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4thが主催する落語会に来て下さった、すばらしい噺家さんたち


ボクは「4th」というコミュニティを主宰・運営しているのだけど、その中には部活みたいなものが40くらいあって、そのひとつが「落語トライブ」

この落語トライブ、落語好きが集まって落語を聴く、というだけが活動内容ではなく、落語会の主催もしているのです。

そういうプライベート落語会、やったことある方もいらっしゃると思うけど、まぁ普通はその落語会のレベルと経験に見合った、二つ目さんとかを呼ぶところから始めますよね。

でも、この落語会は最初から贅沢で。
4thメンバーっていろいろなところに人脈を持っていることもあり、いきなり「寄席だったらトリをとるような師匠たち」を次々と呼んでしまい・・・「こんな小さな空間に、こんな師匠がたを呼んでもいいモノか」と、毎回冷や汗かく始末。

でも、落語トライブの熱心な幹事たちのおかげもあって、なんとか3年以上、続けてきました。

ここでは、いままで来てくださった噺家さんたちとその演目を、順にご紹介していきます。

演目は、演ってくださった方に自筆で「ネタ帖」に書いていただくことをお願いしており、そのネタ帖は珠玉の文字たちで埋まって行っています。
(わけあって、第一回目から第三回目まではご自身ではなく「さん喬師匠」に全部書いていただきました)

新たに来て下さった方は、このネタ帖を見て、「前に何を演ったのか」を見て、あまりネタが重ならないようにその日の演目を考えたりするわけですね。


さて。
第一回目から第九回目までは、南青山のボクのオフィスでやりました。
南青山五丁目にあるたつむら青山マンションという古いマンションの611号室。

ここ、6階にしては抜けがよくて、夜景がキレイだったので、「南青山夜景寄席」と名付けて開催していました。

聴衆はキャパ的に60人くらい。
最初は高座用になる頑丈かつ背の高いデスクもなかったので、ビール箱を酒屋さんから借りてきて重ねて高座を作り、そこに緋毛氈をかぶせて使っていました。

※高座にビール箱を使うのは失礼ではなく、変な机よりずっと頑丈かつ上で噺家さんが激しく動いても揺れないんですね。なので高座用の台や机がない場合、ビール箱で代用するのはアリなのです。


ということで、第一回目から順にご紹介していきます。

一応、目次を入れますね。
(今後、落語会をする場合、ここに随時書き足していきます)

古今亭菊之丞師匠(2016年2月12日)

「太鼓腹」
「芝浜」

第一回目は、人脈をフルに使って、なんと菊之丞師匠に来ていただきました。
こんな小さな落語会でも、ニコニコと楽しげに来て下さり、本当にホッとしたのを覚えています。しかも、「そうですか、第一回目ですか」と、なんと「芝浜」をかけてくださるという強烈パンチ!

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※撮影(↑):田頭真理子

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終了後は、みんなで(聴衆の半分くらいは残って)いっしょに宴会できるのもこういうプライベート落語会の贅沢なところ。ありがとうございました。

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立川談笑師匠(2016年3月18日)

「堀之内」
「刻そば」
「居酒屋・改」

菊之丞師匠から落語協会に行くのではなく、次が立川流というのもプライベート落語会の自由なところ。
枕で聴衆の年齢と雰囲気を探りつつ、いきなり「堀之内」w。
そして待ってましたの「改」シリーズw

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終演後も、長く残って下さり、落語の裏表いろいろなことをお話くださいました。ありがとうございました。


立川吉笑(2016年4月27日)

「舌打たず」
「ぞおん」
「くじ悲喜」

談笑師匠が「じゃ、次にうちの一番弟子とかどうですかね」と言ってくださり、まだ二つ目でありながら、人気急上昇中、そして『現在落語論』という本も出したばかりの立川吉笑さんに来ていただきました。

全部新作。その新作が実にモダンで斬新で、特に「くじ悲喜(くじびき、と読む)」なんか、ほんと新鮮だったなぁ。

失礼ながら、二つ目さん、見くびってました。すごかった。

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終演後の飲み会も、若手ならではの落語の考え方や見方、これからの落語界とかをざっくばらんに教えていただきました。ありがとうございました。


柳家さん喬師匠(2016年6月3日)

「幾代餅」
「唐茄子政談」

さん喬師匠の落語はいままでに何度も聴いていたり、ちょっとご飯などをご一緒したこともあったりしたので、「なんで一回目に呼んでくれないの」と怒られてしまいましたw

でも、ちょっと初回からさん喬師匠を呼ぶ度量はなく(菊之丞師匠が劣るという意味では全くありませんが、さすがに寄席で大トリをされる方なので)、なんとなく日和っていて、第四回目でようやくお呼びする準備が整った、という感じでした。

演目も素晴らしかったなぁ・・・。

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※撮影(↑):田頭真理子

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ちなみに、実はネタ帖、この第一回目から第三回目までのを知って、さん喬師匠が、上の菊之丞師匠から吉笑さんまでのネタ帖をすべて書いていただいたのでした。なんてお優しい・・・。ありがとうございました。

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柳家喬太郎師匠(2016年11月15日)

「まんじゅうこわい」
「午後の保健室」
「真景累ヶ淵 宗悦殺し」

当代きっての人気落語家、喬太郎師匠は、実はさん喬師匠のお弟子さん。
「次は喬太郎あたり、いいんじゃないですかね」とさん喬師匠から提案されたときは「マジですか!」ってなったけど、いや本当に来て下さりビックリ。
まぁお忙しい師匠なので間が数ヶ月あいたけど、たった60人ほどの聴衆で喬太郎師匠を独占するとか、どっかに怒られそうですね。

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終演後は、呑みながら興に乗られて「任侠流山動物園」をほとんど語ってしまうというw いやー、得しましたw ありがとうございました。


桃月庵白酒師匠(2017年2月22日)

「長命」
「禁酒番屋」
「首ったけ」

ボクが特に好きな落語家さんのひとり、白酒師匠を、違う伝手を使ってお呼びすることができました。いやぁ爆笑王のひとりですね。
とても腰の低い、実にいい人でした。
小さい体からのあの迫力。白酒師匠は小さなキャパでの落語会で聴くとまた全然感じが違うなぁ、と。ホント迫力あったなぁ。

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この日は師匠が呑めないということで、師匠を交えての宴会はありませんでした。ありがとうございました。


古今亭菊之丞師匠(2017年4月21日)

「崇徳院」
「不動坊」

二回目の菊之丞師匠。
二回も来て下さり本当にありがとうございました。もう菊之丞師匠の女形というか、芸者役の語り口が好きで好きで。
今回の噺ではそれはなかったけど、「不動坊」とか本当に名演でした。菊之丞師匠は本当にカジュアルで、たまにメールもいただけます。うれしい限り。

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あれ、この日の宴会の写真が残っていないや。見つけたらまた貼ります。ありがとうございました。


柳家三三師匠(2017年9月22日)

「金明竹」
「不孝者」

実はボクが意識して落語を聴き始めたときの初っぱなは三三師匠でして。
いつかお呼びできたら良いなぁ、と思っていたけど、なんかちょっと怖くてw
でも、機嫌良く来て下さいました。
このときは、4thメンバーが三三師匠を寄席終わりで待ち伏せして「プライベート落語会をやっているのですが、来ていただけませんか」というお手紙を渡してきていただいたのでした。ほんと、わけわからなかったでしょうが、快く来ていただき、ありがとうございました!

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三三師匠の落語の裏話とか、本当に面白かったなぁ。。。


柳家さん喬師匠(2017年11月17日)

「天狗裁き」
「笠碁」
「柳田格之進」

ついにさん喬師匠の「笠碁」が我がオフィスで・・・。光栄すぎます。
実はこれが「南青山夜景寄席」のラスト。この半年後にはオフィス引越を決めていたので、ではラストはやはり、とさん喬師匠に来ていただきました。「柳田格之進」も素晴らしかった・・・。

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終演後もいつも長く残っていただけます。光栄です。ありがとうございました。


柳家さん喬師匠(2018年12月20日)

「刻そば」
「掛け取万才」
「文七元結」

さて、ここから、オフィスを南青山から渋谷区鉢山町に移転したこともあり、「渋谷鉢山そば屋寄席」と題しています。

オフィスを4thメンバーがより集まりやすいように、マンションの一室から路面店の元蕎麦屋に引っ越しての第一回。それはやはりさん喬師匠に、と、贅沢極まりないこけら落としでした。

おんぼろな蕎麦屋だったので、リノベに半年かかり、落語会を再開できたのは前から1年後。
まぁ落語と蕎麦屋は愛称いいんだけど、外にトラック通ると揺れるし、部屋の真ん中に無粋な柱が通っているし、環境は前より悪くなってしまったかも・・・泣。

でも、さん喬師匠は快くきてくださいました。
そして、待望の「文七元結」!

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終演後の飲み会は、場所を一階に移して。
いままではいったん落語会の現場からみんなに外に出てもらって、その間に会場を設えて、とやっていたけど、二階で落語会をして一階に移るだけ、というのはスムーズでいい感じになりました。ありがとうございました。

林家彦いち師匠(2019年2月5日)

「お見立て」
「長島の満月」

4thメンバーの落語トライブ幹事のひとりが大大大ファンな彦いち師匠。
満を持して来ていただけました。
もうド頭からドカンドカンと笑いととっていくスピードがすごかった。もう身近なネタを散りばめての枕がまた絶品でした。

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ちょうど芸歴30周年、ということで、そのお祝いもさせていただきました! よろこんでいただけたと思います。ありがとうございました。


三遊亭わん丈(2019年4月9日)

「新ガマの油」
「五貫裁き」
「近江八景」

4thメンバーに「わん丈さんのおっかけ」がいて、わん丈さんをなんとか呼びたいとなって実現した落語会。
二つ目さんは、吉笑さん以来だけど、ボクも何度かわん丈さんの落語会に行かせてもらっていて、いやぁすごい二つ目さんがいるもんだ、と感心していたところだったので、めちゃくちゃ楽しみにしてました。

で、なんと、模造紙を使って滋賀を説明しつつの「近江八景」が面白かった。特にオチがない噺で「こんなつまらない噺はない」と本人も言うくらい。でも、滋賀出身としてそれをきちんと笑える噺に昇華してくれ、実におもしろかった。ありがとうございました。

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あれ? 飲み会も相当盛り上がったのだけど、写真が残ってない。見つけ次第アップします。

ちなみに数日後、わん丈さんからこんなに丁寧なお手紙をいただき、感動しました。

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立川談笑師匠(2019年6月26日)

「粗忽の釘」
「4Kテレビ算」
「片棒・改」

二回目の談笑師匠。二回も来て下さり、しかもこんなに環境が悪いところに来て下さり、ありがとうございます。
「いやいや、なーんも。すごくいいじゃないですか。おもしろいですよ」とおもしろがってくれ、ありがたかった・・・。
古典の「壺算」を現代に直した改作「4Kテレビ算」とか、おもろかったなぁ。そして続いての「改」シリーズ「片棒・改」これまた絶品。談笑師匠にしか出来ない噺じゃないかなぁ。

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終わってからの芸談も超楽しい。
一階のカウンターを気に入っていただいて、「ここ、今度若手ときて料理作りますよ!」と言ってくださったり。お愛想でもうれしいですw ありがとうございました。

桂宮治(2019年12月5日)

「親子酒」
「死神」

実は落語芸術協会の噺家さんは初めて。桂宮治さん。
いろいろな大師匠たちに来ていただいているけど、二つ目さんを応援するような方向をもっと増やそう、と、当代人気トップクラスのこの方に来ていただきました。
その衝撃的面白さについてはnoteに書いたりしたので、もし良かったら。

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終演後はカウンター内に入って、超ご機嫌にチーママ役をやってくださいましたw ありがとうございました。


今後も、来て下さった噺家さんたちを随時ここに追加していきますね。
2ヶ月にいっぺんは開きたいね、と言っています。

なお、この落語会、申し訳ありませんが、4thのメンバーと、その同伴の友人のみ、となっています。
4thの友人がいる人は、その人に問い合わせてみてください。

ただ、同伴の方も、4thで早々に満席になってしまった場合はお誘いが難しいです。その辺、ご理解、よろしくお願いいたします。





古めの喫茶店(ただし禁煙)で文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、ゆっくりと文章を練りたいと思います。ありがとうございます。