自分で生活を送ってみること」「誰も自分のことを知らない環境に身を置くこと」が重要なのではという結論に至り、そんな時高校の案内でさとのば大学を知って、決断をしました。
小曽根:高校2年生の時、職業体験の一環で訪れた長崎県五島列島での滞在をきっかけに、地域と関わる魅力や地域の風土に関心を持つようになりました。その後も五島列島を訪れたかったのですが、コロナが始まりそれが実現できず、地域に関連したことで挑戦したいという気持ちが残りました。そんな時、さとのば大学のことを知り、”さとのば生”という肩書きを持ちながら様々な地域で挑戦したいと思い入学を決めました。
また、発起人の信岡さんとお話ししたときに、「無邪気な気持ちを忘れていない大人の姿」に触れ、刺激を受けたことも決断の後押しになりました。いろんな苦労はあっても、初心を忘れずいろんなことにチャレンジしてみようという姿はロールモデルです。
■物事の捉え方の変化、生き方の変化
ーさとのば大学は地域で暮らしながら学ぶスタイル。全身でたくさん吸収した期間だったのだと思います。そんな中で皆さんの中にどんな変容が感じられましたか?
南:物事を斜に構えて見ることが大きく減り、悲観的な考えになりそうな時に一旦思考を中断して行動することが出来るようになったと感じています。
元々引きこもっていたこともあり、マイナス思考に引っ張られることで足が竦んで考えていたことを行動に移せなかったり、社会経験の少なさから物事を卑屈に見ていました。でもさとのば大学で地域留学し、日常の小さな成功体験として積み重ね、今までの自分の周りにはいなかった活力に満ち溢れた人とコミュニケーションを重ねることで今の自分に至ることが出来たのではないのかと考えています。
小曽根:人に嫌われたくない、人に良くみられたい。自分の弱さを見せることで「あいつそんなこともできないのか」って思われるのが嫌で、これまで人に甘えるのがとても苦手でした。完璧である自分でいたい感情が強かったんです。
でも、西粟倉村/郡上市の大人たちに、『子ども』ではなく『一人の人間』として扱ってもらえたことで変わりました。「助けて」って言ったら助けてもらえる信頼関係ができていた。期待や信頼に応えるために、「自分にはここはできるけど、ここはできない」という判断と意思表示ができるようになったのも大きかったと思います。また、地域の方との出会いから、大人のイメージが変わりました。謝るところは謝るし、頼るところは頼る。自分の意志を持った上で柔軟にチャレンジできている大人たちは素敵で、僕もそれを真似していきたいと思っています。
黒澤:まずは、自分の中にある感情や、その裏にある願いに目を向けるようになったのが大きな変化です。自分の思考、行動、感情パターンをより深く理解することができ失敗を恐れることが減っていった実感があります。以前よりも自分が本当にしたいことを大切にできるようになったと思っています。
ー人々との出会いや仲間との学び合い、対話があったからこその変化ですよね。特に地域だからこそ得られたこともありますか?
小曽根:失敗を失敗ではなく、学びとしての成功体験に繋げられることは、地域で学ぶ最大のメリットだと思います。失敗したとしても助けてもらったことで感謝が生まれて、そこでまた人との繋がりができるし、「あの時はありがとうございました」って日々言葉を交わすことができるようになる。「あのとき失敗したけど、今こうやってできているんだからいいじゃない」って、失敗を温かく笑ってくれる人がいるのも、地域の良さだと感じます。
■これからの就職先や進路は?
ー実は1期生は1~2年間さとのば大学の地域留学先に滞在したのち、今はそれぞれの道を歩んでいます。海外の旅から瀬戸内の島でプロジェクトに取り組む黒澤さん。高知県のゲストハウスで住み込み働きながら学業を両立させた南さん。マイプロのテーマを発展させ活動を続ける小曽根さん。それぞれ、これからどのような進路を選んだのでしょうか?
小曽根:実は一般的な大学卒業前のタイミングではありますが、2024年2月から大手通信制高校に就職し、行政/企業と連携し、体験学習(課外活動)を企画/運営を担当しています。
高校2年生で五島列島を訪れた時、人に弱さを見せたくないと思い、人間不信になっていた僕に第二の故郷が見つかった気がしました。その後さとのば大学で得た経験も活かしながら、僕と同じではなくても悩みを持っている、変えたいと思っている生徒が変わるきっかけを作りたい、という思いで就職先に選びました。
黒澤:私もすでに働き始めていて、昨年まではフリーランス的にいくつかの仕事をしていました。今は、島というローカルに身を置きながら、さとのば大学を通して叶えられる世界観に共感し、ラーニングアシスタントの仕事を主にしています。さとのば大学の仕事はリモートワークで、好きな場所に暮らし旅もできるという点でも魅力的でした。
向こう5~10年くらいをどこで過ごしたいのか、「日本」という枠も外してあらためて考えたいと思い、来年は海外に暮らしてみることも考えています。
南:来年度から、大手家具メーカーの総合職として就職予定です。自分自身の適性に合った仕事で挑戦できること、継続的な成長と幸福を得られる道は何かを考えながら就職活動を続け、最終的にこの決断しました。
生きる・学ぶ・働くがつながり合い、一般的な就職タイミングに限らずそれぞれのタイミングで社会との関わりを広げるさとのば卒業生。働き方も、正社員やフリーランス等様々です。
後編の記事では、この進路の土台となったさとのば大学での経験や、未来に向けた挑戦を深掘ります!ぜひご覧ください。
▼後編はこちら
■関連記事
・小曽根さんインタビュー記事(note)
・黒澤さん含めたさとのば大学LA紹介記事(note)
・南さんインタビュー記事(ネットの大学managara地域イノベータコース)
■暮らしながらプロジェクトを実践する、さとのば大学の学びのフィールドは全国各地
さとのば大学では、4年間1年ずつ多様な地域へ留学し、地域での様々な人との出会いや対話を通して自分自身の関心を探り、マイプロジェクトへと繋げて実践していきます。ぜひあなたらしさが活かせる地域を、見つけに行きませんか。
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