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【今日の読書旅】Day157

売らない売り方
川上徹也 著 日経ビジネス文庫 2019年

小さな会社が10年後も生き残るためにやるべきこと


この本は、著者の川上徹也さんが、2009年に出版された「価格、品質、広告で勝負したていたら、お金がいくらあっても足りませんよ」という長いタイトルの本が文庫化されたもの。


10年経っても廃れない商売の原理原則が学べる本。
「売れる」ではなく「売れ続ける」ためには…


❶[3セレクト]
①売れ続けるために必要な法則

成功する人は、努力と才能を掛け合わせた値が大きい人。
努力は方法によって成功する確率を格段に上げられる。

そのためには、「自分の戦力、自分には何ができるか(=X)と「時代の空気(=Y)を綿密に分析し準備いてから戦わなければならない。

売れ続けるためには、XとYが重なるように仕組んでいく必要がある。大抵の人は、XもYもわかっていないまま悩んでいる。

売れる公式や根拠がない会社は潰れてしまう。

偶然売れることに任せているのは危険。


②ありきたりの広告では売れない

普通でありきたりの広告では、もう売れない。生活者は「広告メッセージ」に対して、常に警戒心を抱いているから。

消費者は、店のコピーよりも食べログの評価を気にする。
かといって、単に「おもしろい広告」を作れば、商品が売れるかというとそれも違う。


どのようなメディアをどう使えば効果的なのかという嗅覚のようなものも含め、広告作りにはますます高度な仕掛けや、マーケティング&クリエイティブセンスが必要になる。でも、小さなお店にはお金がない。。


そこで考えるのが「ストーリー」。人の心を動かすストーリーがあれば、最小限の広告を打つだけでも、口コミで広がりやすくなる。


③ストーリーって?

ストーリーは、創るのではなく、発見したり、育てたりするもの。「原石」を発見してそれを磨く。もしくは「種」を植えてそれを育てる。


誰にでも「原石」はある。


フィクションではない、商品・お店・企業にはまつわるエピソード(ストーリー)は、人の心を動かす。

そして「物語の主人公」に必要なのは、きらびやかな衣装ではなく、「真実の服」。物が売れない時代には、なくてはならないもの。


【ストーリーの黄金律(法則)】


1、何かが欠落しているまたは欠落させられた主人公が

↓↓↓


2、なんとかしてもやり遂げようとする遠く険しい目標やゴールに向かって、

↓↓↓


3、数多くの葛藤、障害、敵対するものを乗り越えていく
という3要素が含まれている「ストーリー」のこと。


【ストーリーの3本の矢】


1、志
2、独自化
3、エピソード


【ストーリー事例】ー崖っぷちは最大のチャンスー

1991年の台風19号によって、青森県のりんご農家は甚大な被害を受けた。収穫期を迎えてリンゴはほとんど落ちて商品にならなくなってしまった。ほとんどの農家は、落ちてしまったりんごを見つめてただ呆然とするばかりでした。苦労して育てたのにもかかわらず、この年の収入はゼロになる可能性が高いからです。しかし、その中に一人あきらめず、このピンチをなんとかできないかと考えた若手農家がいました。彼は、リンゴ農家の集まりでこんなアイデアを提案しました。少しでも残ったリンゴを「落ちないリンゴ」と名付けて売り出そう!結果、多くの人が農家を応援しようと「落ちないリンゴ」を購入してくれた。


※ストーリーの注意
発信する物語を消費されすぎないように考慮しておく必要がある。


❷[マイエピソード]

昨日読んだ「プロセスエコノミー」と重なる部分が多々ある。人々は、「つくられた」ものでは、心が動かなくなってる。私自身も消費者で、ノンフィクションのオリンピック競技のLIVEに感動して涙する。2009年に出版された本の内容と2021年に出版されたばかりの本の内容がリンクするのは、とても面白い。著者の川上さんが、10年以上前から、来る10年後を予想して、個人や企業が存続し続けるための原理原則を教え続けてくださっていること、警笛を鳴らし続けてくださっているということに感謝したいです。


❸[今日からのアクション]

わたしのお店と私の「過去から現在までのヒストリー」について、再度書き出してみる。まだ眠っているかもしれない多くの商品やサービスの「ストーリー」を掘り起こす作業は楽しそう。

このnoteを書いてる人・・

個人がハイパフォーマンスを発揮できる「心と身体の造り方」や「学びの効率化」「読書コーチング」など、個人の生活やビジネスの生産性を上げるサポートや講座を開催しています。


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